文献情報
文献番号
202021008A
報告書区分
総括
研究課題名
非ウイルス性を含めた肝疾患のトータルケアに資する人材育成等に関する研究
課題番号
20HC2003
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
江口 有一郎(医療法人ロコメディカル ロコメディカル総合研究所)
研究分担者(所属機関)
- 考藤 達哉(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター 肝炎・免疫研究センター)
- 是永 匡紹(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター 肝炎・免疫研究センター 肝炎情報センター)
- 小川 浩司(北海道大学病院 消化器内科)
- 滝川 康裕(岩手医科大学 消化器内科肝臓分野)
- 井上 泰輔(山梨大学医学部付属病院 肝疾患センター)
- 内田 義人(埼玉医科大学 消化器内科・肝臓内科)
- 玄田 拓哉(順天堂大学医学部附属静岡病院 消化器内科)
- 野ツ俣 和夫(福井県済生会病院 内科)
- 飯島 尋子(兵庫医科大学 医学部)
- 日高 勲(山口県済生会山口総合病院 内科)
- 井出 達也(久留米大学医学部内科学講座 消化器内科部門)
- 裴 英洙(ハイ エイシュ)(ハイズ株式会社)
- 平井 啓(大阪大学 大学院人間科学研究科)
- 米澤 敦子(特定非営利活動法人東京肝臓友の会)
- 川口 巧(久留米大学医学部内科学講座 消化器内科部門)
- 高橋 宏和(国立大学法人佐賀大学医学部附属病院 肝疾患センター)
- 前城 達次(琉球大学医学部附属病院 第一内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 肝炎等克服政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
31,988,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究班では1年目は肝Co等の人材育成における(1)適切な養成方法や配置、効果的な活用の方策および(2)職種別、配置場所別の知識面・活動度合等の質的な評価方法の策定をまず班員の都道府県を中心にそれぞれの地域特性も鑑みながら明らかにする。また2年目は調査エリアを班員の地域に拡大し、(1),(2)を行い、活動評価のためのブラッシュアップを目指す。同時に(3)近年、ウイルス性肝疾患のみならず非ウイルス性の肝疾患の増加している現状も踏まえて肝疾患のトータルケアに資する人材育成の方策を検討する。3年目は厚生労働省と肝炎情報センターの協力の元、(1)〜(3)の全国展開のための方策の提言と全国展開を目指す。また我々はこれまでモンゴル国での肝炎対策にも肝Co制度を導入してきており、同国への本研究成果の導入も並行して行う。3カ年で以上の3つの柱を中心とした課題を明らかにして、実際に対策が前進することを目的とする。
研究方法
2つの課題である肝Coの配置と効果について(i)中央部門、(ii)地域部門として北海道地区、東北地区、甲信越地区、関東地区、中部地区、北陸地区、関西地区、中四国地区、九州地区、沖縄地区、(iii)非ウイルス部門として久留米大、琉球大、佐賀大、(iv)評価・開発部門として日本社会事業大、ハイズ・慶應義塾大、大阪大、東京肝臓友の会、ONE・福岡(研究協力者)、国立国際医療研究センター(研究協力者)からなる4部門が役割分担し、密に連携して研究が進められる。
結果と考察
(1)北海道・東北・関東・中部・北陸・関西・中四国・九州・沖縄を代表する班員の地域における肝Coの配置と活動の現状を調査した。
(2)多職種、幅広い職歴から構成される組織や集団の活動には基本的な「共通の考え方」の言語化が有効であることが、多くの先行事例(リッツ・カールトン、Johnson and Johnson、京セラ、楽天、日本航空等)で報告されており、特に医療に近似性がある京セラおよび日本航空に研究協力を得て、「JALフィロソフィ」を元に、「肝炎医療コーディネーターフィロソフィ」の原案を作成し、パイロット医療機関で検証し、肝Coの活動の基盤となり得ることを明らかにした。また、活動を相互承認することによるモチベーション向上と活動の拾い上げのための相互活動賞賛システムとして、簡単に投票、評価できる携行型投票カードのパイロット運用を開始し、有効性を確認した。
(3)コロナ禍で困難となった地域全体の肝Coの意見交換や拠点病院や都道府県からの情報発信、活動アンケート等を行うために、Afterコロナも視野に置いた持続可能な方策として、代表的なソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のひとつである「LINE」の機能に注目し「肝炎医療コーディネーター応援公式LINEアカウント」を作成し、佐賀県、埼玉県、熊本県、で各拠点病院ごとの運用を開始し、現在、合計で約700名の肝Coがお友だち登録をして情報交換のシステム運用を開始し、情報発信のみならず、養成やスキルアップの研修会の参加登録案内、活動収集ツール、都道府県の肝疾患の制度等の説明サイトへの誘導するリッチメニューという機能の付加等により、様々な使い方において、いずれも有意義であることが確認できたため、北海道、兵庫県、山口県、沖縄県で立ち上げ準備を開始した。
(4)肝Co向けポータルサイト「Kan-co.net」の活用促進のため、サイトの構成のリニューアルおよび全国から収集した肝Co活動紹介の動画コンテンツをニーズに合わせて、再編集し、同ポータルサイトにアップロード、公開を開始した。
(2)多職種、幅広い職歴から構成される組織や集団の活動には基本的な「共通の考え方」の言語化が有効であることが、多くの先行事例(リッツ・カールトン、Johnson and Johnson、京セラ、楽天、日本航空等)で報告されており、特に医療に近似性がある京セラおよび日本航空に研究協力を得て、「JALフィロソフィ」を元に、「肝炎医療コーディネーターフィロソフィ」の原案を作成し、パイロット医療機関で検証し、肝Coの活動の基盤となり得ることを明らかにした。また、活動を相互承認することによるモチベーション向上と活動の拾い上げのための相互活動賞賛システムとして、簡単に投票、評価できる携行型投票カードのパイロット運用を開始し、有効性を確認した。
(3)コロナ禍で困難となった地域全体の肝Coの意見交換や拠点病院や都道府県からの情報発信、活動アンケート等を行うために、Afterコロナも視野に置いた持続可能な方策として、代表的なソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のひとつである「LINE」の機能に注目し「肝炎医療コーディネーター応援公式LINEアカウント」を作成し、佐賀県、埼玉県、熊本県、で各拠点病院ごとの運用を開始し、現在、合計で約700名の肝Coがお友だち登録をして情報交換のシステム運用を開始し、情報発信のみならず、養成やスキルアップの研修会の参加登録案内、活動収集ツール、都道府県の肝疾患の制度等の説明サイトへの誘導するリッチメニューという機能の付加等により、様々な使い方において、いずれも有意義であることが確認できたため、北海道、兵庫県、山口県、沖縄県で立ち上げ準備を開始した。
(4)肝Co向けポータルサイト「Kan-co.net」の活用促進のため、サイトの構成のリニューアルおよび全国から収集した肝Co活動紹介の動画コンテンツをニーズに合わせて、再編集し、同ポータルサイトにアップロード、公開を開始した。
結論
肝Co等の人材育成における適切な養成方法や配置、効果的な活用の方策について、それぞれの地域特性も鑑みながら明らかにしていかなければならない。具体的には、職種別、配置場所別の知識面・活動度合等の質的な評価方法の策定と現場における実際の評価に応じた改善策を明らかにして、活動評価のための肝Coフォローアップシステムの開発を目指す。さらに、近年、ウイルス性肝疾患のみならず非ウイルス性の肝疾患の増加している現状も踏まえて肝疾患のトータルケアに資する人材育成の方策を明らかにする必要がある。
公開日・更新日
公開日
2021-06-04
更新日
2023-12-19