生物資源研究事業の企画及び生物資源の所在情報等に関するデータベースの構築に関する研究

文献情報

文献番号
200811014A
報告書区分
総括
研究課題名
生物資源研究事業の企画及び生物資源の所在情報等に関するデータベースの構築に関する研究
課題番号
H19-生物資源・指定-003
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
水澤 博(独立行政法人医薬基盤研究所 生物資源研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 増井 徹(独立行政法人医薬基盤研究所 生物資源研究部)
  • 岡村 智教(国立循環器病センター 循環器病予防検診部)
  • 加藤 規弘(国立国際医療センター 遺伝子診断治療開発研究部)
  • 後藤 雄一(国立精神神経センター 神経研究所)
  • 山崎 由紀子(国立遺伝学研究所 生物遺伝資源情報総合センター)
  • 児玉 幸夫(国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター)
  • 松田 潤一郎(独立行政法人医薬基盤研究所 生物資源研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(生物資源・創薬モデル動物研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
22,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
人間の病気を研究するための生物資源は、人体に由来する試料、医療情報、疫学情報などと実験動物の2つに分けられ、これら2つの領域は、ともに人の疾患の研究にとって重要である。本研究はそれらの生物資源の所在情報データベースを構築することにより共同利用を促進し、もって医学研究の発展を図る。この際に、ヒト生物資源においては倫理問題が、実験動物においては権利問題が重要となる。そこで、本研究では生物資源の円滑な利用の促進を目的とし、当該事業における運営方針や各種課題についても検討・整備を行う。
研究方法
人体に由来する生物資源、実験動物に関わる生物資源、およびデータベースの作成について以下のように研究活動を行った。1.生物資源研究事業の採択課題の成果や国立高度医療センター、国立病院、試験研究機関、大学等が保有する生物資源を継続的に供給できる体制等に関しての運用方針の検討。2.当該生物資源の所在情報をデータベース化。本年度は実験動物についてアンケート調査を行うと同時に、それぞれの情報提供者に対応した情報提供の体制をWeb上で確立。3.生物資源の利用枠組みに関する倫理的課題と権利問題の検討。
結果と考察
1.生物資源情報を効率的にデータベース化して研究者に提供するために、Web上でデータベース入力を個人の情報領域に限って可能とするシステムを作成した。2.実験動物に関する所在情報を収集し、公開用情報を約400件集めた。3.実験動物についてリサーチツール特許侵害の問題について検討した結果、大学等における特許技術使用に関しては、原理的に問題があるが、実際にはほとんど問題が発生していないことが明らかとなった。4.「米国国立がん研究所ヒト生物資源保管施設のための実務要領」を翻訳し、生物資源の流通と利用が欧米諸国においては国家政策として行われていることを明らかにした。
結論
2つの新たな動きが出てきた。一つは平成22年度独立行政法人化を目指している国立高度医療センターが保有する生物資源の共有プラットフォームとして本研究事業を利用しようとする動きが出てきたこと。もう一つは、難治性疾患克服研究事業として、集中収集型バイオバンクの構想が育ちつつあることである。これらの事業で、本研究の研究成果を生かすことができると考えている。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-