医療データベースを活用した診療ガイドラインの推奨度決定手法に関する研究

文献情報

文献番号
202022029A
報告書区分
総括
研究課題名
医療データベースを活用した診療ガイドラインの推奨度決定手法に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
19IA2024
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
吉田 雅博(国際医療福祉大学 医学部 消化器外科学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 今中 雄一(京都大学 医学研究科)
  • 嶋田 元(聖路加国際病院 ヘルニアセンター)
  • 畠山 洋輔(東邦大学 医学部社会医学講座)
  • 三浦 文彦(帝京大学 医学部)
  • 藤永 潤(公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院 救命救急センター 集中治療科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
4,185,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
現在本邦においてはレセプト、DPC、National clinical database(NCD)をはじめとする症例レジストリー等のデータベースが多くの分野で発展し、介入の有効性を観察研究(コホート研究)で示そうとする臨床研究論文が増加している。しかし、この観察研究で得られる成果をガイドラインへ導入する手法はいまだ明確では無く、共通の手法とするための研究が必要である。本研究では、各種医療データベースから得られる、大規模な臨床データを診療ガイドラインの推奨作成のエビデンスとしての抽出方法、利用方法を明確化することを目的とする。
研究方法
<2019年度> 1)医療データを診療ガイドラインのエビデンスとして抽出・採用する方法、2)ガイドライン推奨を決定する方法について、方法と注意点、エビデンスとしての位置付け、具体例の抽出、さらに課題・限界を明らかにした。
<2020年度> 1)各データベースをエビデンスとして利用した推奨診療作成の方法論まとめ、2)作成した推奨を臨床活用する場合の方法論と注意点、具体例の提案、課題・限界を明らかにした。
<2021年度> 1)研究開始時からCOVID-19の世界的流行の影響で、国際会議、国内会議での報告と意見交換、情報収集が不十分であり、1年延長を行った。2)医療データベースを活用して作成された推奨を用いる時の方法と評価法についても研究した。3)公開報告会を行い、広く意見を収集した。
<具体的な研究方法、検討内容>
1)医療データベースから得られる大規模な臨床データをエビデンスとして利用する方法
(1)電子カルテからの情報を利用する場合(聖路加国際大学情報システムセンター 嶋田)
(2)DPC・レセプト等を利用する場合(京都大学医療経済学 今中、佐々木)
(3)NCD等を利用する場合(帝京大学外科学 三浦)
2)診療ガイドライン作成方法論からみた検討:文献レビューも含めて(東邦大学社会医学 畠山)
3)各種医療データベースの比較解析する(岡山大学疫学・衛生学 藤永)
4)各医療データベース情報を統括する。その結果を基に、医療データベース利用法(提案)をまとめる(国際医療福祉大学 吉田)
結果と考察
データベース研究からエビデンスを創出・評価して活用する際の注意点、方法と評価法については、(1)電子カルテに実装された 臨床決断支援システムの有効性が示された。さらにその通知率、実行率、中止率、中止理由 のデータは、診療ガイドラインの推奨行為の実行可能性や実施状況を知ることにより、診療 ガイドラインの推奨作成・改定サイクルに利用される情報となることが示唆された。
(2)DPC・レセプト等を利用する場合は、医療管理データの「質」を意識し、研究、評価などに活用する際は、判断のためのガイドライン等を参考にする。データベース研究を実施したり批判的に評価するには、データ管理や情報学関連の知識・経験も必要になる。データサイエンスは年々複雑化しており、実践的に活用するためには病院では診療情報管理士、教育機関では医療・疫学・生物統計・情報工学系の専門家等と連携できる体制が望ましい。
(3)診療ガイドラインについて、NCDと臓器癌登録データを用いた研究論文の引用状況と推奨文のエビデンスレベルと推奨度について調査から、改訂版ガイドラインでも、多くの更なる新規引用が行われていた。ガイドラインの課題を解決するような研究、ガイドラインの影響を検証する研究も開始されていた。(4)作成方法論からの検討では、ビッグデータから得られたエビデンスを評価する際には、既存のバイアスリスク評価ツールを用いた評価に加えて、データベースの特性を考慮し、情報の収集可能性や妥当性・完全性といった観点で評価を行うことが必要であると考えられた。(5)日本における行政データベースを用いた各研究における種類、デザイン、研究領域を評価し、それを用いた研究の種類に対する使用データベースの適合性を検討すると、実施された研究の種類やデザインはデータベースごとに異なり,使用するデータベースの特徴に影響されることがわかった。今後,様々なRWDデータベースを統合し,網羅性を高めることが必要である。
結論
各医療データベースの長所、短所を理解したうえで、大規模な臨床データを利用することはガイドライン作成に有効である。

