グローバル臨床研究拠点の体制整備を含む国際共同研究等の推進方策に関する調査研究

文献情報

文献番号
200805004A
報告書区分
総括
研究課題名
グローバル臨床研究拠点の体制整備を含む国際共同研究等の推進方策に関する調査研究
課題番号
H20-特別・指定-006
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
楠岡 英雄(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター)
研究分担者(所属機関)
  • 成川 衛(北里大学薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、欧米やアジア諸国における国際共同研究等の実施体制について調査し、その結果から、わが国における国際共同研究等を推進する「グローバル臨床研究拠点」に必要な条件等を明確にすることである。
研究方法
本研究では、班員以外に10名の研究協力者の援助を受け、計5回の検討会議を開催した。分担研究者の成川衛は、英国における状況と基盤について、ロンドン大学等を訪問し、調査を行った。研究協力者からは、米国における国際共同臨床試験の状況、欧州における状況、アジアにおける状況、国内での状況、国際共同治験を実施する立場としての企業の考え方について報告を受けた。以上の報告を取りまとめて、本研究のまとめとした。
結果と考察
本研究における調査の結果、以下の結論を得た。1)治験・臨床試験を区別することは、日本でのみ行われており、意味がない。2)最終的なゴールは、「国際的なレベルで、Proof of Concept(POC)を作成する、あるいはそれを依頼される臨床研究者(医師のみならず、関係者すべてを含めて)を養成すること」にある。これなくしては、アカデミックな面のみならず、創薬等を国の基幹産業として育てることはできない。3)しかし、いきなりPOCの依頼が来ることはない。POCの依頼を得るためには、その前に実績を積み上げ、示しておく必要がある。すなわち、いわゆる「グローバル治験・臨床試験」に参加し、確実に実施していくことが求められる。4)わが国において、グローバル治験・臨床試験の実施をはばんでいる要因として、言語のバリア、医療システム、患者集積性の低さ、等が指摘されている。これらを直ちに是正することは困難であるが、今後、これらの点に留意して、グローバル臨床研究拠点を設定していく必要がある。5)国内におけるグローバル治験・臨床試験の実施推進に必要なシステムとして、①グローバル治験・臨床試験を実施する組織、②グローバル治験・臨床試験の実施を支援する組織(CRO、あるいはSMO的なサービス提供)、③グローバル治験・臨床試験のための人材を育成する組織(必要な人材の選考、育成手段・手法の確立)の3点について考慮されるべきである。
結論
国内におけるグローバル治験・臨床試験の実施推進に必要なシステムとその他の検討事項について結論を得た。

公開日・更新日

公開日
2009-04-09
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200805004C