美容医療における合併症実態調査と診療指針の作成及び医療安全の確保に向けたシステム構築への課題探索

文献情報

文献番号
202022050A
報告書区分
総括
研究課題名
美容医療における合併症実態調査と診療指針の作成及び医療安全の確保に向けたシステム構築への課題探索
課題番号
20IA1011
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
大慈弥 裕之(福岡大学医学部形成外科)
研究分担者(所属機関)
  • 山田 秀和(近畿大学奈良病院 皮膚科)
  • 橋本 一郎(徳島大学 医学部形成外科)
  • 吉村 浩太郎(自治医科大学 形成外科)
  • 田中 純子(広島大学 大学院医系科学研究科 疫学・疾病制御学)
  • 秋田 定伯(福岡大学 医学部 )
  • 石河 晃(東邦大学 医学部皮膚科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
5,171,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究事業においては、1)美容医療合併症の実態把握のための前向き調査、2)重大合併症回避のための診療指針の拡充及び指針活用状況の調査、3)医療機関や調査協力団体に対する質問紙調査やインタビュー等により、あるべき医療安全の確保に向けたシステムの整理、及び4)研究終了後も継続的に合併症の実態を把握し、再発防止策を検討するシステム構築の課題整理、を目的とする。本研究事業は、日本美容外科学会(JSAPS)、日本美容皮膚科学会(JSAD)、日本美容外科学会(JSAS)、日本形成外科学会(JSPRS)、日本皮膚科学会(JDA)の承認と協力の下に行うものである。
研究方法
1) 美容医療合併症実態調査
わが国における美容医療有害事象の実態調査をおこなう。調査対象は、協力学会であるJSAPS, JSAD, JSAS, JSPRS, JSD会員の所属施設(約3,300施設)とする。各施設で1年間に診療した重度合併症と後遺症の種類と数をアンケート調査する。原因と考えられる医療行為の内容(施術、手技、材料、機器、麻酔など)についても調査する。調査は前向き調査とする。
2) 診療指針作成
今回作成する診療指針を決定するため、先ず美容医療施設で使用されている診療指針の活用状況を、医療機関への質問紙調査や専門家へのインタビュー等を用いて明らかにする。その結果、必要度の高い診療指針が作成されていない場合は作成し、周知する。各学会から推薦された研究協力者からなるガイドライン委員会を組成し、緊急性と重要性の高い項目を決定して、診療指針を作成する。

3) 医療安全の確保に向けたシステム構築への課題探索
医療安全の確保に向けたシステム構築への課題を探索する。医療機関や調査協力団体に対する質問紙調査やインタビュー等により、現在使用している合併症等報告システムの有無及び問題点の確認、また、あるべき、医療安全の確保に向けたシステムを整理する。
結果と考察
1)美容医療有害事象実態調査
令和2年11月に研究者所属施設での倫理委員会承認を得て、登録のための有害事象調査システムを開発した。12月末には郵送および電子メールにより全国3,300の医療施設に依頼した。令和3年1月1日から、新規開発した有害事象調査システムを用いた登録が始まった。
2)美容医療診療指針
令和元年度厚生労働科学特別研究事業「美容医療診療指針」は、今年11月中旬にJSAPS機関誌である日本美容外科学会会報42巻に特別号として掲載された。同時に、関連5学会のホームページにも開示された。診療指針に関する項目及CQの追加について、共同研究者と研究協力者間で協議した。本年度は60数名からなる研究者が一堂に会して班会議を開催することはできなかった。代わりに、オンライン会議や電話、メール等を介して意見集約した。その結果、令和2年度診療指針では8項目を候補が検討対象となった。
3)医療安全の確保に向けたシステム構築への課題探索
現行の美容外科合併症患者に対する治療制度の課題について、JSPRSから問題提議があり、JSAPSも含めて議論した。JSPRSとJSAPSの代表者が担当行政と協議をおこなった。美容医療患者に対する意見収集について、実績のある公益社団法人日本美容医療会及びJSAPSと協議した。
結論
関連学会が連携し、行政とも協働して合併症実態調査と診療指針作成事業を継続することが、わが国の美容医療を健全な方向に導くために重要と考える。

公開日・更新日

公開日
2021-10-29
更新日
2021-12-27

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2021-10-29
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202022050Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
6,721,000円
(2)補助金確定額
5,583,833円
差引額 [(1)-(2)]
1,137,167円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 875,897円
人件費・謝金 1,258,180円
旅費 522,190円
その他 1,639,989円
間接経費 1,550,000円
合計 5,846,256円

備考

備考
令和3年度への繰越申請を行った。

公開日・更新日

公開日
2021-10-29
更新日
-