わが国による入国前結核健診事業精度保証のガイドラインの策定に資する研究

文献情報

文献番号
202019011A
報告書区分
総括
研究課題名
わが国による入国前結核健診事業精度保証のガイドラインの策定に資する研究
課題番号
19HA2001
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
大角 晃弘(公益財団法人結核予防会結核研究所 臨床・疫学部 入国前結核スクリーニング精度管理センター)
研究分担者(所属機関)
  • 河津 里沙(公益財団法人結核予防会結核研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
1,840,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、わが国で導入する入国前結核健診事業精度保証のあり方について検討し、精度の確保された健診事業が実施されるための「日本版入国前結核健診医療機関査察の手引き」を策定するとともに、「日本版入国前結核健診事業精度保証のガイドライン(案)」をとりまとめることである。
研究方法
昨年度実施した研究により作成された上記2つの成果物のうち「日本版入国前結核健診医療機関査察の手引き」のチェックリスト内容について結核研究所内関係者で検討するとともに、国内外学会で研究成果について発表する。
結果と考察
昨年度に作成した「日本版入国前結核健診医療機関査察の手引き(案)」内の査察チェックリスト項目について、結核研究所内関係者とともに検討し、内容の改訂を行った(添付資料1)。また、研究結果について国内及び国外の学会で発表するとともに、学術論文に発表した。
結論
COVID19感染症拡大の影響により、わが国による入国前結核健診事業の具体的な開始時期は未定である。入国前結核健診事業が開始となった後の円滑な運営に資するため、今後も厚生労働省他の関係機関関係者間で、本研究によって作成した「入国前結核健診医療機関査察の手引き(案)」と「入国前結核健診事業精度保証体制のガイドライン(案)」内容の更なる検討と改訂を行う必要がある。

公開日・更新日

公開日
2022-03-29
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2022-03-29
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202019011B
報告書区分
総合
研究課題名
わが国による入国前結核健診事業精度保証のガイドラインの策定に資する研究
課題番号
19HA2001
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
大角 晃弘(公益財団法人結核予防会結核研究所 臨床・疫学部 入国前結核スクリーニング精度管理センター)
研究分担者(所属機関)
  • 河津 里沙(公益財団法人結核予防会結核研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
研究の目的は、わが国で導入する入国前結核健診事業精度保証のあり方について検討し、精度の確保された健診事業が実施されるための「日本版入国前結核健診医療機関査察の手引き」(以下、手引き(案))を策定するとともに、「日本版入国前結核健診事業精度保証のガイドライン(案)」(以下、ガイドライン(案))をとりまとめることである。
研究方法
1)入国前結核健診を実施している主な工業先進国による精度保証体制に関する情報収集と整理を行う。情報源としては、研究代表者及び分担者の既存保有資料、Medline及びインターネット検索での、"tuberculosis" AND ("migrants" OR "immigrants") AND "quality" AND "screening"をキーワードとする2000年1月1日以降2020年2月29日までの文献検索、文献からの参照文献収集、さらに諸外国における入国前結核スクリーニング関係者からの、聞き取り・電子メール等により収集された情報である。(2)IOM(International Organization for Migration)・カナダ・米国・豪州等が実施する健診実施医療機関対象の査察に本研究実施者が同行し、入国前結核健診事業の査察実施方法について習得する。また、Intergovernmental Panel Physicians Association (IPPA) Training Summitに、本研究関係者が参加し、入国前結核健診に関する最新情報を収集し、手引き(案)とガイドライン(案)の各素案内容について検討する。(3)手引き(案)内の査察チェックリスト項目内容について、結核研究所内関係者とともに検討する。
(倫理面への配慮)本研究においては、個人情報を取り扱うことはなく、調査対象国における入国前結核健診事業に関する情報のみの取り扱いとなるため、研究の実施経過・研究結果の発表により、個人が特定されることはない。
結果と考察
入国前結核健診事業に関する精度保証体制は、各国政府側と現地健診・検査機関側との双方が関与して構築するものであり、政府による事業全体の取り扱い、事業の標準化、健診医療・検査機関及び健診医・放射線科医等の認定、査証申請者による苦情処理や不正の防止、検査精度の確保(胸部X線写真撮影・読影及び喀痰検査に関する内部精度管理と外部精度評価)、他医療機関への紹介と治療モニタリング体制、入国前結核健診関係者の技術向上、入国前結核健診事業と入国後フォローアップの連携、入国前結核健診事業評価のための情報収集体制、入国前結核健診医療・検査機関を対象とする査察等、多岐にわたる。米国・豪州・カナダ・ニュージーランド・英国各国政府は、International Organization for Migration (IOM)等の関連機関と協力しつつ、入国前結核健診事業の精度維持のための様々な方策を実施している。わが国の入国前結核健診事業においては、査証申請者からの苦情処理・事業評価のための情報収集体制の構築や事業モニタリングのための現地健診医療機関・検査機関査察のメカニズム・結核患者の治療経過フォローアップ体制等について、今後早急に検討する必要があることが判明した。
手引き(案)及びガイドライン(案)とを作成し、本研究関係者間で、手引き(案)に含まれる査察チェックリスト項目内容について検討し、内容の改訂を行った。手引き(案)とガイドライン(案)はともに、その内容について今後も継続して検討し、改訂していく必要がある。
結論
本事業は、わが国にとって過去に経験したことのない事業であり、事業開始後数年間は、様々な解決すべき課題に直面することが推定される。上述したとおり、本事業に関わる精度保証の様々な側面において、入国前結核健診事業について豊富な経験を有する国々や国内関係者との連携・情報共有を強化しつつ、課題に対応することが必要である。本事業の精度を保証することは、わが国に対する海外の人々の評価にも直結する重大事であり、事業改善のために継続した取り組みが必要である。

公開日・更新日

公開日
2022-03-29
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2022-03-29
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202019011C

収支報告書

文献番号
202019011Z