文献情報
文献番号
200806001A
報告書区分
総括
研究課題名
角膜上皮細胞の生体外での未分化能維持の研究
課題番号
H18-再生・若手-002
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
川北 哲也(慶應義塾大学 医学部 眼科学教室)
研究分担者(所属機関)
- 榛村 重人(慶應義塾大学 医学部 眼科学教室)
- 比嘉 一成(東京歯科大学 眼科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 再生医療実用化研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
前年度TGF-βの刺激によるEMTの誘導実験を行い、TGF-βの関与を示したが、その分子メカニズムについて、Smad、Wnt Pathwayの活性化をを介しているかについて研究を行った。また、海外アイバンクのドナー眼の角膜輪部組織を用い、ヒトでの角膜上皮細胞の生体外での未分化能維持に輪部の構造自体が影響しているかどうかを調べた。
研究方法
1.異常分化の研究
①.マウス角膜上皮未分化細胞の通常培養
②.TGF-β刺激(5ng/ml)48時間刺激する
③.細胞を固定し、Smad3、βカテニンの免疫染色で核内移行があるか観察する
④.時間経過でsnailなど、そのほかのEMT関連分子の発現を確認する
2. 角膜輪部上皮組織構造のニッチとしての役割の研究
①.アイバンク(海外)の輪部組織をDispase処理(14h、4度)
②.p63(4A4)の免疫染色を行い、p63陽性細胞塊を観察する
③.p63陽性細胞塊の多い部分、少ない部分をレーザーマイクロダイセクションで切り出し、コロニー形成率を比較する。
①.マウス角膜上皮未分化細胞の通常培養
②.TGF-β刺激(5ng/ml)48時間刺激する
③.細胞を固定し、Smad3、βカテニンの免疫染色で核内移行があるか観察する
④.時間経過でsnailなど、そのほかのEMT関連分子の発現を確認する
2. 角膜輪部上皮組織構造のニッチとしての役割の研究
①.アイバンク(海外)の輪部組織をDispase処理(14h、4度)
②.p63(4A4)の免疫染色を行い、p63陽性細胞塊を観察する
③.p63陽性細胞塊の多い部分、少ない部分をレーザーマイクロダイセクションで切り出し、コロニー形成率を比較する。
結果と考察
1.異常分化の研究
TGF-β刺激にことにより、Smad、βカテニンの細胞間から細胞質への移行、また核内にも移行する染色像が観察された。またsnailといったEMT時に上昇する分子も上昇が確認された。
2.角膜輪部上皮組織構造のニッチとしての役割の研究
角膜上皮シートとして一塊に分離した輪部シート構造の中にはp63陽性の細胞塊が局在し、そのp63陽性の細胞塊を多く含む領域は、少ない領域と比較しコロニー形成率が有意に高かった。
TGF-β刺激にことにより、Smad、βカテニンの細胞間から細胞質への移行、また核内にも移行する染色像が観察された。またsnailといったEMT時に上昇する分子も上昇が確認された。
2.角膜輪部上皮組織構造のニッチとしての役割の研究
角膜上皮シートとして一塊に分離した輪部シート構造の中にはp63陽性の細胞塊が局在し、そのp63陽性の細胞塊を多く含む領域は、少ない領域と比較しコロニー形成率が有意に高かった。
結論
1.マウス角膜上皮未分化細胞のTGF-βによるEMTは、Wnt,Smadの活性化を介していた。
2.ヒト輪部角膜にはp63陽性細胞塊が含まれており、その構造を維持することが未分化性維持、細胞老化遅延に関係するかもしれない。
2.ヒト輪部角膜にはp63陽性細胞塊が含まれており、その構造を維持することが未分化性維持、細胞老化遅延に関係するかもしれない。
公開日・更新日
公開日
2011-05-27
更新日
-