子どもへの性的虐待の予防・対応・ケアに関する研究

文献情報

文献番号
200801039A
報告書区分
総括
研究課題名
子どもへの性的虐待の予防・対応・ケアに関する研究
課題番号
H20-政策・一般-009
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
柳澤 正義(社会福祉法人恩賜財団母子愛育会日本子ども家庭総合研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 玉井 邦夫(大正大学人間学部)
  • 山本 恒雄(社会福祉法人恩賜財団母子愛育会日本子ども家庭総合研究所子ども家庭福祉研究部)
  • 庄司 順一(社会福祉法人恩賜財団母子愛育会日本子ども家庭総合研究所子ども家庭福祉研究部)
  • 岡本 正子(大阪教育大学教育学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
10,899,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
性的虐待対応の実態を踏まえて、学校や子どもに関係する機関、対応における中核的機関である児童相談所、被虐待児への中長期的ケアを担う児童福祉施設等の各機関を対象に、対応やケアのためのガイドラインを策定し、効果的な対応・ケアに資する。
研究方法
本研究は、1.教育・福祉・保健機関等の職員のための子どもへの性的虐待初期対応ガイドラインの策定及び啓発・研修に関する研究、2.児童相談所における性的虐待対応ガイドラインの策定に関する研究、3.性的虐待の被害確認のための面接のあり方に関する研究、4.性的虐待を受けた子どもの中長期的ケアの実態とそのあり方に関する研究、の4つの分担研究で構成され、本年度は実態把握と課題対応方策を検討し、ガイドライン案の作成を目指した。
結果と考察
分担研究1:学校現場で性的虐待の察知から通告に至る過程の実態を把握するため、教員を対象とする調査票を作成し、全国の国公私立幼・小・中・高・支援学校から1,066校を抽出、校種別学校数に応じて調査票を郵送した。本年度末に回収、次年度集計解析を行う。
分担研究2:児童相談所へのアンケート調査による現状把握と性的虐待相談対応で先駆的な取組をしている2つの府県の児童相談所職員から聴取り調査を行った。それらを踏まえて性的虐待対応ガイドライン案を作成、次年度いくつかの児童相談所で試行する。
分担研究3: 欧米のforensic interview(ing)について情報を収集、それらの導入を先駆的に試みている児童相談所に対する聴取り調査等を行った。わが国の児童福祉法上、法的妥当性のある証言が確保できる性的虐待「被害確認面接」を開発、児童相談所における性的虐待対応ガイドラインに組込む。
分担研究4:児童養護施設と情緒障害児短期治療施設において、性的虐待を受けて入所中の子ども及び施設で性的問題行動を示す子どもの実態を調査した。性的虐待を受けた子どもの施設入所後の対応のあり方を検討し、中長期的ケアのためのガイドラインを作成する。
結論
各分担研究は、アンケート調査や聴取り調査で性的虐待対応の実態を把握し、課題解決方策を検討したうえで、ガイドライン案を作成、次年度現場で試行する。また、教育・福祉現場関係者に対しガイドラインの適用に当って必要な啓発・研修を行う。

公開日・更新日

公開日
2009-04-02
更新日
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