公開日・更新日

公開日
2025-05-30
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2025-05-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202022029B
報告書区分
総合
研究課題名
医療データベースを活用した診療ガイドラインの推奨度決定手法に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
19IA2024
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
吉田 雅博(国際医療福祉大学 医学部 消化器外科学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 今中 雄一(京都大学 医学研究科)
  • 嶋田 元(聖路加国際病院 ヘルニアセンター)
  • 畠山 洋輔(東邦大学 医学部社会医学講座)
  • 三浦 文彦(帝京大学 医学部)
  • 藤永 潤(公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院 救命救急センター 集中治療科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
現在本邦においてはレセプト、DPC、National clinical database(NCD)をはじめとする症例レジストリー等のデータベースが多くの分野で発展し、介入の有効性を観察研究(コホート研究)で示そうとする臨床研究論文が増加している。しかし、この観察研究で得られる成果をガイドラインへ導入する手法はいまだ明確では無く、共通の手法とするための研究が必要である。本研究では、各種医療データベースから得られる、大規模な臨床データを診療ガイドラインの推奨作成のエビデンスとしての抽出方法、利用方法を明確化することを目的とする。
研究方法
<2019年度> 
1)医療データを診療ガイドラインのエビデンスとして抽出・採用する方法、2)ガイドライン推奨を決定する方法について、方法と注意点、エビデンスとしての位置付け、具体例の抽出、さらに課題・限界を明らかにした。
<2020年度> 
1)各データベースをエビデンスとして利用した推奨診療作成の方法論まとめ、2)作成した推奨を臨床活用する場合の方法論と注意点、具体例の提案、課題・限界を明らかにした。
<2021年度> 
1)研究開始時からCOVID-19の世界的流行の影響で、国際会議、国内会議での報告と意見交換、情報収集が不十分であり、1年延長を行った。2)医療データベースを活用して作成された推奨を用いる時の方法と評価法についても研究した。3)公開報告会を行い、広く意見を収集した。
<具体的な研究方法、検討内容>
1)医療データベースから得られる大規模な臨床データをエビデンスとして利用する方法
(1)電子カルテからの情報を利用する場合(聖路加国際大学情報システムセンター 嶋田)
(2)DPC・レセプト等を利用する場合(京都大学医療経済学 今中、佐々木)
(3)NCD等を利用する場合(帝京大学外科学 三浦)
2)診療ガイドライン作成方法論からみた検討:文献レビューも含めて(東邦大学社会医学 畠山)
3)各種医療データベースの比較解析する(岡山大学疫学・衛生学 藤永)
4)各医療データベース情報を統括する。その結果を基に、医療データベース利用法(提案)をまとめる(国際医療福祉大学 吉田)
結果と考察
世界的なテーマとして、Real World Data、Real World Evidence、Big Dataに関する研究発表が増加している。調査により、「Big Data」は、2019年から医学論文データベースであるPubMedの検索用語(MeSH term)として登録され、「人間や人間以外の実態の様々な側面に関連したパターン、傾向、関連性を明らかにするために、迅速かつしばしば複雑なコンピューターによる分析を必要とする用な非常に大量のデータ」と定義された。
研究班会議は、令和元年8月20日と、12月7日、令和2年7月5日と、9月23日、12月2日、令和3年8月28日、12月21日に開催した。令和4年3月24日に、臨床系専門学会にて公開報告会(第58回日本腹部救急医学会総会特別企画:東京)を行った。
日本において、すでにDPCデータや、NCDデータを用いた診療ガイドライン作成事例は少なくないことが明らかになり、NCDや臓器癌登録データを用いた臨床研究論文をエビデンスとして引用する方法が有効であると考えられた。約20種に及ぶ医療データベースには、長所短所があり、National Clinical Database(NCD)は、悉皆性と早期成績の解析に優れ、癌登録は長期予後と詳細項目の分析、厚労省NDBなどの保険者ベースでは、記述研究に有効な情報を提供しうるものと考えられた。
国内会議には可能な限り参加して情報収集した。残念ながら、研究期間中に海外の学会へ参加して、現地での情報収取・意見交換は令和元年のみであったが、国際会議にwebで参加できる範囲で、情報収集した。
結論
各医療データベースの長所、短所を理解したうえで、大規模な臨床データを利用することは、ガイドラインの推奨作成に有効である。

公開日・更新日

公開日
2025-05-30
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2025-05-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202022029C

収支報告書

文献番号
202022029Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
5,400,000円
(2)補助金確定額
5,400,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,360,996円
人件費・謝金 1,733,900円
旅費 202,860円
その他 989,298円
間接経費 1,215,000円
合計 5,502,054円

備考

備考
自己資金102,054円

公開日・更新日

公開日
2023-06-09
更新日
-