女性の健康状態を的確に評価するための調査項目等に関する研究

文献情報

文献番号
200805028A
報告書区分
総括
研究課題名
女性の健康状態を的確に評価するための調査項目等に関する研究
課題番号
H20-特別・指定-015
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
水沼 英樹(弘前大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 林 邦彦(群馬大学 医学部保健学科)
  • 松村 康弘(桐生大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
2,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
女性は、思春期に女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が増加し、閉経に伴って激減する。このため、閉経前後の期間(更年期)には、いわゆる更年期障害と呼ばれる疾患が発症し、その後、エストロゲン欠乏に起因する様々な疾患の発生が増加することが指摘されている。しかし、これらの事象について女性ホルモンの欠落に座標をおいての疫学的な調査はほとんどなく、正確な発生頻度には不明な点が多いため、適切で効果的な対策が見いだせない状況である。本研究は、女性のライフステージから見た健康実態に関し既報の知見を整理すること、及び、今後、調査の必要な項目を明らかにすることを目的とする。
研究方法
1)女性の健康づくり推進懇談会委員に各専門分野における健康課題や問題点の提示を依頼した。
2)女性、性差、ライフステージ、健康、疫学をキーワードとして医学中央雑誌から過去5年間における論文集積を行った。これまでに女性の健康に関する厚生科学事業報告については平成9年まで遡り関係する報告を猟集した。
3)上記のキーワードに加え、若年妊娠、性感染症、口腔疾患、栄養素、食事、喫煙、るいそう、肥満、月経痛(月経困難症)、頭痛、更年期障害、エストロゲン、骨粗鬆症、動脈硬化、メタボリックシンドローム、糖尿病、高血圧、脳卒中、骨粗鬆症、変形性関節症をキーワードとしてクロス検索を行った。
以上の方法で我が国の女性のライフステージに特有の健康課題を抽出する。
結果と考察
本邦女性の各年齢層別に、疫学的に検証が行われている医学的問題点を整理し一覧表を作成した。高齢女性におけるメタボリックシンドロームに関係するエビデンスの集積が行われている。一方、若年女性では月経に関する疾患のエビデンスが、また閉経後女性においてはエストロゲン欠落に伴う疾患の重要性についてのエビデンスが集積しているが、その予防法や閉経後女性に対するホルモン補充療法の意義に関してのエビデンスに乏しい。
結論
女性は各ライフステージに特有の疾患を持ち、これらは女性の性機能状況と密接にリンクしている。各ライフステージを考慮した予防法、健康管理法の開発が求められる。

公開日・更新日

公開日
2010-06-22
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200805028C