文献情報
文献番号
200805020A
報告書区分
総括
研究課題名
精神障害者の訪問看護におけるマンパワー等に関する調査研究
課題番号
H20-特別・指定-029
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
萱間 真美(聖路加看護大学 精神看護学)
研究分担者(所属機関)
- 松原 三郎(松原病院)
- 上野 桂子(全国訪問看護振興財団)
- 立森 久照(国立精神・神経センター精神保健研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
精神障害者の地域移行支える重要なサポートである精神科訪問看護について、訪問看護ステーションからの精神科訪問看護の実施頻度、対象、業務内容、について調査し、特に複数名訪問の実施の実態と関連する要因、効果について、医療機関からの訪問看護の実態と共に明らかにすることを目的とした。
研究方法
全国の訪問看護ステーションを対象に、精神科訪問看護の実施の有無、および複数名(職)訪問の実施の有無について調査した。次に、訪問看護ステーションにおいて精神科訪問看護を行っている施設および医療機関において精神科訪問看護を行っている施設を対象として、平成20年10月~12月に行われた精神科訪問看護の全件数、精神科訪問看護のうち複数名(職)訪問の件数、複数名(職)訪問を行ったケースの特性や背景となる要因に関する実態調査を行った。
結果と考察
訪問看護ステーションからの精神科訪問看護の実施率は47.7%であり、年々増加している傾向が明らかになった。複数名訪問を実施しているステーションでは約2割の訪問において主に複数名の看護職での訪問が行われており、対象者は男性の独居者が多く、複数訪問の理由としてスタッフの安全確保、複数名でのアセスメントの必要性、ケアの多さなどがあげられていた。複数名訪問を行っている医療機関からの訪問では約6割の訪問において複数名訪問が行われており、複数訪問の理由としては、精神保健福祉士による相談・ソーシャルワークが必要、家族に対する援助の必要性、等の理由が多かった。
結論
病院ではソーシャルワークや相談など援助内容の質を高めるために複数訪問が活用されているのに対して、訪問看護ステーションからの複数訪問は、制度上精神保健福祉士などが活用されていないという状況から、利用者と援助者双方の安全を守る目的を主として実施されることが多い現状が伺えた。以上の結果より、今後精神科訪問看護を普及し、質の高いケアを提供するために必要な制度やサポート体制について検討することができた。
公開日・更新日
公開日
2009-05-19
更新日
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