文献情報
文献番号
202022027A
報告書区分
総括
研究課題名
診療ガイドラインへの「Choosing Wisely」の導入に向けた研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
19IA2022
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
北澤 京子(京都薬科大学 薬学部)
研究分担者(所属機関)
- 徳田 安春(国立大学法人筑波大学 大学院人間総合科学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
4,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は、診療ガイドラインを通して、日本の診療現場にCWを普及と実装(Dissemination and Implementation)することにより、医療者と患者の対話を通じて共有意思決定(shared decision making)を促進し、医療の質を高めることである。
研究方法
米国はじめ各国におけるChoosing Wiselyに関する先行研究および海外のChoosing Wisely関係者との連携を深めつつ、日本で慣習的に行われているものの根拠に乏しく「賢明に選択」すべき医療行為に関する調査研究を行う。さらに、Choosing Wiselyを普及および実装するにあたって必要な環境や医療者・患者間のコミュニケーションのあり方について検討する。
結果と考察
医療資源の過剰使用が世界的な課題としてクローズアップされる中、2012年に米国で発足したChoosing Wiselyはすぐに各国に普及し、2014年には12カ国の代表が集う国際ネットワークが誕生した。現在までに20カ国を超える国々でChoosing Wisely推進のための組織ができている。日本でも2021年3月時点で、総合診療指導医コンソーシアムなど4団体がChoosing Wiselyの「Top Five List」を公表しており、院内の医療の質改善活動の一環としてChoosing Wiselyを取り入れている医療機関も存在する。国の「抗微生物薬適正使用の手引き」や「高齢者の医薬品適正使用の指針」はChoosing Wiselyの考え方を先取りしたものである。学会として「Top Five List」を作成した例はまだなく、今後の積極的な取組が期待される。2020年の新型コロナウイルス感染症の流行に際しては、医療資源の過少使用(検査不足、受診手控え)が課題になった。
結論
Choosing Wiselyの「賢明な選択」とは、医療資源の過剰でも過少でもない“適正”な使用の実現をめざすことである。患者との対話・協働を通じて、患者にとって真に過不足のない適正な医療資源の利用を目指すべきことが確認された。本研究の成果を基に、Choosing Wiselyを普及・実装する具体的な方策について提言をまとめる予定である。
公開日・更新日
公開日
2025-05-30
更新日
-