文献情報
文献番号
200811018A
報告書区分
総括
研究課題名
脳卒中後遺症治療を標的にする遺伝子改変病態モデルの開発
課題番号
H20-生物資源・一般-003
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
植田 弘師(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
- 井上 誠(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科)
- 藤田 亮介(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(生物資源・創薬モデル動物研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
9,775,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
プロサイモシン・アルファ(ProTα)は、脳卒中超急性期ー急性期に神経を強力に保護する核蛋白質である。一方、内在性ProTαの欠損は神経脆弱性に繋がり、脳卒中後遺症として問題視される高次脳機能障害、錐体外路系障害、慢性痛に関連する可能性が挙げられる。本研究は、Cre-loxPシステムを利用して部位特異的ProTα欠損マウスを作製し、脳卒中後遺症モデルとしての正当性を評価することを目的とする。
研究方法
Floxed ProTα Knockinマウス(ProTαflox/flox)と、大脳皮質・海馬領域特異的プロモーター制御によるCre発現マウス、あるいは線条体領域特異的プロモーター制御によるCre発現マウスをかけ合わせ、それぞれ大脳皮質・海馬領域特異的ProTα欠損マウス、線条体領域特異的ProTα欠損マウスを作製する。さらに、Cre発現ベクターの局所投与により視床部位特異的ProTα欠損マウスを作製する。得られたマウスについて、組織学的および行動学的解析を行い、モデルとしての正当性を評価する。
結果と考察
大脳皮質・海馬領域特異的ProTα欠損マウスの作製に必要となるヘテロ型欠損マウスの出生を確認し、最終段階の交配により得られた仔の解析に着手した。また、線条体領域特異的ProTα欠損マウスの作製に必要となるヘテロ型欠損マウスの出生を確認し、最終段階の交配により得られた仔の解析に着手した。さらに、視床部位特異的ProTα欠損マウスの作製に必要となるCre遺伝子発現ウイルスベクターを準備した。また、次年度の解析に必要となるProTα免疫組織学的染色法、および、海馬依存性のLTP現象を評価する新たなシステムを確立した。
結論
以上のように、部位特異的ProTα欠損マウス作製の最終段階に移行し、また、次年度に必要となる評価システムの確立に成功した。
公開日・更新日
公開日
2011-05-30
更新日
-