急性冠症候群の疾患モデルウサギの開発及びバイオリソースの樹立

文献情報

文献番号
200811017A
報告書区分
総括
研究課題名
急性冠症候群の疾患モデルウサギの開発及びバイオリソースの樹立
課題番号
H20-生物資源・一般-002
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
塩見 雅志(神戸大学大学院医学研究科附属動物実験施設)
研究分担者(所属機関)
  • 範 江林(国立大学法人山梨大学大学院医学工学総合研究部分子病理学)
  • 北嶋 修司(佐賀大学総合分析実験センター実験動物学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(生物資源・創薬モデル動物研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
9,940,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究計画では、急性冠症候群の発生機序を究明できる疾患モデルウサギを開発し、急性冠症候群誘発ウサギのバイオリソース研究拠点を構築する.平成20年度は3年計画の1年目であり、本研究計画を遂行する基礎を確立するために、1)急性冠症候群誘発実験に使用するWHHLMIウサギの生産体制の確立、2)急性冠症候群誘発実験に適した冠動脈病変が発生する月齢の確認、3)急性冠症候群誘発の条件設定、4)細胞外基質分解酵素(MMP)遺伝子コンストラクトの作成、5)遺伝子組換えWHHLMIウサギヘテロ接合体の開発を実施する。
研究方法
1) WHHLMIウサギ(ホモ接合体)同士を自然交配した。2) WHHLMIウサギの冠動脈病変について、病理組織学的および免疫組織学的染色を実施した。3)血管作動物質、アンギオテンシン、カテコラミン、ドブタミンなどをWHHLMIウサギに投与し、心電図及び血圧をモニターした。4)スカベンジャー受容体のプロモーター配列を含むプラスミドにMMP-1 およびMMP-9の遺伝子コンストラクトを組み込んだ。5) 神戸大学から供給されたWHHLMIウサギから精子を採取し、開発済みのMMP-12遺伝子組換え日本白色種ウサギに人工授精した。
結果と考察
1) WHHLMIウサギを152匹生産した。生産体制が確立したことによって平成21年度以降のWHHLMIウサギ研究使用体制を整備できた。2) 冠動脈病変の解析では、10月齢から不安定冠動脈病変が認められ、加齢とともに細胞成分が減少した。その結果、急性冠症候群の誘発には10月齢前後のWHHLMIウサギが適していると考えられた。3) アンギオテンシン、カテコラミン、ドブタミンの投与によってWHHLMIウサギで心筋虚血を示唆する心電図変化が観察された。平成21年度以降さらに誘発条件を検討する。4) MMP-1とMMP-9の遺伝子コンストラクトを作成した。平成21年度以降、これらの遺伝子コンストラクトを用いてMMP-1あるいはMMP-9遺伝子組換えWHHLMIウサギを開発する。5) 神戸大学から供給されたWHHLMIウサギを用いてMMP-12遺伝子組換えWHHLMIウサギヘテロ接合体を開発した。平成21年度以降にMMP-12遺伝子組換えWHHLMIウサギを開発する基礎を確立できた。
結論
急性冠症候群誘発モデルを開発するための基礎を確立できた。平成21年度以降の研究で急性冠症候群誘発モデルを確立する。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2010-04-16
更新日
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