血管病モデルマウスと血管新生可視化マウスの資源化

文献情報

文献番号
200811004A
報告書区分
総括
研究課題名
血管病モデルマウスと血管新生可視化マウスの資源化
課題番号
H19-生物資源・一般-004
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
望月 直樹(国立循環器病センター研究所 循環器形態部)
研究分担者(所属機関)
  • 松田潤一郎(独立行政法人医薬基盤研究所)
  • 宮田 敏行(国立循環器病センター研究所 病因部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(生物資源・創薬モデル動物研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
7,306,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
国民病といっても過言ではない動脈硬化症、糖尿病、虚血性心疾患の臓器障害は、血管の生理的機能の破綻と考えられる。したがって、これらの血管病ともいえる状態の血管障害病態モデルを動物で作製し、新規薬剤の個体での薬効評価系として資することを目的とする。
研究方法
①血管病モデルマウスとしての老化促進の有無を血管内皮細胞特異的FoxO1発現マウスで検討した。
②チロシンキナーゼEphA4受容体の下流でRhoファミリー分子を活性化するEphexin ファミリーのノックアウトマウスを作製してEphと血圧の関係を調べた。
③Adamts13ノックアウトマウスによるAdamts13の個体での機能解明のためにAdamts13を129系でノックアウトした。またC末端欠損マウスも129系で統一した。
④平板型フローチャンバーを用いた血小板血栓形成能、コラーゲン-エピネフリン静注による血小板数減少モデル、塩化鉄による微小血管傷害モデルにより血清形成能を検討した。
結果と考察
①昨年度の研究でCre+, FoxO1-3A+ のマウスがメンデルの法則に従い生まれることを報告したが本年さらにこのマウスを数ヶ月間飼育して血管の組織学的検討、寿命を調べたが野生型となんら生存でも変化を生じなかった。
②Ephexin1, Ephexin5の単独欠損マウスでは血圧に異常を示さなかったが、ダブルKOマウスでは、野生型に比較して有意な血圧低下が観察できた。
③ノックアウトマウスでは、細動脈のずり速度に相当する1000 s-1にて測定したin vitro血小板血栓形成能が亢進していた。C末端欠損マウスでも血栓形成の促進が塩化鉄血栓モデルで証明した。
④モデルマウスを基盤研に登録して、さらに米国へ提供する円滑なシステムを構築できた。
国立循環器病センター研究所から血管病モデル動物等の収集と品質管理を含む資源化を行い、国内外に分譲することが出来た。
結論
国立循環器病センター研究所より血栓性血小板減少性紫斑病のモデルマウスをはじめ、数撞の血管病モデルマウスを寄託した。寄託したマウスも米国へ譲渡され使用された実績からもバンク機能が順調に機能していることを示した。

公開日・更新日

公開日
2009-04-10
更新日
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