診療ガイドラインにおける医療経済的評価手法に関する研究

文献情報

文献番号
202022026A
報告書区分
総括
研究課題名
診療ガイドラインにおける医療経済的評価手法に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
19IA2021
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
池田 俊也(国際医療福祉大学 医学部 公衆衛生学)
研究分担者(所属機関)
  • 白岩 健(立命館大学 総合理工学院 生命科学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
4,590,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
経済評価研究の内的妥当性・外的妥当性など分析上の課題を明らかにするために、主要疾患の医療経済評価、財政影響分析を行うための分析モデルを構築し、検討を行った。また、国内外の医療経済評価の研究ガイドラインをレビューと共に意思決定への反映方法について調査することにより、医療経済評価を診療ガイドラインに反映する場合の課題を整理することを目的とした。
研究方法
分析モデルの構築に当たっては、本態性高血圧を対象とした費用効果分析の先行研究をPubMedを用いて検索した。また、国内外の医療経済評価の研究ガイドラインをレビューと共に意思決定への反映方法について調査することにより、医療経済評価を診療ガイドラインに反映する場合の課題を整理した。
結果と考察
モデル分析にあたり、モデルの構造に伴う妥当性(structural validity)についての課題、パラメータ値の設定に際してどの出典を選ぶかによって結果に影響をあたえること、パラメータ値の代表値だけではなく信頼区間が提示されていた場合には、複数のパラメータを同時に動かすなどして結果への影響を確認することが望ましいこと、などが確認された。諸外国のガイドラインでは分析手法や分析期間等については概ね一致していたが、いくつかの重要な相違点も見られた。また、医療経済評価には多くの場合「不確実性」を伴うことが、不確実性の程度を定量評価して意思決定に用いる方法は確立していなかった。
結論
今回の研究で作成した「費用対効果を診療ガイドラインに反映させる際の基準(案)」等を厚生労働省が実施するEBM(根拠に基づく医療)普及推進事業を通じて各学会のガイドライン作成グループに周知することにより、ガイドライン作成支援に関する事業において費用対効果の導入を支援することができる。それにより、我が国における医療の質の向上と医療費適正化に向けた取り組みが一層推進するものと期待される。

公開日・更新日

公開日
2025-05-30
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2025-05-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202022026B
報告書区分
総合
研究課題名
診療ガイドラインにおける医療経済的評価手法に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
19IA2021
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
池田 俊也(国際医療福祉大学 医学部 公衆衛生学)
研究分担者(所属機関)
  • 白岩 健(立命館大学 総合理工学院 生命科学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我が国の診療ガイドラインにおける経済評価の具体的活用に向けた提案を取りまとめることを目的として、諸外国の診療ガイドラインにおける医療経済的評価の活用状況に関する調査、国内の学会での医療経済評価の活用可能性等に関するアンケート、主要疾患の医療経済評価・財政影響分析を行うための分析モデルの構築、国内外の医療経済評価の研究ガイドラインをレビューと共に意思決定への反映方法についての調査等を実施した。
研究方法
我が国で作成された診療ガイドラインについて、作成にかかわった学会・団体等に対してアンケート調査を実施した。また、国内外における本態性高血圧症、糖尿病、喘息の診療ガイドラインを収集・レビューし、費用や医療経済評価に関する記述と、費用に言及した「推奨」等の診療ガイドラインへの反映について確認を行った。本態性高血圧を対象とした費用効果分析の先行研究をもとに、分析モデルの構築を行なった。また、国内外の医療経済評価の研究ガイドラインをレビューと共に意思決定への反映方法について調査することにより、医療経済評価を診療ガイドラインに反映する場合の課題を整理した。
結果と考察
アンケート調査では、「医療財源への影響」や「患者の医療費自己負担」についてガイドライン作成の際にそれぞれ約1/3の回答者が考慮していることが明らかとなった。費用や医療経済評価が診療ガイドラインに反映されていたのは本態性高血圧の診療ガイドライン11件中で3件、糖尿病の診療ガイドラインは16件中8件、喘息の診療ガイドライン6件中で1件であった。モデル分析では、モデルの構造に伴う妥当性についての課題等が確認された。諸外国のガイドラインでは分析手法や分析期間等については概ね一致していたが、いくつかの重要な相違点も見られた。また、医療経済評価には多くの場合「不確実性」を伴うことが、不確実性の程度を定量評価して意思決定に用いる方法は確立していなかった。
結論
今回の研究で作成した「費用対効果を診療ガイドラインに反映させる際の基準(案)」等を厚生労働省が実施するEBM(根拠に基づく医療)普及推進事業を通じて各学会のガイドライン作成グループに周知することにより、ガイドライン作成支援に関する事業において費用対効果の導入を支援することができる。それにより、我が国における医療の質の向上と医療費適正化に向けた取り組みが一層推進するものと期待される。

公開日・更新日

公開日
2025-05-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202022026C

成果

専門的・学術的観点からの成果
我が国の診療ガイドラインにおける経済評価の具体的活用に向けた提案を取りまとめた。
臨床的観点からの成果
なし
ガイドライン等の開発
なし
その他行政的観点からの成果
なし
その他のインパクト
なし

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2023-05-09
更新日
-

収支報告書

文献番号
202022026Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
5,400,000円
(2)補助金確定額
5,400,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,010,623円
人件費・謝金 993,557円
旅費 0円
その他 1,603,452円
間接経費 810,000円
合計 5,417,632円

備考

備考
自己資金 17,632円

公開日・更新日

公開日
2021-12-10
更新日
-