文献情報
文献番号
200803001A
報告書区分
総括
研究課題名
国際保健分野での知識マネジメントに関する研究
課題番号
H19-国際・一般-001
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
青山 温子(名古屋大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
- 喜多 悦子(日本赤十字九州国際看護大学)
- 明石 秀親(国立国際医療センター)
- 川口 レオ(名古屋大学 大学院医学系研究科 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 社会保障国際協力推進研究(社会保障国際協力推進研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
2,210,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
保健医療分野の各種国際イニシアティブ、国際機関や国際的基金等の活動内容や意思決定メカニズム等、及び、これまでの日本の貢献について分析し、保健医療分野における日本の国際貢献が、より効果的で存在感あるものとなるよう提言する。
研究方法
カンボジアにて、母子保健、エイズ・結核・マラリア対策に関する国際イニシアティブの実施状況を調査した。世界保健機関(WHO)、国際赤十字運動の機構と意思決定メカニズムに関して検討した。ラオスにて、援助協調及びキャパシティ・ディベロップメントに関し検討した。日本の政府開発援助(ODA)の仕組みと意思決定メカニズムを検討した。
結果と考察
カンボジアでの、母子保健、エイズ・結核・マラリア対策の成果はあがっているものの、多数の開発パートナーの調整困難、保健医療システム構築への貢献が限定的といった課題もあった。国際イニシアティブにより途上国への支援は増加したが、援助協調、優先課題選定、持続可能性等に問題が残る。途上国のオーナーシップを尊重しつつ、調整能力やガバナンスを改善し、保健医療システム基盤を整備する体系的取り組みが必要とされる。
WHOの政策は、世界保健会議(WHA)で決定され、理事会が執行機関である。本部事務局と6地域事務所は、加盟国を技術指導して政策を実施する。国際赤十字の最高意思決定機関は、赤十字国際委員会(ICRC)、国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)等が参加する、赤十字・赤新月国際会議である。実際の人道援助では、現場の責任者の権限が大きい。
ラオスにおいて、日本は、援助協調制度構築に貢献したが、他援助機関と異なり、成果達成よりキャパシティ・ディベロップメントに主眼をおいている。
日本のODA政策の多くは、各省庁からのボトムアップ方式で策定される。日本のODA事業は、人道主義、自助努力、長期間の技術移転プロセスを重視している。
WHOの政策は、世界保健会議(WHA)で決定され、理事会が執行機関である。本部事務局と6地域事務所は、加盟国を技術指導して政策を実施する。国際赤十字の最高意思決定機関は、赤十字国際委員会(ICRC)、国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)等が参加する、赤十字・赤新月国際会議である。実際の人道援助では、現場の責任者の権限が大きい。
ラオスにおいて、日本は、援助協調制度構築に貢献したが、他援助機関と異なり、成果達成よりキャパシティ・ディベロップメントに主眼をおいている。
日本のODA政策の多くは、各省庁からのボトムアップ方式で策定される。日本のODA事業は、人道主義、自助努力、長期間の技術移転プロセスを重視している。
結論
日本の援助をより効果的にするには、まず、国際機関の本部レベルにて政策決定に関与することや、新しい国際イニシアティブを主導していくことが必要である。次に、途上国現場レベルにおいて、経験豊富な専門家が開発パートナー調整に主導的役割を果たし、保健医療政策策定プロセスに参画することが重要である。最後に、日本国内レベルにおいても、専門家と行政官・政治家とが緊密に連携して政策を策定し、国際協力に携わる人材を意図的に育成していくことが必要である。
公開日・更新日
公開日
2009-06-10
更新日
-