高齢者等のセルフ・ネグレクト(自己放任)を防ぐ地域見守り組織のあり方と見守り基準に関する研究

文献情報

文献番号
200801041A
報告書区分
総括
研究課題名
高齢者等のセルフ・ネグレクト(自己放任)を防ぐ地域見守り組織のあり方と見守り基準に関する研究
課題番号
H20-政策・一般-011
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
津村 智惠子(甲南女子大学 看護リハビリテーション学部看護学科)
研究分担者(所属機関)
  • 臼井 キミカ(大阪市立大学 医学部看護学科)
  • 河野 あゆみ(大阪市立大学 医学部看護学科)
  • 和泉 京子(大阪府立大学 看護学部)
  • 中村 陽子(甲南女子大学 看護リハビリテーション学部看護学科)
  • 大井 美紀(甲南女子大学 看護リハビリテーション学部看護学科)
  • 佐瀬 美恵子(甲南女子大学 看護リハビリテーション学部看護学科)
  • 桝田 聖子(甲南女子大学 看護リハビリテーション学部看護学科)
  • 上村 聡子(甲南女子大学 看護リハビリテーション学部看護学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
4,620,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
地域で生活するセルフ・ネグレクト状態の高年齢者等の早期発見を可能にする地域特性別の地域見守り組織のあり方と見守りの判断基準の作成である。初年度(平成20年)は、見守り組織の地域別及び、見守り専従者有・無別の活動実態把握である。
研究方法
調査開始前にセルフ・ネグレクトに関する知識・啓発教育を10市区町村の見守り組織メンバーに調査依頼と併せ実施。
1)アンケート調査:見守り組織の地域特性別に3政令指定都市5区、近郊2市、限界集落をもつ市町村3計10市区町村34地区の見守り組織を選択、主に郵送法で調査を実施。有効回答者600人の地域特性別比較、見守り専従者有・無別比較を実施。
2)インタビュー調査:アンケート調査実施10市区町村34地区の見守り
組織参加メンバー及び専門職に半構成によるグループ又は個別インタビ
ューを実施。本年度は大阪泉南市、羽曳野市の8地区の見守り組織メン
バー20人と専門職12人を分析。
(倫理面への配慮):研究計画書は平成20年5月甲南女子大学倫理審査委員会に提出し承認を得た。調査対象市町の個人情報保護条例を尊守、現地関係専門職及び所属長、見守り組織代表者、面接対象者に配慮・手続きした上でアンケート及び、インタビュー調査を実施。
結果と考察
見守り専従配置の「あり」「なし」で2分しており、女性が7割以上、年齢は60?70歳以上で7割以上を占め、主に民生児童委員等として見守り活動実施。見守り必要高齢者の情報は都市部ほど難しく、孤立死の危険性を感じ組織的に見守り対象者のフォローを行っていた。一方、限界集落では、意識せず日常の近隣相互の繋がりで見守りをしているが、不安・負担感があり、解消には見守り専従の専門職配置は必要。又、見守り活動で孤立死防止は可能との意見も多い。これより見守り活動の必要性が示唆された。さらに、見守り専従あり群は、基準を持って見守りを行っており見守り活動による孤立死防止が可能と考える割合も高い。見守り専従の専門職は、地域見守りの活動面、精神面で住民を支援。さらに見守り専従の専門職の具体的な活動や役割、地域特性別による見守り組織のあり方等の明確化が必要。
結論
地域特性や住民の流出入の状況は、住民の見守り組織必要の有無意識に影響。見守り専従者の配置は見守り組織メンバーの不安と責任の重さの解消に必要であり、見守り必要者の早期把握とセルフ・ネグレクト防止に専門職と住民用の見守り基準を早急に作成する必要がある。

公開日・更新日

公開日
2009-04-09
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2009-10-13
更新日
-