健康・医療・介護分野の分野横断的なデータ収集・利活用・解析基盤の構築による介護予防に資するAI等開発についての研究

文献情報

文献番号
202016016A
報告書区分
総括
研究課題名
健康・医療・介護分野の分野横断的なデータ収集・利活用・解析基盤の構築による介護予防に資するAI等開発についての研究
課題番号
20AC5005
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター(国立研究開発法人国立長寿医療研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 島田 裕之(国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
138,462,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
厚生労働省では、一般介護予防事業として、地域住民が主体となって、体操や趣味等の活動を実施する場である「通いの場」の推進を行ってきた。今後、効果的な取組を全国展開するにあたって、通いの場において属人的な経験則に基づく介護予防の取組を行っている現状では、介護予防効果について科学的に評価し横展開を図るには限界があると考えられる。これに対して、PRISM事業により各省庁および産学が連携し、サービサー等が共通で用いるインフラの開発(協調領域)と民間主体による競争的な取組(競争領域)を活性化することで、介護予防等に効果的なAI等を用いたサービス等を研究開発することが必要である。
本事業は、複数の自治体や民間事業との協力体制を構築しながら、上記プラットフォームを全国展開するための仕組みを構築し検証することを目的とする。また、収集するデータを拡充することで、介護予防に資するAI等の開発および妥当性検証を実施する。
研究方法
本事業で収集したオンライン通いの場アプリのデータを集積および個人単位で連結可能な環境を整備した。またデータ連携基盤に蓄積されたオンライン通いの場アプリのデータをもとに、要介護リスクを予測するAI(以下、「介護予防AI」とする)の構築および性能評価を行った。
上記で構築するオンライン通いの場アプリを中心とした介護予防プラットフォームを本格運用する前に、いくつかの実証フィールドで試行的に運用し、円滑で効果的な運用が可能か検証する必要がある。そのため、本事業では4つの自治体と通いの場を選定し、オンライン通いの場アプリによるデータ収集を試行的に実施した。
また、本事業で構築する介護予防プラットフォームへ参加する民間企業の募集に当たり、オンライン通いの場アプリや本プラットフォームの活用可能性などに関して計7社の民間企業からヒアリングを行った。
結果と考察
オンライン通いの場アプリのデータを集積するAPIをデータ連携基盤に実装し、オンライン通いの場アプリを通じて取得されるデータは全てデータ連携基盤に送信されるように整備した。また、オンライン通いの場アプリの各種機能を、民間企業等が提供するスマートフォンアプリ(以下、民間アプリ)へ提供し、民間アプリでオンライン通いの場アプリの機能を使用できる仕組みを整備した。また、民間アプリを通じて収集されるデータを、データ連携基盤へ蓄積する仕組みも整備した。収集したデータを活用した介護予防AIを開発し、その性能評価を行ったところ、特に「うつ予防・支援の5項目を除く20項目」でROC AUC:0.83と比較的高い予測精度が得られた。
4つの自治体における通いの場を実証フィールドとし、試行的にオンライン通いの場アプリのデータ収集を実施することができた。複数の民間企業へのヒアリングを通じて、今後の介護予防プラットフォームの活用方針を整理することができた。
結論
本事業によって、オンライン通いの場アプリを中心とした介護予防プラットフォームを構築し、本プラットフォームを全国の自治体および民間企業へ展開するための仕組みを整備することができた。

公開日・更新日

公開日
2021-10-08
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2021-10-08
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202016016C

成果

専門的・学術的観点からの成果
オンライン通いの場アプリにて入力した疾患情報、基本チェックリストから2年後の要介護認定リスクを判定し、介護予防のための行動を提案する機能を実装した。
臨床的観点からの成果
新たな自治体と研究協定を締結し、高齢者の介護予防事業にオンライン通いの場アプリを使用する仕組みを整備することができた。また携帯キャリアとも連携し、スマホ教室を開催して高齢者への普及活動を実施した。
ガイドライン等の開発
なし
その他行政的観点からの成果
厚生労働省のホームページとの連携、紹介動画等のSNSでの発信を行いオンライン通いの場アプリの周知および介護予防に対する普及啓発を実施した。
その他のインパクト
オンライン通いの場アプリについて、ニュースや新聞等で取り組みを周知した。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
18件
その他論文(和文)
10件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
12件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
1件
厚生労働省のホームページと連携してオンライン通いの場アプリの周知を行い、介護予防の促進を図った。
その他成果(普及・啓発活動)
3件
①厚生労働省のホームページとの連携、②SNSにて紹介動画の配信、③携帯キャリア店舗でのスマホ教室にてオンライン通いの場アプリの紹介、登録支援を行なった。

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2021-10-08
更新日
2023-05-29

収支報告書

文献番号
202016016Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
180,000,000円
(2)補助金確定額
179,746,999円
差引額 [(1)-(2)]
253,001円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 29,441,289円
人件費・謝金 2,932,882円
旅費 0円
その他 105,834,828円
間接経費 41,538,000円
合計 179,746,999円

備考

備考
自己資金999円

公開日・更新日

公開日
2023-05-01
更新日
-