わが国におけるオセルタミビル耐性ウイルスによるインフルエンザの現状把握と抗インフルエンザウイルス薬の適正使用に関する研究

文献情報

文献番号
200805019A
報告書区分
総括
研究課題名
わが国におけるオセルタミビル耐性ウイルスによるインフルエンザの現状把握と抗インフルエンザウイルス薬の適正使用に関する研究
課題番号
H20-特別・指定-028
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
工藤 宏一郎(国立国際医療センター 戸山病院 国際疾病センター)
研究分担者(所属機関)
  • 齋藤 玲子(新潟大学大学院 医歯学総合研究科 国際感染医学講座 公衆衛生学分野)
  • 河野 正和(東京海上日動メディカルサービス株式会社 第三医療部)
  • 河合 直樹(日本臨床内科医会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
08/09年におけるオセルタミビル耐性インフルエンザについて、特に抗インフルエンザ薬の臨床効果の観点から検討を行う。また、抗インフルエンザ薬の海外における使用状況について調査を行う。
研究方法
1.多施設においてインフルエンザウイルスH1N1中のオセルタミビル耐性頻度を調べ、小児患者のオセルタミビルの臨床効果について検討を行う。 
2.抗インフルエンザ薬について諸外国のガイドライン等を吟味する。
3.多施設から特に成人患者情報を収集し、抗インフルエンザ薬の臨床効果について解析する。
結果と考察
1.686件のインフルエンザウイルスH1N1は全てNA遺伝子にH275Y変異を認めた。これらの株のオセルタミビル阻止濃度(IC50)は949±381nMと感受性株に比し300倍以上であったが、ザナミビルには感受性であった。H1N1インフルエンザに罹患した15才以下の小児で、オセルタミビル投与群87例(平均年齢5.6才)、ザナミビル投与群64例(10.2才)、無治療群87例(5.7才)の3群に分けたところ、オセルタミビル群と無治療群では、ザナミビル群に比して解熱の遅い傾向があった。さらに、7才以上ではオセルタミビル群はザナミビル群と同様に解熱していたが、7才未満ではオセルタミビル群は無治療群と解熱経過が変わらなかった。
2.抗インフルエンザ薬は治療及び予防ともにほとんどの国がハイリスク群を対象としていた。推奨薬はノイラミニダーゼ阻害薬が主であったが、米国のみオセルタミビル耐性H1N1に対し、アマンタジン・オセルタミビル併用療法を提示していた。
3.オセルタミビル投与後の解熱時間が08/09年のH1N1では、07/08年のH1N1、08/09年のH3N2よりも有意に長かった。また発症時からの発熱時間も08/09年のH1N1ではザナミビルに比しオセルタミビルは有意に長いが、抗インフルエンザ薬非投与例(03/04&04/05年)よりは短かった。これらのオセルタミビルの有効性の低下は16歳以上よりも15歳以下で顕著であった。
結論
08/09年のオセルタミビル耐性H1N1では07/08年のH1N1や08/09年のH3N2よりもオセルタミビルの有効性が特に小児において低下していた。本耐性ウイルスに対するオセルタミビルの有効性については、今後さらなる検討が望まれる。なお、ザナミビルは有効であった。

公開日・更新日

公開日
2009-06-29
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200805019C