前眼部難病の標準的診断基準およびガイドライン作成のための調査研究

文献情報

文献番号
202011064A
報告書区分
総括
研究課題
前眼部難病の標準的診断基準およびガイドライン作成のための調査研究
課題番号
20FC1032
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
西田 幸二(大阪大学大学院医学系研究科 脳神経感覚器外科学(眼科学))
研究分担者(所属機関)
  • 村上 晶(順天堂大学医学部眼科学教室)
  • 東 範行(国立研究開発法人 国立成育医療研究センター 病院 眼科 感覚器・形態外科部)
  • 島崎 潤(東京歯科大学市川総合病院 眼科)
  • 宮田 和典(医療法人明和会 宮田眼科病院)
  • 山田 昌和(杏林大学 医学部眼科学教室)
  • 外園 千恵(京都府立医科大学 視覚機能再生外科学)
  • 白石 敦(愛媛大学 医学部 眼科学講座)
  • 榛村 重人(慶応義塾大学 医学部)
  • 小林 顕(金沢大学 眼科)
  • 堀 裕一(東邦大学 医学部)
  • 宮井 尊史(東京大学 医学部眼科学教室)
  • 山田 知美(大阪大学 医学部附属病院)
  • 大家 義則(大阪大学医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
18,462,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我々は日本眼科学会主導のもと、関連学会と連携して、これまでに希少難治性前眼部疾患の診断基準および重症度分類を策定して来た。本研究ではこれらをより質の高いものに改定するとともに、Mindsに準拠した方法でエビデンスに基づく診療ガイドラインを作成し、医師、患者ならびに広く国民に普及・啓発活動を行うことで、国内における診療の均てん化を図ることを目的とする。さらに患者の視覚の質の実態調査を行い、療養生活環境改善への提案に資する。また難病プラットフォームへ症例登録を行い、国内外の難病研究班と情報共有する事により、新しい治療の開発等、希少難治性疾患の克服へ貢献する。これらにより希少難治性前眼部疾患の医療水準の向上、予後改善が期待でき、最終的には医療費や社会福祉資源の節約に大きく寄与することが期待される。
研究方法
前眼部形成異常および無虹彩症についてはパブリックコメントを募集し、寄せられた意見について研究班内で検討を行い、最終版について学会承認を得る。承認後は普及・啓発活動を行い、アンケート等による評価を行う。
膠様滴状角膜ジストロフィーについては、Minds 診療ガイドライン作成マニュアル 2017に従い診療ガイドラインの作成を行う。
眼類天疱瘡については、指定難病である類天疱瘡に含まれるよう診断基準および重症度分類の改定を行う。
Fuchs角膜内皮ジストロフィーについては、診療ガイドライン作成の前段階として、診断基準および重症度分類の改定を行う。
全ての年度を通して患者QOV調査および症例収集を行い、研究班REDCapレジストリおよび難病プラットフォームレジストリへの登録を行う。また確定診断を目的に遺伝子検査を行い、これらについて解析を行う。
結果と考察
前眼部形成異常および無虹彩症については、診療ガイドラインのパブリックコメント募集を実施し、寄せられた意見について研究班内で検討を行った。前眼部形成異常については、続発緑内障(小児緑内障のうち先天眼形成異常に関連した緑内障)について、緑内障ガイドラインの記載と整合性が取れるよう修正を行った。無虹彩症については画像情報追加等の要望が寄せられたことから、画像を入手し修正を行った。現在、無虹彩症の診療ガイドラインについてMinds HPでの公開を申請中であり、評価が行われているところである。また英語版の作成が終わり、研究班内にて校閲を実施中である。来年度は普及・啓発活動を進めるとともに、アンケート等によるガイドラインの評価および使用状況の調査について検討を行う予定である。
膠様滴状角膜ジストロフィーについては診療ガイドライン作成のための体制を構築し、外部評価委員2名を選任した。また日本医学図書館協会と診療ガイドライン作成支援契約覚書を取り交わした。スコープについては重要臨床課題6項目(CQ4項目、BQ2項目)を含む案を作成し、研究班内にて検討を行った。膠様滴状角膜ジストロフィーは希少疾患である事から、エビデンスが乏しく科学的根拠に基づいた推奨の提示は難しいと推察される。しかしMindsからの提言等を参考に、限られたエビデンスを集約し、最善の方針を提示したいと考えている。
眼類天疱瘡については、皮膚科の指定難病である類天疱瘡に含まれる形で指定難病の認定を目指す。そのためには免疫学的検査を実施し、眼類天疱瘡が類天疱瘡の一病態である事を証明するとともに診断基準および重症度分類を改定する必要がある。今年度は皮膚科難病班との連携体制を構築し、検査方法等について検討を行った。来年度より免疫学的検査を実施する予定である。
Fuchs角膜内皮ジストロフィーについては前年度までの研究班にて策定した診断基準および重症度分類について、出来る限り国際基準と合致するよう改定を行う。どのような分類が多く使用されているのかを把握するためSRを実施した。SR結果をもとに検討を行い、来年度には改定を行う予定である。また大阪大学医学部附属病院に通院中のFuchs角膜内皮ジストロフィー患者について遺伝子検査を行った結果、海外での報告とは異なる結果となった。
結論
今年度は、前眼部形成異常および無虹彩症の診療ガイドラインについてパブリックコメントを実施し、学会承認を得た。膠様滴状角膜ジストロフィーについては診療ガイドラインの設計図にあたるスコープを作成した。眼類天疱瘡については皮膚科難病研究班との連携体制を構築し、免疫学的検査の方法等について検討を行った。Fuchs角膜内皮ジストロフィーについては診断基準および重症度分類改定のためのシステマティックレビューを実施し、患者QOVの調査および遺伝子検査を実施した。

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202011064Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
24,000,000円
(2)補助金確定額
23,250,000円
差引額 [(1)-(2)]
750,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 6,318,016円
人件費・謝金 7,406,845円
旅費 40,420円
その他 3,947,080円
間接経費 5,538,000円
合計 23,250,361円

備考

備考
自己資金 361円