新型インフルエンザ発生時において停留施設として使用する宿泊施設の評価手法の開発及び安全性の確保に関する研究

文献情報

文献番号
200805008A
報告書区分
総括
研究課題名
新型インフルエンザ発生時において停留施設として使用する宿泊施設の評価手法の開発及び安全性の確保に関する研究
課題番号
H20-特別・指定-011
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
筧 淳夫(国立保健医療科学院施設科学部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
3,080,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究はホテルでの停留を前提とした「常識的かつ必要な」基本的な対応を行う上で,ホテルの空調設備を評価し,停留施設として活用する際の運営上の課題をとりまとめることを目的として実施した.
研究方法
本研究は下記のような方法で実施した.
1.ホテルにおける空調システムのヒアリング調査
2.停留施設としてのリスクチェックリストの作成
3.ホテルにおけるリスクチェックリストの妥当性の検証調査
結果と考察
調査の結果下記の項目について明らかにした.
a.外気の導入方法
b.外気の導入ルート
c.客室への外気供給量
d.吸気口と排気口の位置関係
e.再循環(環気)の有無
f.全熱交換器の有無
g.外調機のフィルタ
h.外調機の加湿
i.客室の窓の開閉
j.ポータブル加湿器の有無
k.客室での給排気の停止


停留施設としてのリスクチェック項目として下記の項目を整理した.
□客室への外気の供給方法を確認しなければならない
□客室の窓の開閉ができないことが望ましい
□客室に直接外気を吹き出すシステムが望ましい
□客室からの排気が給気する外気へ混入しないか確認しなければならない
□排気の一部を再循環させないシステムでなければならない
□外調機で全熱交換器を使用しないシステムが望ましい
□停留に使用するフロアーは貸し切りとしなければならない
□停留対象者が宿泊しているフロアーだけでなくすべての客室フロアーの空調機を動かさなければならない
□外調機及び排気ファンの継続的な運転をしなければならない
□外調機及び排気ファンの絞り運転をしてはならない
□客室への外気の供給及び客室からの排気を客室内で停止してはならない
□適切な加湿を行わなければならない
□外調機において使用しているフィルタを確認しなければならない
□停留施設として利用している最中に排気口近くへ接近する場合は個人防護具(PPE)を着用
□停留対象者が発症した場合,宿泊していた客室のフィルタ及び対象となる客室から排気が通るルートのフィルタなどの消毒を行わなければならない
結論
海外で新型インフルエンザが発生した際に水際対策として実施が考えられている停留措置において使用する施設を選択・運用するための空調設備に関する基準をとりまとめることができた.特に空調設備の適切な運用が必要であり,検疫職員と空調設備管理担当者との密接な協働が必要であろう.

公開日・更新日

公開日
2010-04-20
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200805008C