文献情報
文献番号
200805015A
報告書区分
総括
研究課題名
医療における安心・希望確保のための専門医・家庭医(医師後期臨床研修制度)のあり方に関する研究
課題番号
H20-特別・指定-020
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
土屋 了介(国立がんセンター中央病院)
研究分担者(所属機関)
- 有賀 徹(昭和大学 医学部)
- 海野 信也(北里大学 医学部)
- 江口 研二(帝京大学 医学部)
- 岡井 崇(昭和大学 医学部)
- 葛西 龍樹(福島県立医科大学 医学部)
- 川越 厚(ホームケアクリニック川越)
- 阪井 裕一(国立成育医療センター)
- 外山 雅章(亀田メディカルセンター)
- 山田 芳嗣(東京大学 医学部)
- 渡辺 賢治(慶應義塾大学漢方医学センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
国民に質の高い医療を提供するために必要な、我が国の現状に則した家庭医・総合医、専門医の卒後後期研修のあり方について検討を行った。国民がいかなる人材を望んでいるかという中長期的ビジョンと医療現場の現状を見据えた上で具体的な後期臨床研修制度のあり方について調査研究を行った。
研究方法
教育研修内容や、家庭医・総合医を含めた専門医教育に必要な医療機関、育成機関の連携について、総合病院、大学病院、専門病院、診療所など様々な立場の医療者の協力により現状分析およびヒアリング調査等を行った。また海外における指導・教育研修プログラムについて検討を行い、我が国の土壌にあった制度のあり方を検討した。
結果と考察
医療のシステムを改革するにあたっては、医療現場の医療従事者による自律的な意見集約と、現場重視の提言が必要であり、これに基づいて医療提供体制を再構築することが求められる。また、特定領域において専門的な技能を発揮するためには、教育や研修に関して一定の基準を満たした上で、認証される必要がある。海外では、国レベルで専門医の教育・研修・認定に関する標準化された制度が存在する。これを踏まえて、我々は卒後医学教育研修の充実による医師の資質の向上を使命とした独立機関である、卒後医学教育認定機構(仮称)の設立を提唱する。関係者としては、専門医やその関係団体だけでなく、官・民にわたり、医療および医師卒前・卒後・生涯教育に関わる多くの個人・団体の参画を得ることが必要である。
計画を立案・実施する機関に対して、実行のための十分な権限を付与した上で、専門医、家庭医・総合医の位置づけと役割について、我が国の土壌にあったわかりやすいあり方を示し、その方向性に沿った規制の緩和とインセンティブ等による移行を短期的施策として実施し、中長期的には、時代のニーズによって変化し、望ましい医療提供体制について継続的に再評価、見直しを行うための根拠に基づいた基礎的な医療提供体制についての客観的な指標を国、地域が手にした上で、国民、地域住民による議論と医療者との対話が必要である。
計画を立案・実施する機関に対して、実行のための十分な権限を付与した上で、専門医、家庭医・総合医の位置づけと役割について、我が国の土壌にあったわかりやすいあり方を示し、その方向性に沿った規制の緩和とインセンティブ等による移行を短期的施策として実施し、中長期的には、時代のニーズによって変化し、望ましい医療提供体制について継続的に再評価、見直しを行うための根拠に基づいた基礎的な医療提供体制についての客観的な指標を国、地域が手にした上で、国民、地域住民による議論と医療者との対話が必要である。
結論
医師卒後教育を医療制度の根幹に係る、「公」の問題として捉えた上で、官民問わず様々の諸団体・個人が積極的、自発的に関与する「卒後医学教育認定機構(仮称)」設立を目指すことを提案した。我々は今後も必要な議論への参画と本研究班での議論や資料などの情報提供を行う所存である。
公開日・更新日
公開日
2010-06-22
更新日
-