特発性心筋症に関する調査研究

文献情報

文献番号
202011083A
報告書区分
総括
研究課題名
特発性心筋症に関する調査研究
課題番号
20FC1051
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
筒井 裕之(国立大学法人九州大学 大学院医学研究院)
研究分担者(所属機関)
  • 松島 将士(九州大学病院 循環器内科)
  • 井手 友美(九州大学 医学部)
  • 絹川 真太郎(九州大学大学院医学研究院循環器病病態治療講座)
  • 坂本 一郎(国立大学法人九州大学 大学病院 循環器内科)
  • 安斉 俊久(北海道大学大学院医学研究院 循環病態内科学教室)
  • 渡辺 昌文(山形大学 医学部)
  • 竹石 恭知(福島県立医科大学医学部 循環器・血液内科学講座)
  • 小室 一成(国立大学法人 東京大学大学院 医学系研究科 循環器内科学)
  • 福田 恵一(慶應義塾大学 医学部  循環器内科)
  • 吉村 道博(東京慈恵会医科大学 循環器内科)
  • 室原 豊明(名古屋大学 大学院 医学系研究科)
  • 藤野 陽(金沢大学 医薬保健研究域 保健学系 )
  • 木村 剛(京都大学大学院医学研究科 循環器内科学)
  • 坂田 泰史(国立大学法人 大阪大学 医学部附属病院 循環器内科)
  • 泉 知里(国立循環器病研究センター 心臓血管内科)
  • 北風 政史(国立研究開発法人国立循環器病研究センター 臨床研究推進センター 臨床開発部)
  • 斎藤 能彦(公立大学法人 奈良県立医科大学 医学部)
  • 北岡 裕章(国立大学法人 高知大学  医学部 老年病・循環器内科学)
  • 神谷 千津子(国立研究開発法人国立循環器病研究センター 産婦人科)
  • 吉永 正夫(国立病院機構鹿児島医療センター 小児科)
  • 八尾 厚史(東京大学 保健・健康推進本部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
16,616,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班は1974年に旧厚生省特定疾患調査研究班として特発性心筋症の疫学・病因・診断・治療を明らかにすべく設立され、その後46年間継続してわが国における本領域での研究の進歩・発展に大きく貢献してきた。本研究では、わが国における小児から成人における心筋症の実態を把握し、日本循環器学会、日本心不全学会およびAMED研究班と連携して診断基準や診療ガイドラインを改訂・確立し、研究成果を広く診療へ普及させ心筋症の医療水準と患者のQOLの向上に貢献することを目的とする。
研究方法
令和2年度より厚労省臨床調査個人票や大規模入院患者データベースを用いて心筋症および鑑別が必要な類縁疾患を含む患者の実態・予後を解明し、心筋症診療の向上に資するエビデンスを構築する。また、令和2年度より日本成人先天性心疾患(Adult Congenital Heart Disease: ACHD)学会、AMED心筋症研究班と連携し、小児および小児から成人に移行した心筋症患者のデータベース構築し、令和3-4年度には小児期心筋症の抽出基準/診断基準を確立するとともに小児・成人の心筋症患者を一体的に研究・診療できる体制および小児成人期移行医療(トランジション)の礎を築く。さらに、周産期心筋症の早期診断検査確立研究を推進し、良質かつ適切な医療の確保を目指す診療体制の構築に必要なエビデンスを確立する。令和2年度以降はAMED難治性疾患実用化研究事業「拡張相肥大型心筋症を対象とした多施設登録研究」、「ナチュラルキラーT細胞活性化による慢性炎症制御に基づく新たな心筋症治療の実用化」および「ゲノム分子病理解析による難治性心筋症における精密医療の実現」などの関連研究班と連携し、新たな心筋症の診断・治療に関するエビンスを創出する。これらの研究成果をふまえ、令和4年以降に心筋症・心不全ガイドラインの改訂を目指す。さらに海外ガイドラインとの協調をはかる。
結果と考察
2020年度は本研究班員を中心に日本循環器学会/日本心不全学会合同ガイドラインとして急性・慢性心不全診療ガイドラインフォーカスアップデート版(2021 年 3月26日発行)(班長:筒井裕之)を作成した。また、厚生労働省特定疾患臨床調査個人票における最大規模の心筋症患者データベースを構築し、拡張型心筋症40,537名、肥大型心筋症3,553名、拘束型心筋症46名のデータを解析し、我が国の心筋症の実態を明らかにした。
さらに、心筋症による心不全入院患者のレジストリであるJROADHF(The Japanese Registry Of Acute Decompensated Heart Failure)研究およびJROADHF-NEXT研究のデータ収集および解析を行った。
小児心筋症に関してはデータベースを構築し、心電図および心エコーによる小児肥大型心筋症の抽出基準に関するデータを収集した。さらに、周産期心筋症について、早期診断検査を確立するための研究と関連臨床研究を施行した。また、成人先天性心疾患専門外来における心筋症患者の引継ぎ状況を調査し、その診療実態を明らかにした。AMED「拡張相肥大型心筋症を対象とした多施設登録研究」および「ゲノム分子病理解析による難治性心筋症における精密医療の実現」研究班と連携してデータ収集を行った。さらに、「ナチュラルキラーT細胞活性化による慢性炎症制御に基づく新たな心筋症治療の実用化」では特発性拡張型心筋症に対する新たな細胞治療法を確立し臨床治験を推進した。
また、各分担施設にて心筋症の実態解明のための個別研究を行った。
全国規模のデータベースを構築し、心筋症患者のデータを収集することによって、重症度・予後、診断基準に関する質の高いエビデンスの構築が期待される。また、心筋症の現状を把握し、QOL、予後および重症度の予測因子を解明することは、診療の標準化へと結びつくことが期待される。
結論
心筋症による心不全のガイドラインである急性・慢性心不全診療ガイドラインのフォーカスアップデータ版を作成した。また、大規模心筋症データべースの構築・解析を行い、我が国における心筋症の実態を明らかにした。

公開日・更新日

公開日
2021-07-01
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2021-07-01
更新日
2021-09-09

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202011083Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
21,600,000円
(2)補助金確定額
20,850,000円
差引額 [(1)-(2)]
750,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 7,163,716円
人件費・謝金 6,146,946円
旅費 422,270円
その他 2,133,084円
間接経費 4,984,000円
合計 20,850,016円

備考

備考
自己資金 16円

公開日・更新日

公開日
2021-07-01
更新日
2022-01-21