文献情報
文献番号
200806002A
報告書区分
総括
研究課題名
間葉系幹細胞を用いた移植治療における品質及び安全性判定基準の確立
課題番号
H18-再生・若手-004
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
青山 朋樹(京都大学 再生医科学研究所組織再生応用分野)
研究分担者(所属機関)
- 中村孝志(京都大学大学院医学研究科 整形外科)
- 戸口田淳也(京都大学 再生医科学研究所組織再生応用分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 再生医療実用化研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
7,639,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は間葉系幹細胞(Mesenchymal stem cell, MSC)を用いた細胞移植治療を行う際の培養(行程あるいは課程)における品質評価及び安全管理機構を構築し、この新規治療を安全かつ有効に実施することを目的とする。
研究方法
本研究は平成19年度に京都大学医学部付属病院整形外科で開始された臨床試験「難治性骨壊死に対するMSC細胞移植治療」と連携して実施する。この臨床試験は厚生労働省「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」の承認を得た試験であり、指針に遵守した評価方法の確立も課題としている。
品質評価項目として①MSCの多分化能の確認と②増殖能の確認を行い、安全管理項目として③感染の監視④癌化の監視を行う。本研究においてはこれらの4項目を定量的手法にて評価し、基準値を作成しそれに沿ったプロトコールを作成する。このプロトコールを用いて臨床試験を実施することで、In Vitroで得られた解析結果を臨床現場にフィードバックする
品質評価項目として①MSCの多分化能の確認と②増殖能の確認を行い、安全管理項目として③感染の監視④癌化の監視を行う。本研究においてはこれらの4項目を定量的手法にて評価し、基準値を作成しそれに沿ったプロトコールを作成する。このプロトコールを用いて臨床試験を実施することで、In Vitroで得られた解析結果を臨床現場にフィードバックする
結果と考察
① 分化能の確認(品質管理項目1)
In Vitroで骨、軟骨、脂肪へ分化誘導を行い、特異的基質産生を定量評価するシステムを構築したが、難治性骨壊死における骨形成能とは特に相関を認めていない。このため細胞表面抗原マーカーの発現との相関を確認している。
② 増殖能の確認(品質評価項目2)
増殖においては自己血清の調整に依存することが明らかになってきた。このため自己血清に含まれる増殖因子の定量から増殖能が予測できないかを解析中である。」
③ 感染監視 (安全管理項目1)
京都大学輸血細胞治療部と共同でGMPグレードに準拠したプロトコール、SOP、定期検査方法を確立し、既に行われた臨床試験13例について有効であることが実証された。
④ 癌化監視(安全管理項目2)
早期悪性転化予測マーカーとしてp16遺伝子転写調節領域のメチル化解析の有効性を明らかにした(Shibata KR,2007)。この方法と染色体解析、免疫不全マウスへの皮下接種を行い、それらの有効性を臨床試験13例について比較検討している。
In Vitroで骨、軟骨、脂肪へ分化誘導を行い、特異的基質産生を定量評価するシステムを構築したが、難治性骨壊死における骨形成能とは特に相関を認めていない。このため細胞表面抗原マーカーの発現との相関を確認している。
② 増殖能の確認(品質評価項目2)
増殖においては自己血清の調整に依存することが明らかになってきた。このため自己血清に含まれる増殖因子の定量から増殖能が予測できないかを解析中である。」
③ 感染監視 (安全管理項目1)
京都大学輸血細胞治療部と共同でGMPグレードに準拠したプロトコール、SOP、定期検査方法を確立し、既に行われた臨床試験13例について有効であることが実証された。
④ 癌化監視(安全管理項目2)
早期悪性転化予測マーカーとしてp16遺伝子転写調節領域のメチル化解析の有効性を明らかにした(Shibata KR,2007)。この方法と染色体解析、免疫不全マウスへの皮下接種を行い、それらの有効性を臨床試験13例について比較検討している。
結論
平成18、19年度に作成した品質評価、安全管理のためのプロトコールを用いて平成19年度より臨床試験「難治性骨壊死に対するMSC細胞移植治療」を開始した。プロトコールの問題点、品質評価方法の実用性について今後検討していく。
公開日・更新日
公開日
2009-04-10
更新日
-