保育・生活場面の展開と心身や空間把握能力の発達からみた保育施設環境の所要規模に関する研究

文献情報

文献番号
200801034A
報告書区分
総括
研究課題名
保育・生活場面の展開と心身や空間把握能力の発達からみた保育施設環境の所要規模に関する研究
課題番号
H20-政策・一般-004
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
佐藤 将之(早稲田大学 人間科学学術院)
研究分担者(所属機関)
  • 山田あすか(立命館大学 理工学部)
  • 橋本雅好(椙山女学園大学 生活科学部)
  • 古賀誉章(東京大学大学院工学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
4,666,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究では、保育施設における保育や生活の場面展開の実際を把握し、保育施設に通う園児の心身や空間把握能力の発達を物理的・建築的側面から明らかにする.それによって、保育施設環境の適正規模や諸空間に求められる1人あたり面積の基準を検討することを目的としている.
研究方法
平成20年度は、1)全国保育施設アンケート、2)活動場面観察・施設スタッフヒアリング、3)空間把握・心理的領域、4)保育者・幼児による保育環境評価、に関する調査を行った.
結果と考察
1)では,施設規模,定員充足率等における各施設種別間の差異や特徴が確認された.さらに同じ学齢
についてみると,幼稚園と保育園で保育室面積に大きな違いがないなどの事実も明らかとなった.保育室の広さ
に関する評価については,室面積や児童の密度よりも,保育者が処遇する児童の数(処遇規模)の方が影響を与
える場合があることが確認された.
2)では、適正規模算出に関する試論を展開し、一部に各年齢,各活動でのクラス面積・1人あたり面積での評価境界を見いだした.
3)では、a)幼児には「コレ」領域が確認され、概念は大人と類似していること、b)しかし、幼児には「ソレ」領域がなく、「アレ」領域は広いが、回答にばらつきや曖昧なものが多く、概念として完成されていない部分もあることなどがわかった.
結論
 以上、現状の調査・分析からは保育施設環境の評価は、1人あたり面積よりも、活動面積の大小やクラスの園児数の影響が強く、学齢が上がるにつれて環境に対して巨視的になっていくことが明らかになった.今後さらに、活動展開や空間把握発達に関する研究等の追加調査・分析を行い、保育施設環境の適正規模の導出を進める.

公開日・更新日

公開日
2009-04-08
更新日
-