地域医療構想を踏まえた在宅医療の充実についての政策研究

文献情報

文献番号
202022036A
報告書区分
総括
研究課題名
地域医療構想を踏まえた在宅医療の充実についての政策研究
課題番号
20IA1004
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
松田 晋哉(産業医科大学 医学部・公衆衛生学)
研究分担者(所属機関)
  • 村松 圭司(産業医科大学 医学部 公衆衛生学)
  • 劉 寧(リュウ ネイ)(産業医科大学 医学部)
  • 藤本 賢治(産業医科大学産業保健データサイエンスセンター)
  • 野元 由美(米田 由美)(学校法人産業医科大学 産業保健学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
6,924,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
研究では国内の自治体の協力を得て収集した医療(国保・後期)・介護レセプト及び認定調査データを個人単位で連結したデータベースを用いて在宅医療の継続と質の向上に資する指標群を作成することを目的とする。
研究方法
分析に用いた資料は東日本の一自治体における2014年度~2020年度の医科及び介護レセプトデータである。当教室で作成した匿名化プログラムを用いて、レセプトの個人情報を自治体側で匿名化したデータを用いた(ハッシュ処理した後、固有のIDを割り付けるという2段階の匿名化を行った)。このデータベースを用いて、医療及び介護レセプト連結データを用いた在宅医療の現状に関する時期列の記述的分析と医療療養病床への入院、介護療養病床、特別養護老人ホームへの入所に関連する要因の分析を行った。
結果と考察
男女計全年齢についてみると、74か月後の在宅医療継続率は17.7%、累積死亡率は65.1%であった。毎月5%~8%の対象者が一般病床に入院し、療養病床への入院も観察当初の0.2%から徐々に上昇し、最終的には2%台後半となっていた。次に、長期療養施設への入院・入所に関しては、女性であること(HR=0.747;以下同じ)、訪問看護レベルが高いこと(0.850)、歯科受診レベルが高いこと(0.895)は有意に当該施設への入所確率を低くしていた。他方、年齢が高いこと(1.026)、要介護度が高いこと(1.303)、貧血あり(1.153)、悪性腫瘍あり(1.361)、ショートステイレベルが高いこと(1.232)、一般病棟レベルが高いこと(2.149)、肺炎レベルが高いこと(1.523)は有意に当該施設への入所確率を高めていた。
以上の分析結果より、質の高い在宅療養を継続するためには、肺炎予防や貧血(栄養)の改善、がんの緩和ケアなどを在宅で適切に行える体制づくりが不可欠であること、そしてそのための具体的サービスとして訪問看護、歯科診療が重要であることが示唆された。以上の結果を踏まえ、こうした病態の有病率やサービス提供状況を、在宅ケア推進のための指標として設定することの可能性が考えられた。
結論
質の高い在宅療養を継続するためには、肺炎予防や貧血(栄養)の改善、がんの緩和ケアなどを在宅で適切に行える体制づくりが不可欠であること、そしてそのための具体的サービスとして訪問看護、歯科診療が重要であることが示唆された。以上の結果を踏まえると、こうした病態の有病率やサービス提供状況を、在宅ケア推進のための指標として設定することの可能性が考えられる。

公開日・更新日

公開日
2023-06-05
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2023-06-24
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202022036Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
9,000,000円
(2)補助金確定額
8,985,000円
差引額 [(1)-(2)]
15,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,678,795円
人件費・謝金 0円
旅費 0円
その他 5,230,720円
間接経費 2,076,000円
合計 8,985,515円

備考

備考
千円未満切り捨て

公開日・更新日

公開日
2021-12-20
更新日
-