文献情報
文献番号
200805007A
報告書区分
総括
研究課題名
助産師と産科医の協働の推進に関する研究
課題番号
H20-特別・指定-010
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
池ノ上 克(宮崎大学医学部生殖発達医学講座産婦人科学分野)
研究分担者(所属機関)
- 中林 正雄(社会福祉法人恩賜財団愛育会愛育病院)
- 近藤 潤子(社団法人日本助産師会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
8,550,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
最近各地で医師と助産師が協力して行う院内助産の取り組みが始まっており、厚生労働省は平成20年度から院内助産所・助産師外来開設のための施設整備や助産師等研修事業を開始した。
安全で快適な院内助産を実現するためには、医師、助産師が共に合意できるガイドラインが必要である。本研究では、助産師と産科医の協働を推進するために必要なガイドラインの作成と、実施から5年目を迎えた助産所業務ガイドラインの見直しを目的としている。
安全で快適な院内助産を実現するためには、医師、助産師が共に合意できるガイドラインが必要である。本研究では、助産師と産科医の協働を推進するために必要なガイドラインの作成と、実施から5年目を迎えた助産所業務ガイドラインの見直しを目的としている。
研究方法
院内助産ガイドラインは、日本産科婦人科学会(2008)の示す「産婦人科診療ガイドライン」を参考に、病院・診療所に勤務する助産師が院内助産をどのように進めていくのかを検討の上、作成した。また、助産師の行うケアは、先行研究や日本助産師会の提示している助産所業務ガイドラインを参考にして作成した。
開業助産師、産科医師および小児科医師対し、ガイドラインの使用状況等に関する実態調査を行い、その結果をふまえて、見直し案を検討した。さらに公開フォーラムを開催し、意見を聴取した上で検討会議を重ねて最終的に「助産所業務ガイドライン2009年改定版」としてまとめるに至った。
開業助産師、産科医師および小児科医師対し、ガイドラインの使用状況等に関する実態調査を行い、その結果をふまえて、見直し案を検討した。さらに公開フォーラムを開催し、意見を聴取した上で検討会議を重ねて最終的に「助産所業務ガイドライン2009年改定版」としてまとめるに至った。
結果と考察
院内助産システムとは病院や診療所に看護・助産提供体制としての「助産外来」や「院内助産」を置いて、助産師を活用する仕組みをいう。「助産外来」は妊婦・褥婦の健康診査並びに保保健指導が助産師によって行われるものであり、「院内助産」は分娩を目的に入院する産婦および産後の母子に対して、助産師が中心となってケア提供を行うものである。院内助産システムを安全で有用に実施して行くためには、医師と助産師の協働が必要であり、お互いが理解し活用できる共通のガイドラインを示した。また、助産師業務ガイドラインの現在の使用状況と問題点を検討し、問題解決に向けた見直しを行って、新しいガイドラインとしてまとめた。
我が国の産科医療を充実させ、より質の高い医療を社会に提供するために必要な助産師の果たすべき新たな役割がガイドラインとして示された。
我が国の産科医療を充実させ、より質の高い医療を社会に提供するために必要な助産師の果たすべき新たな役割がガイドラインとして示された。
結論
安全で快適な妊娠・出産の支援のために必要なことは、産科医と助産師の相互理解と協働である。その一助として、本ガイドラインは作成された。
また、正常な経過をたどる妊婦や母子の健康管理や分娩の管理に助産師が積極的に取り組むためには助産師自身のさらなる自己研鑽が必要であるが、同時に助産に関する知識や技術の向上をはかるための卒後研修制度や認定制度の確立も急務である。そして、今後はさらに臨床と教育が連携して、助産師養成数の増加に取り組むことも新たな課題である。
また、正常な経過をたどる妊婦や母子の健康管理や分娩の管理に助産師が積極的に取り組むためには助産師自身のさらなる自己研鑽が必要であるが、同時に助産に関する知識や技術の向上をはかるための卒後研修制度や認定制度の確立も急務である。そして、今後はさらに臨床と教育が連携して、助産師養成数の増加に取り組むことも新たな課題である。
公開日・更新日
公開日
2009-08-10
更新日
-