文献情報
文献番号
200812007A
報告書区分
総括
研究課題名
PETを用いた多施設共同臨床試験によるアルツハイマー病の超早期診断法の確立と普及
課題番号
H18-ナノ・一般-011
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
谷内 一彦(国立大学法人東北大学 大学院医学系研究科・機能薬理学分野)
研究分担者(所属機関)
- 岡村 信行(国立大学法人東北大学 大学院医学系研究科・機能薬理学分野)
- 工藤幸司(東北大学未来医工学治療開発センター 前臨床応用部門)
- 伊藤健吾(国立長寿医療センター研究所 長寿脳科学研究部 )
- 石渡喜一(東京都老人総合研究所)
- 岩田 錬(国立大学法人東北大学 サイクロトロンRIセンター)
- 青木 康(住友重機械工業株式会社)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究(ナノメディシン研究)
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
33,842,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
アルツハイマー病(AD)の神経病理学的研究によると、ADに特徴的な脳病理所見とされる老人斑の脳内蓄積は、臨床症状の出現よりも数十年先行する。本研究は、東北大学、国立長寿医療センター、東京都老人総合研究所による多施設共同臨床試験により、東北大学研究グループが今まで開発してきたbenzoxazole誘導体であるアミロイド標識薬剤[11C]BF-227とその関連[18F]標識化合物FACT(Fluorinated Amyloid Imaging Compound of Tohoku University)を用いてPET臨床研究を多施設共同にて行い、アミロイドAβ蛋白の非侵襲的分子イメージング測定法を確立し普及させることを目的とする。
研究方法
1.[11C]BF-227を用いた東北大学、東京都老人総合研究所、国立長寿医療センターの3施設共同臨床試験の実施と3施設のデータ比較
2.[11C]BF-227と[11C]PIBの比較臨床試験の実施と3施設以外での[11C]BF-227を用いた臨床研究実施
3.PETアミロイド・イメージング用新規[18F]FACTの臨床試験の実施
4.超小型[18F] FACT自動標識合成装置の実用化と東京都老人総合研究所、国立長寿医療センターにおける合成・検定の実施と臨床試験の準備
2.[11C]BF-227と[11C]PIBの比較臨床試験の実施と3施設以外での[11C]BF-227を用いた臨床研究実施
3.PETアミロイド・イメージング用新規[18F]FACTの臨床試験の実施
4.超小型[18F] FACT自動標識合成装置の実用化と東京都老人総合研究所、国立長寿医療センターにおける合成・検定の実施と臨床試験の準備
結果と考察
[11C]BF-227を用いた臨床試験において東北大学83例、東京都老人総合研究所12例、国立長寿医療センター46例の総計141名の検査を行った。東北大学を中心にF-18標識FACTを用いて計19名を対象として臨床試験を実施した。アミロイドイメージングプローブとして[18F]FACT および[11C]BF-227はほぼ同様な性質を持つことが明らかになった。
結論
Benzoxazole誘導体プローブ[11C]BF-227と[18F]FACTを用いたアルツハイマー病の超早期診断法の確立と普及に格段の進歩があった。[18F]FACTの標識法はbenzoxazole誘導体のみでなくPIBやSB13の基本骨格にも応用可能であり、動物における脱フッ素も起きなく大変優れた標識法である。
公開日・更新日
公開日
2011-05-30
更新日
-