文献情報
文献番号
200805017A
報告書区分
総括
研究課題名
在宅医療における遠隔医療の適正な利用に関する調査研究
課題番号
H20-特別・指定-023
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
川島 孝一郎(仙台往診クリニック)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
4,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
「生き方を支える」医療提供がどのように考えられ、実践されているかを調査し、それを実現させるために、介護提供体制における連携の有無や情報共有等に言及する。また医師の説明と生活支援内容如何によって変化する遠隔医療の有益性の有無と、在宅医療の推進に対する遠隔医療が阻害要因となるか否かについて、今後の医療行政に係る重要なデータを得るものとする。
研究方法
①在宅医療を積極的に実施している在宅療養支援診療所の医師、①と連携している訪問看護ステーションの看護師、③診療研修指定病院の医師、③を主治医とする看護師にそれぞれ在宅医療に関する設問と在宅医療における遠隔医療との関連を表すアンケートを実施した。アンケートは、A:医師による「在宅医療と在宅ケアの十分な説明」がなされたかどうか、B:受け取り側の希望する具体的な生活支援が実施されたかどうか、C:医療(介護)提供体制における連携、情報共有は行われたかどうか、D:在宅医療において遠隔医療を導入することによる変化等について実施した。
結果と考察
「生き方の支援」が必要にもかかわらず、病院医は「生き方を支える」ICFを含む種々の制度と在宅医療に疎い。「生き方を支える」システムを知らないことが患者・家族に多大な影響を与えることを理解していない。また在宅医療と「生き方の支援」を知らない病院医ほど在宅復帰を推進できないと思っている。
遠隔医療の導入に関しては、病院医がその問題提起と実施についての多くの疑問を持っていると言える。とくに在宅医療へ遠隔医療を導入することによって24時間対応は向上しない。常時往診している在宅医にとっては、遠隔医療の導入有無に係らずこれまでと変わりがない。また遠隔医療の導入が、これまで以上に往診を増加させることはないと言える。むしろ医師がかえって訪問しなくなることが示唆された。このような現状において遠隔医療は、在宅療養支援診療所を中心とした在宅医療の推進に水を差すことになりかねない。
遠隔医療の導入に関しては、病院医がその問題提起と実施についての多くの疑問を持っていると言える。とくに在宅医療へ遠隔医療を導入することによって24時間対応は向上しない。常時往診している在宅医にとっては、遠隔医療の導入有無に係らずこれまでと変わりがない。また遠隔医療の導入が、これまで以上に往診を増加させることはないと言える。むしろ医師がかえって訪問しなくなることが示唆された。このような現状において遠隔医療は、在宅療養支援診療所を中心とした在宅医療の推進に水を差すことになりかねない。
結論
1)「テレビ電話をはじめとする遠隔医療」は在宅へ『往診しない・訪問しない医師』を増やす結果となる。
2)「テレビ電話をはじめとする遠隔医療」は、主として在宅看取りを担う在宅療養支援診療所医師にとっては、『在宅看取りを増やす要因にはならない』。
したがって、
3)「テレビ電話をはじめとする遠隔医療」の在宅医療への導入は時期尚早である。
2)「テレビ電話をはじめとする遠隔医療」は、主として在宅看取りを担う在宅療養支援診療所医師にとっては、『在宅看取りを増やす要因にはならない』。
したがって、
3)「テレビ電話をはじめとする遠隔医療」の在宅医療への導入は時期尚早である。
公開日・更新日
公開日
2015-05-27
更新日
-