歯科口腔保健の推進のための歯科疾患の実態把握に資する調査項目及び実施体制等についての研究

文献情報

文献番号
202022041A
報告書区分
総括
研究課題名
歯科口腔保健の推進のための歯科疾患の実態把握に資する調査項目及び実施体制等についての研究
課題番号
20IA2006
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
三浦 宏子(北海道医療大学 歯学部)
研究分担者(所属機関)
  • 福田 英輝(国立保健医療科学院)
  • 斎藤 隆史(北海道医療大学 歯学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
2,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
5年ごとに実施される歯科疾患実態調査は、わが国の歯科口腔保健動向を把握するための基盤的な統計資料である。本研究では、令和3年度の歯科疾患実態調査をより効率的・効果的に行うために、これまでの調査項目と実施体制に関する分析を行い、今後の歯科疾患実態調査の改善策を検討した。
研究方法
本研究は「歯科疾患実態調査の調査項目に関する分析」と「実施・運営体制の拡充のための課題抽出」の2パートから構成される。調査項目の検証では「調査票における歯科保健アンケート項目の妥当性の検証」と「高齢者の歯科保健課題としての根面う蝕の評価方法の検討」に関して、主として2次提供を受けた歯科疾患実態調査データや系統的レビ ューによって分析した。「実施・運営体制に関する課題抽出」では、平成28年調査時の診査手順を用いて、「口腔診査時の所要時間に関するシミュレーション分析」を行うとともに、過去の厚労科研調査で得られた平成28年調査の実施自治体担当者からの管理・運営に関する自由回答テキスト文を用いた「テキストマイニング分析による歯科疾患実態調査の運営上の課題抽出」を行った。
結果と考察
平成28年歯科疾患実態調査の調査票回答を分析したところ、アンケート項目のひとつである「歯や口のなかで気になること」は口腔内診査結果を反映していたが、一部の項目では選択肢の階層化がなされておらず、改善が必要であった。問診項目についてもフッ化物応用に関する年齢制限など修正すべきと判断された。また、過去3回分の調査での都道府県単位の協力率において地域格差が顕在化していた。加えて、調査票だけでなく、「被調査者名簿」においても地区番号等の記載項目の修正が必要であった。高齢者の根面う蝕に関する系統的レビューの結果、高齢者の多くは根面う蝕を有する可能性が高く、根面う蝕は30歳以上で顕在化することが確認された。口腔診査時の所要時間シミュレーション分析の結果、「歯の状況」診査の所要時間が最も多く、全体の約3割を占めていたが、高齢者模型では「補綴物の状況」の割合も高く、約1/5~1/4程度であった。また、「歯列・咬合の状態」の診査時間も約2割弱であった。このシミュレーション結果を二次利用し、う蝕と歯周ポケット診査の過誤に関する分析を行ったところ、過誤を起こしやすい部位や診査時の環境面での課題も明らかになった。テキストマイニング分析の結果、書式面の整合性を含め、国民健康・栄養調査との連携について未だ課題を抱える傾向が示された。また、調査における自治体の負担感も抽出された。
結論
平成28年歯科疾患実態調査データの諸分析による諸分析の結果、令和3年歯科疾患実態調査の調査票(アンケート項目・問診項目・口腔内診査)への改善に向けたエビデンスに基づく具体的な課題を抽出できた。また、管理運営上においても国民健康・栄養調査との一体的実施をさらに推進するために、書式面での平仄の一致等を図る必要性が示唆された。さらに、高齢者の増加に伴い、根面う蝕の有病状況の可視化に向けた対応が強く求められた。

公開日・更新日

公開日
2021-10-28
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2021-10-28
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202022041C

収支報告書

文献番号
202022041Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
2,000,000円
(2)補助金確定額
2,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,275,688円
人件費・謝金 411,201円
旅費 209,556円
その他 103,599円
間接経費 0円
合計 2,000,044円

備考

備考
自己資金44円

公開日・更新日

公開日
2021-12-03
更新日
-