産科医師確保計画を踏まえた産科医療の確保についての政策研究

文献情報

文献番号
202022032A
報告書区分
総括
研究課題名
産科医師確保計画を踏まえた産科医療の確保についての政策研究
課題番号
20IA1002
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
村松 圭司(伊藤 圭司)(産業医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 木村 正(国立大学法人大阪大学 大学院医学系研究科)
  • 海野 信也(北里大学 医学部産婦人科学)
  • 光田 信明(地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪母子医療センター)
  • 康永 秀生(東京大学 大学院医学系研究科公共健康医学専攻臨床疫学・経済学)
  • 松田 晋哉(産業医科大学 医学部・公衆衛生学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
6,924,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医師不足等に対応した地域における周産期医療の確保については、産科医師の絶対数の減少や偏在といった既知のものに加え、医師の働き方改革への対応等の課題が指摘されている。医療提供側は以前より集約化による勤務条件の緩和を目指しているが、その成果は限定的であるとされている。都道府県は平成30年の医療法改正によって2019年度末までに「産科医師確保計画」を策定することとなっている。この計画の策定にあたっては、厚生労働省が「産科医師偏在指標」を公開しているが、その他の地域における産科医療に関する定量的な指標は明らかとなっておらず、公的統計や既存の大規模データベース(以下、DB等)の活用による研究も少ない。また、現在は医療機関や人員の配置といったハード面に議論が集中しているが、地域住民への更なる普及啓発や地域のニーズ把握といったソフト面からの解決についても検討する必要がある。そこで、本研究では医療提供者と住民の双方に対する全国的な実態調査や既存のデータベースの分析を行い、産科医師確保計画の実効性を高めるため、地域の実情に応じた具体的な取組方法を提言するための知見を得ることを目的とする。
研究方法
DPCデータの活用については、医療機関へ個別にDPCデータの提供に同意を得ることとした。産科医師及び妊産婦を対象としたインタビュー調査については、産科医師及び妊婦に対しオンラインでのインタビュー調査を計画した。産科医師インタビューでは、医療安全の視点、医師自身の体力や生活の質の視点、キャリアの視点について聴取することとした。妊婦インタビューでは、医療の質、アクセシビリティ、コストの点について聴取することとした。公的統計の活用については、医師・歯科医師・薬剤師統計の医師届出票のデータ提供を申請することとした。
結果と考察
DPCデータの活用については、1,691医療機関からDPCデータの提供に同意が得られた。2018年4月1日以降に入院し2020年3月31日までに退院した入院エピソードのうち分娩があったのは約31万件であった。分娩を1件以上取り扱っていたのは599医療機関であった。そのうち、総合周産期特定集中治療室管理料(母体・胎児)を算定していたのは103医療機関であった。産科医師及び妊産婦を対象としたインタビュー調査については、産科医師4名及び妊婦4名に対しインタビュー調査を実施した。産科医師インタビューでは、医療安全の視点及び医師自身の体力や生活の質の視点から、集約化によるメリットがあるとの意見が聴取された。妊婦インタビューでは、医療の質が最も重視され、次に重視されているのはアクセシビリティであった。公的統計の活用については、医師・歯科医師・薬剤師統計の医師届出票327,210件のデータ提供を受けた。医療機関従事者であり、休業を取得していないと回答した者の中で、分娩取扱ありと回答したのは11,294件であった。
結論
DPCデータの活用については、提供を受けたDPCデータを医療の質及び医療政策の観点から分析を行っていくこととした。その際、産科医師の研究協力を幅広に募ることとした。インタビュー調査については、得られた知見をもとに次年度以降大規模アンケート調査を実施することとした。公的統計の活用については、提供を受けた医師届出票を用いた産科医師偏在指標の精緻化手法の案を検討することとした。

公開日・更新日

公開日
2023-06-21
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2023-06-21
更新日
2023-11-15

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202022032Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
9,000,000円
(2)補助金確定額
8,657,000円
差引額 [(1)-(2)]
343,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 968,357円
人件費・謝金 60,203円
旅費 0円
その他 5,552,800円
間接経費 2,076,000円
合計 8,657,360円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2021-12-22
更新日
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