再生医療・細胞医療製剤に汎用可能な新規微量高感度品質管理・安全性検証システムの開発と製剤の規格化に関する研究

文献情報

文献番号
200806011A
報告書区分
総括
研究課題名
再生医療・細胞医療製剤に汎用可能な新規微量高感度品質管理・安全性検証システムの開発と製剤の規格化に関する研究
課題番号
H20-再生・一般-006
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
森尾 友宏(国立大学法人東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 清水則夫(国立大学法人東京医科歯科大学 難治疾患研究所)
  • 加藤俊一(東海大学医学部)
  • 浜口 功(国立感染症研究所)
  • 伊藤仁也(先端医療センター)
  • 中田 光(新潟大学医歯学総合病院)
  • 吉江弘正(新潟大学大学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 再生医療実用化研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班では、「再生医療の安全性・品質管理に必要なシステム」を開発・検証することを目的とした。
研究方法
1.高感度多項目迅速微生物検出系ではmultiplex PCR、realtime PCR、RDV法を用いた検出を行った。2.微量細胞でのDNA損傷及び変異細胞検出はATMのリン酸化などをFACSあるいは免疫染色で検討した。またm-FISH法で染色体異常を検討した。3.標準細胞規格検証系は、タンパクアレイ、グルコース消費測定及びLuminex法を用いた。4.細胞毒性・有効性検証システムは培養細胞を免疫不全マウスに移植して検討した。
結果と考察
1.新規微生物検出システムにより細胞治療用調製T細胞を検討し、問題となるウイルスを明らかにした。遺伝子配列不明の未知のウイルスや既知のウイルスを網羅的に検出方法も開発した。さらに、細菌を、16SRNAを標的として検出し、塩基配列解析から迅速に同定する系や、マイコプラズマを高感度検出し、亜群同定する系も開発し、検証した。2.DNA損傷修復反応をATMのリン酸化などを指標にして、FACSや免疫染色で微量かつ高感度迅速に測定する系を確立した。高感度なm-FISH法を用いてNOD-SCIDマウスに移植したex vivo増幅ヒト造血幹細胞の染色体を検討し、異常所見の有無を確認した。また、これらの検査手法で解析可能な各種培養細胞も収集した。3.標準細胞規格検証システムの開発では、培養骨膜を分化誘導、変異誘導し、サイトカイン、増殖因子アレイ解析にて、培養上清のプロファイリングを行い、正常細胞と変異誘導細胞の差異を明らかにした。グルコース消費測定により、標準細胞規格外れの判別を試みた。また、今後Luminex法にて解析可能な検体を収集した。4.細胞毒性・有効性検証系では、NOD-SCIDへヒト造血細胞移植を行い、分化や短期的・長期的有害事象を外観観察、病理組織学的検討、染色体解析などで検討した。またヒト皮膚構造、椎間板構造の再構築系について、マウスへの移植システムを用いて検証を行った。
結論
立ち上げたシステムの多くは独自のものであり、さらに改良が予定されている。今後は再生医療・細胞治療を実施する4つの施設からの検体を中心に解析にあたり、さらに幅広く情報が収集できると期待している。

公開日・更新日

公開日
2011-05-27
更新日
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