新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業の総合的推進に関する研究

文献情報

文献番号
202019026A
報告書区分
総括
研究課題名
新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業の総合的推進に関する研究
課題番号
20HA2004
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
松岡 隆介(国立感染症研究所 免疫部)
研究分担者(所属機関)
  • 花木 賢一(国立感染症研究所 安全実験管理部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
人事異動に伴い、研究代表者の変更が行われた(令和2年8月6日付)。旧研究代表者:大澤英司、元研究代表者:松岡隆介。

研究報告書(概要版)

研究目的
当研究事業において実施する研究課題の評価及び企画の実施、研究成果や感染症に関する情報の活用、研究推進の支援方法、評価方法の検討・改善について研究することで、本研究事業のより円滑かつ適切な実施と総合的推進に資することを目的とする。また、2019年末に発生した中国・武漢市のCOVID-19は世界的大流行となり、1年以上経過した現在も変異株の出現を伴いながら国内外で感染拡大が続いている。その原因である新型コロナウイルスは飛沫と接触により伝播すると考えられている。そこで本研究(分担)では1日本の気候条件下でのSARS-CoV-2の各種素材上での感染力の持続時間の検証と2衣類を浸漬するあるいは衣類に吹き付けることで衣類に抗ウイルス作用を付与できる物資を検索してその有効性を明らかにする。
研究方法
当研究事業の各研究班会議に出席し、研究の進捗状況の把握、感染症研究の専門家(評価委員)による適切な研究課題の評価を支援するほか、以下を実施する。1 適切な企画・評価と研究事業の効率的な実施(a 新規公募課題応募者に対してヒアリングを実施、b 研究成果発表会の開催、③評価支援システムの運用)、2 研究者への支援(a 研究班会議に参加し、評価委員の助言を各研究班が取り入れ、研究の推進に役立てられるよう進捗管理・アドバイス・調整、b 評価委員、プログラムオフィサー(PO)の助言等に基づく研究デザインの整理 、c POとの情報共有を促進するための会議などの開催、班会議情報共有システム等の運用)、3 新型コロナウイルスの消毒法の検証等に関する研究(a 衣類素材へのウイルス接種実験、b 抗ウイルス作用付与剤の検討)
結果と考察
1「研究評価支援システム」を用いた各評価委員への評価依頼:評価委員からのコメントに基づき評価入力・集計等を行い、評価業務を効率化かつ適正に行った。2「班会議情報共有システム」の運用:POと厚生労働省担当者と共に班会議の情報を共有するため、当事務局で得た班会議開催情報をこのシステムから、PO、厚生労働省担当者に発信することにより、三者間の情報共有、情報交換が効率化され、各班会議により迅速に対応した。3 ヒアリング、研究成果発表会の開催:来年度新規応募課題に対して「ヒアリング(プレゼンテーション+質疑応答)」を実施し、事前評価委員が公募課題の内容をより深く理解することを支援した。中間・事後評価委員会開催前に、「研究成果発表会」を開催し、中間・事後評価委員が研究内容をより深く理解することを支援した。4「研究成果概要」の取りまとめ:各研究班に対し「研究成果概要」の提出を依頼し、書面評価のための資料として中間・事後評価委員へ送付し、中間・事後評価委員が事前に各研究班の研究内容に対する理解を深められるよう支援することで、書面審査の効率的な実施に貢献した。5 班会議への専門家の参加:オブザーバーとして、POが班会議に出席し、各班の研究内容に関して情報収集を行うと共に、研究班へのアドバイスを行った。また、班会議出席後にPOが作成した報告書を取りまとめた上で評価委員へ評価の参考資料として提供することで、研究事業の質の担保や研究の円滑な実施に貢献した。6 国際的な動向に関する情報収集:感染症政策研究の企画や効果的かつ総合的な推進のため、研究協力者が、世界保健機関等が主催する国際会議に参加し、国際的な新興・再興感染症関連施策や関連する情報収集を行った。7 感染症に係る広報活動:新型コロナウイルス感染症に関する研究を中心に、行政、審議会等を通じて、広く情報の提供をおこなった。8 新型コロナウイルスの消毒法の検証等に関する研究:a 衣類素材へのウイルス接種実験として、恒温恒湿条件の設定に関する試験を実施した。b 抗ウイルス作用付与剤の検討として、衣類に付着したSARS-CoV-2を能動的に不活化させる物資を探索するため、柔軟仕上げ剤の主成分であるジアルキルアンモニウム塩と食品添加物であり汎用洗浄剤として使用されているクエン酸について検討した。その結果、クエン酸は100mM(約0.2%)以上、1分前後の処理でSARS-CoV-2の感染価を4桁以上低下させる作用があることが明らかになった。
結論
本研究を通じて開発・改良された一連の研究班会議の情報共有及び研究評価手順に関するシステムは、新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業の一層の推進を目的として、今後の本研究事業における運営ならびに企画と評価において活用される。新型コロナウイルスの消毒法の検証等に関する研究については、衣類素材へのウイルス接種実験においてMHV並びにSARS-CoV-2を用いた検討が今後の課題になると考える。

公開日・更新日

公開日
2022-03-29
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2022-03-29
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202019026Z