新規手法による食鳥肉におけるカンピロバクター汚染状況の調査に関する研究

文献情報

文献番号
202024038A
報告書区分
総括
研究課題名
新規手法による食鳥肉におけるカンピロバクター汚染状況の調査に関する研究
課題番号
20KA3003
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
岡田 彩加(岐阜大学 応用生物科学部)
研究分担者(所属機関)
  • 猪島 康雄(岐阜大学 応用生物科学部)
  • 松原 達也(岐阜大学 応用生物科学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
1,100,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
現在、カンピロバクターによる食鳥肉の汚染状況は分離培養により調査されている。しかし、カンピロバクターは環境ストレスにより、生きているが培養できないVariable but nonculturable(VBNC)状態になることが知られる。本研究では新規手法により、培養できないカンピロバクターも含めた食鳥肉のカンピロバクター汚染状況を正確に把握することで、本食中毒低減策の作製に寄与することを目的とする。
研究方法
令和2年度は食品サンプルからのVBNC状態の菌を含む生きたカンピロバクターの効率的なDNA抽出方法の検討を中心に行った。食品などの夾雑物が多く含まれるサンプルでは、PCR反応が阻害されるため、最もカンピロバクターDNA検出率の高くなるPCR阻害物質の除去方法を検討した。PCR阻害物質の除去方法として、使用するqPCR試薬、DNA抽出キット、PCR阻害物質除去キットについて検討を行い、最適な試薬を選定した。実際に食鳥肉から検出を行うことを想定し、市販鶏肉10 gをPBS10 mlと混合し、50%乳剤を作製し、作製した乳剤200 µlにcampylobacter jejuni JCM2013を10^5CFUに調整した菌体ペレットを添加したサンプルを用いて検証を行った。
結果と考察
食品などの夾雑物が多く含まれるサンプルでは、PCR反応が阻害される。令和2年度は最もカンピロバクターDNA検出率の高くなるPCR阻害物質の除去方法として、使用するqPCR試薬、DNA抽出キット、PCR阻害物質除去キットについて検討を行い、最適な試薬を選定した。またPCR阻害物質除去キットについては使用の有無によりPCR効率に差が認められなかったため、使用の必要はないことが示された。今後、密度勾配遠心法の検討、実際の汚染状況の調査を行なっていくことで、食鳥肉のカンピロバクター汚染状況を正確に把握することが可能となる。
結論
今回明らかとなった方法を用いてqPCRを行うことで、効率的に食品中からカンピロバクターDNAを検出することが可能となる。今後、新たなカンピロバクター検出法として密度勾配遠心法と組み合わせたPMA-qPCRを確立することで、食鳥肉のカンピロバクター汚染状況を正確に把握することが可能となり、本食中毒低減策の作製に寄与することが可能となる。

公開日・更新日

公開日
2021-12-03
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2021-12-03
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202024038Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
3,060,000円
(2)補助金確定額
1,806,000円
差引額 [(1)-(2)]
1,254,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,100,000円
人件費・謝金 0円
旅費 0円
その他 0円
間接経費 706,000円
合計 1,806,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2022-07-01
更新日
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