文献情報
文献番号
200809007A
報告書区分
総括
研究課題名
精神・神経疾患関連バイオマーカー探索による創薬基盤研究
課題番号
H20-バイオ・一般-010
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
後藤 雄一(国立精神・神経センター神経研究所疾病研究第二部)
研究分担者(所属機関)
- 高坂 新一(国立精神・神経センター神経研究所所長)
- 功刀 浩(国立精神・神経センター神経研究所疾病研究第三部)
- 山村 隆(国立精神・神経センター神経研究所疾病研究第六部)
- 和田 圭司(国立精神・神経センター神経研究所疾病研究第四部)
- 有馬 邦正(国立精神・神経センター病院第一病棟部)
- 村田 美穂(国立精神・神経センター病院第二病棟部)
- 沼知 陽太郎(国立精神・神経センター病院臨床検査部)
- 中川 栄二(国立精神・神経センター病院小児神経科)
- 金子 勲(大正製薬)
- 小紫 俊(大正製薬)
- 茶木 茂之(大正製薬)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(創薬バイオマーカー探索研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
精神・神経疾患はその病因、病態の複雑さのために治療薬開発が最も遅れている分野である。平成15年度-平成19年度に行った精神・神経疾患プロテオーム研究において、血液を用いた解析に比べ、髄液を用いた解析では数多くの神経特異的たんぱく質の同定が可能で、中枢神経の状態を直接的に反映していることが実証された。その手法を最大限活用し、各種の精神・神経疾患患者から採取した髄液のプロテオーム解析を用いて疾患特異的に変動するたんぱく質を見いだし、診断、病勢、薬効を判定する際に有効なバイオマーカーを同定し、さらにはそのたんぱく質及び関連するたんぱく質の機能解析を行うことで創薬に結びつけることが本研究の目的である。
研究方法
国立精神・神経センター病院の精神・神経疾患患者を対象に、髄液等の患者試料と情報の収集を行い、当センターにおいてcICAT法による解析、医薬基盤研究所迂路テオームリサーチセンターにおいて、その他のプロテオーム解析を行う。
結果と考察
1. 倫理申請と髄液等の患者試料と情報の収集
本研究は、患者の試料と情報を用いる研究であり、臨床研究に関する倫理指針のガイドラインに準拠した研究計画として、施設の倫理委員会から承認を得た。インフォームド・コンセントに関する手続きに専任の補助者を配置するなど、研究支援体制の準備を行った。
2.プロテオーム解析
創薬基盤推進研究の基盤技術共同研究班で検討されたcICAT法による微量たんぱく測定系を、医薬基盤研究所プロテオームリサーチセンター(PRC)から当センターへ移すために、一部の測定機器、サーバー等の移動を行った。測定系を稼働させるのは、平成21年度初めの見込みである。またプロテオーム解析とは異なるウェスタンブロットによる髄液蛋白質の解析系を検討した。通常の髄液濃度ではたんぱくの検出ができなかったが、20倍に濃縮した検体では検出できた。また一部の蛋白質については、高感度サンドウィッチELISA法の系を開発し、目的たんぱく質を検出することに成功し、さらにその活性化状態を評価できる方法も開発した。
本研究は、患者の試料と情報を用いる研究であり、臨床研究に関する倫理指針のガイドラインに準拠した研究計画として、施設の倫理委員会から承認を得た。インフォームド・コンセントに関する手続きに専任の補助者を配置するなど、研究支援体制の準備を行った。
2.プロテオーム解析
創薬基盤推進研究の基盤技術共同研究班で検討されたcICAT法による微量たんぱく測定系を、医薬基盤研究所プロテオームリサーチセンター(PRC)から当センターへ移すために、一部の測定機器、サーバー等の移動を行った。測定系を稼働させるのは、平成21年度初めの見込みである。またプロテオーム解析とは異なるウェスタンブロットによる髄液蛋白質の解析系を検討した。通常の髄液濃度ではたんぱくの検出ができなかったが、20倍に濃縮した検体では検出できた。また一部の蛋白質については、高感度サンドウィッチELISA法の系を開発し、目的たんぱく質を検出することに成功し、さらにその活性化状態を評価できる方法も開発した。
結論
プロテオーム解析から精神・神経疾患のバイオマーカーを探索する研究体制を構築した。倫理審査の承認をうけ、平成21年度からの具体的な試料採取、プロテオーム測定系の活用が可能になった。
公開日・更新日
公開日
2011-05-30
更新日
-