文献情報
文献番号
202018014A
報告書区分
総括
研究課題名
聴覚障害児に対する人工内耳植込術施行前後の効果的な療育手法の開発等に資する研究
課題番号
19GC1007
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
高橋 晴雄(国立大学法人長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
- 三浦 清徳(長崎大学 医学部・歯学部附属病院)
- 森内 浩幸(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科新興感染症病態制御学専攻感染症免疫学講座感染病態制御学分野)
- 堀内 伊吹(長崎大学教育学部)
- 宇佐美 真一(国立大学法人信州大学 医学部)
- 岩崎 聡(国際医療福祉大学三田病院耳鼻咽喉科)
- 高木 明(静岡県立総合病院)
- 樫尾 明憲(東京大学医学部附属病院)
- 南 修司郎(国立病院機構 東京医療センター 聴覚平衡覚研究部)
- 城間 将江(国際医療福祉大学 保健学部)
- 吉田 晴郎(長崎大学大学院医歯薬総合研究科 耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野)
- 神田 幸彦(医療法人 萌悠会 耳鼻咽喉科 神田E・N・T医院、長崎ベルヒアリングセンター)
- 佐藤 智生(長崎大学 医歯薬学総合研究科 耳鼻咽喉・頭頸部外科学)
- 小渕 千絵(国際医療福祉大学 保健医療学部 言語聴覚学科)
- 北 義子(武蔵野大学 人間科学部 人間科学科 専攻科 言語聴覚士養成課程 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
16,108,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は、高度聴覚障害児に対する人工内耳(CI)前後の効果的な療育体制の構築のために必要なガイドライン(GL)等を作成して、広く周知することである。
研究方法
1. 聴覚障害児に対する早期介入手法等の海外諸国で実態調査を行う。
2. 人工内耳埋込術施行後の適切な療育手法に係るGLの作成
3. 新生児聴覚検査(新スク)で難聴が疑われた患児・家族のための適切な情報提供に資するパンフレットの作成
4. 人工内耳埋込術施行後の効果的療育に係る好事例の収集
5. 成人の先天性難聴症例に対する人工内耳埋込術の効果に関する新たな知見の収集
2. 人工内耳埋込術施行後の適切な療育手法に係るGLの作成
3. 新生児聴覚検査(新スク)で難聴が疑われた患児・家族のための適切な情報提供に資するパンフレットの作成
4. 人工内耳埋込術施行後の効果的療育に係る好事例の収集
5. 成人の先天性難聴症例に対する人工内耳埋込術の効果に関する新たな知見の収集
結果と考察
1. 海外視察では、米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)耳鼻咽喉科および聴覚障害児の療育施設や学校を視察し、その成果を論文発表した(耳鼻臨床 113; 605-613, 2020)。
2. 当該文献の広汎なシステマティックレビューを行ない、15のクリニカルクエスチョン(CQ)と11の解説項目についてGLが完成し、難聴児の最適の療育開始時期・方法や最適なCIの適応決定時期、音声言語獲得に適した療育法と手話併用の優位性の有無等がわかった。
3. 新スクで要再検となった児と保護者に対して、その後の確定診断、療育の道筋を示すリーフレットを完成した。保護者がインターネット等で地域の聴覚障害児の療育状況を知ることができるような内容とした。
4. 上記④、⑤の研究に関しては、国内の主なる約30の療育施設から、現在それぞれ約60例、40例のデータが収集されており、2021年6月までデータを収集して分析し、最良の療育方法確立の資料とする予定である。
2. 当該文献の広汎なシステマティックレビューを行ない、15のクリニカルクエスチョン(CQ)と11の解説項目についてGLが完成し、難聴児の最適の療育開始時期・方法や最適なCIの適応決定時期、音声言語獲得に適した療育法と手話併用の優位性の有無等がわかった。
3. 新スクで要再検となった児と保護者に対して、その後の確定診断、療育の道筋を示すリーフレットを完成した。保護者がインターネット等で地域の聴覚障害児の療育状況を知ることができるような内容とした。
4. 上記④、⑤の研究に関しては、国内の主なる約30の療育施設から、現在それぞれ約60例、40例のデータが収集されており、2021年6月までデータを収集して分析し、最良の療育方法確立の資料とする予定である。
結論
以上の研究より、現在までに下記のような結論を得ている。
1. 我が国で非常に少ない聴覚専門の言語聴覚士(ST)の養成が必須であること
2. 新スクを法制化・無料化することが急務であること
3. 新スクをより徹底して難聴の早期診断に努め、なるべく早く聴覚活用療育をはじめて、必要な場合は1歳までには少なくとも人工内耳の要否の検討を始めることが重要であること
1. 我が国で非常に少ない聴覚専門の言語聴覚士(ST)の養成が必須であること
2. 新スクを法制化・無料化することが急務であること
3. 新スクをより徹底して難聴の早期診断に努め、なるべく早く聴覚活用療育をはじめて、必要な場合は1歳までには少なくとも人工内耳の要否の検討を始めることが重要であること
公開日・更新日
公開日
2021-09-17
更新日
-