カルシウム恒常性破綻のナノイメージングに関する研究

文献情報

文献番号
200812014A
報告書区分
総括
研究課題名
カルシウム恒常性破綻のナノイメージングに関する研究
課題番号
H19-ナノ・一般-004
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
尾藤 晴彦(東京大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 北 潔(東京大学 大学院医学系研究科 )
  • 菊地 和也(大阪大学 大学院工学研究科)
  • 奥野 浩行(東京大学 大学院医学系研究科 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究(ナノメディシン研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
29,904,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
カルシウム(Ca2+)恒常性と細胞内Ca2+動態の破綻は、生活習慣病・脳高次機能障害や骨粗鬆症など多くの病態において示唆される。本研究では、Ca2+恒常性破綻のナノイメージングを可能にする融合的学際的研究を実施し、疾病時に起こると考えられるCa2+シグナリングの様々なレベルでの破綻を疾患動物モデルにおいて計測する基盤技術を開発し、新たな光工学的技術開発に向けた産学連携の基礎を築く。
研究方法
新規カルシウムセンサープローブや認知活動依存的プローブの作出と個体動物への導入、新規オルガネラ局在化シグナルの同定、ならびに新規MRIプローブ技術の開発に引き続き取り組んだ。特に、認知活動依存性エレメントSAREの配列基づくCa2+応答性リポーターなどを発現するプローブを開発し、さらにこのプローブを生きた成体で発現する実験系を構築した。Ca2+感受性リポーターの個体での可視化を視野に、新規原理に基づく機能性MRI造影の手法をbeta-galactosidase等について確立を試みた。
結果と考察
これまで、生きた個体の疾患動物モデルにおいて、病態時のCa2+ 動態異常が計測されたことは稀である。これは、これまで開発されてきたCa2+指示薬のほとんどが培養細胞にてのみ有効な特性を有していたからである。本研究では、作出した赤色シフトのカルシウムセンサープローブや、カルシウムの下流で活性化される遺伝子発現誘導の人工リポーター遺伝子などを、ウィルスベクターや遺伝子改変マウスにて確認している。さらに、この技術の有用性を高めるたけ、細胞内オルガネラ局在ナノセンサーの開発や細胞内Ca2+シグナル活性化をMRIにより検出する新規技術に関する研究も実施した。特にリポーター酵素活性の検出は、Gd3+錯体により19F-MRIのシグナル強度を制御するという原理を典型的なリポーター遺伝子であるbeta-galactosidase検出に応用し、19F-MRIにより可視化可能であることを示した。
結論
本研究は順調に進行しており、開発した種々のカルシウムセンサープローブは、いずれも病態時のCa2+ナノドメイン測定に有効な示唆を与える可能性が高い。最終年度に病態モデル等を用いた個体組織Ca2+動態の測定を集中的に実施する。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-