国、都道府県の医療費適正化計画の重点対象の発見に関する研究

文献情報

文献番号
200801023A
報告書区分
総括
研究課題名
国、都道府県の医療費適正化計画の重点対象の発見に関する研究
課題番号
H19-政策・一般-023
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
印南 一路(慶應義塾大学 総合政策学部 政策・メディア大学院)
研究分担者(所属機関)
  • 堀 真奈美(東海大学教養学部)
  • 古城 隆雄(慶應義塾大学 SFC研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
6,306,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究全体の目的は、1)医療費適正化計画の土台となる保健検診実施状況、医療費、介護費の給付状況を詳細に分析把握し、2)第1期医療費適正化計画における適正化重点対象グループ(性別、年齢、疾病の種類、地域)を発見し、計画の評価基準、計画内容および策定方法上の課題を明確にする方法論を確立し、3)第2期医療費適正化計画に盛り込むべき内容を具体的に提示する、ことにある。
研究方法
医療費の適正化重点対象グループ発見に用いた手法を介護費にも応用すること、その手法における指標の一つである医療機関充実度を改良すること、歯科医療費についても決定要因構造モデル(概念モデル)を構築すること、既に実施されている医療費適正化計画の策定状況に関する実態を分析し課題を明確にすること、保健事業と医療費に関する研究に着手すること、ドイツにおける医療費適正化政策の動向を把握し、日本への示唆を考察することなど6つの研究を行った。
結果と考察
まず、医療費の適正化重点対象グループ発見に用いた手法を長野県と静岡県の介護費にも応用した結果、両県の県全体の介護費が低い理由は、男性の後期高齢者(75歳以上)の介護費が低いことにあること等を発見した。分析指標の一つである医療機関充実度については、平成17年度山形県患者調査を用いて市町村別の患者の流出入状況、および実際の受診行動圏と二次医療圏の範囲を分析し、患者の受診行動圏反映させたアクセス医療機関充実度(施設数と病床数)を作成した。歯科医療費の決定要因構造に関しては先行研究レビューに基づき概念モデルを構築した。また、既に実施されている医療費適正化計画の策定状況に関しては、医療費適正化計画の本文とパブリックコメントを収集し、都道府県間の比較分析を行った結果、1)医療費適正化の推進体制が十分ではないこと、2)政策目標の設定が硬直的であること、3)国、都道府県における医療費分析および説明が不足していること、4)住民に対する説明と住民参加が不十分であることの4つを課題として明示した。
結論
初年度研究、本年度研究を通じ、国、都道府県、市町村が一体的に医療費適正化を推進するための、医療費分析、役割分担&連携方法については研究目的を達成しつつある。最終年度は、保健活動、医療費、介護費の3つの関係を明らかにし、第2期医療費適正化計画に盛り込むべき内容を具体的に提示したい。

公開日・更新日

公開日
2009-04-09
更新日
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