新生児スクリーニング対象疾患等の先天代謝異常症における生涯にわたる診療体制の整備に関する研究

文献情報

文献番号
202011057A
報告書区分
総括
研究課題
新生児スクリーニング対象疾患等の先天代謝異常症における生涯にわたる診療体制の整備に関する研究
課題番号
20FC1025
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
中村 公俊(熊本大学大学院生命科学研究部 小児科学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 濱崎 考史(公立大学法人大阪 大阪市立大学大学院医学研究科)
  • 和田 陽一(東北大学 東北大学病院)
  • 伊藤 康(東京女子医科大学 医学部)
  • 長尾 雅悦(独立行政法人国立病院機構北海道医療センター 小児遺伝代謝センター)
  • 村山 圭(千葉県こども病院 代謝科)
  • 小林 弘典(島根大学 医学部附属病院)
  • 福田 冬季子(浜松医科大学 小児科学)
  • 笹井 英雄(東海国立大学機構 岐阜大学医学部附属病院)
  • 伊藤 哲哉(藤田医科大学 医学部小児科学)
  • 児玉 浩子(帝京平成大学 )
  • 高橋 勉(秋田大学 大学院医学系研究科)
  • 奥山 虎之(国立研究開発法人国立成育医療研究センター 臨床検査部)
  • 但馬 剛(国立研究開発法人国立成育医療研究センター 研究所マススクリーニング研究室)
  • 羽田 明(千葉大学 予防医学センター)
  • 青天目 信(大阪大学 大学院医学系研究科)
  • 村上 良子(大阪大学 微生物病研究所 )
  • 石毛 美夏(和田 美夏)(日本大学 医学部)
  • 清水 教一(東邦大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
17,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
タンデムマススクリーニング対象疾患をふくむ先天代謝異常症の生涯にわたる全国で均一化された診断と治療が可能となるための課題について整備することを目標とする。そのために、対象となる47疾患について、(1)本研究班で作成し学会で承認された診療ガイドラインの改定と、新規のガイドラインの策定、(2)移行期医療と成人期の診療体制に特化した診療ガイドの作成、(3)先天代謝異常症の患者登録制度への登録の推進、患者会の支援および海外の患者会、登録制度との連携、(4)新生児スクリーニングと特殊ミルク制度に関する課題整理をおこなうこととした。他の研究組織である笹井班(診療ガイドラインと遺伝子診断)、奥山班(ライソゾーム病)、村山班(ミトコンドリア病)、斯波班(脂質異常症)、但馬班(新生児マススクリーニング)、小崎班(臨床ゲノム情報統合データベース)などと連携し、先天代謝異常症に関わる専門医師、診断施設、学会などのオールジャパンとしての取り組みで、生涯にわたる診療支援が継続的に可能になる体制作りを目指した。
研究方法
フェニルケトン尿症などのアミノ酸代謝異常症、尿素サイクル異常症の一部、メチルマロン酸血症などの有機酸血症、脂肪酸およびカルニチン代謝異常症などは全国の自治体の多くで新規に推進されている拡大新生児マススクリーニングの対象疾患になっている。
本年度の研究では
(1)対象となる47疾患のガイドラインの改訂または新規ガイドラインの作成
(2)移行期医療と成人期の診療体制の整備
(3)患者登録制度の推進と患者会の支援
(4)新生児代謝スクリーニングと特殊ミルク制度に関する課題整備をおこなった。さらに患者会との合同で意見交換会を開催することで、ガイドラインの役割、外来診療や成人期の診療について討議をおこないガイドラインに反映させた。
結果と考察
ガイドラインの改訂または新規ガイドラインの作成では、昨年度に本研究班が作成、日本先天代謝異常学会編として発行された「新生児マススクリーニング対象疾患等診療ガイドライン2019」(診断と治療社)の改訂作業に着手し、さらに、新規の診療ガイドラインとして残りの20疾患についてガイドラインを作成中である。移行期医療と成人期の診療体制の整備について、成人患者や移行期における課題を明らかにした。その一部はガイドラインの新規作成、改訂作業に加筆している。患者登録制度の推進と患者会の支援については、先天代謝異常症患者登録制度(JaSMIn)において、新たに100名の患者登録を達成した。患者会の支援として、令和3年1月30日にはWebにて合同患者会「第7回先天代謝異常症患者会フォーラム」を開催した。さらに新生児代謝スクリーニングと特殊ミルク制度に関する課題整備については、新生児スクリーニングにおける新規の診断指標を検討し、新規作成、改訂作業中のガイドラインに反映させている。「特殊ミルク治療ガイドブック」を令和2年4月に出版した。その結果として特殊ミルク事務局から供給される特殊ミルクは、本ガイドブックの適応を満たすものとされている。患者会との連携および患者登録制度、新生児マススクリーニング、診療と患者支援、成人期の診療については、これらの疾患を統合して対応する分担研究を並行して行った。これらの成果について、研究班のホームページ( http://plaza.umin.ac.jp/~N-HanIMD )を作成し、研究班の目的や班の構成、課題や成果を公表し、承認されたガイドラインを掲載している。これらの結果として、先天代謝異常症患者の生涯にわたる診療が可能となり、疾患登録と患者会支援が進み、新生児スクリーニングや特殊ミルクなどの課題の解決が進むと考えられる。
結論
研究で取り上げる疾患の多くは全国の自治体で新規に推進されている新生児マススクリーニングの対象疾患になっている。本年度の研究では、対象となる21疾病のガイドラインは、予定どおり改訂作業が進み、日本先天代謝異常学会の査読へと進めた。移行期医療と成人期の診療体制の整備については、移行期に関わる調査の準備、書籍作成の準備などをおこなった。患者登録制度、患者会支援においては、先天代謝異常症患者登録制度(JaSMIn)において、新たに100名の患者登録を達成した。患者会の支援として、令和3年1月30日にはWebにて合同患者会「第7回先天代謝異常症患者会フォーラム」を開催した。新生児代謝スクリーニングに関しては、これらの疾患を統合して対応する分担研究を並行して行った。さらに「特殊ミルク治療ガイドブック」が出版されたことで、本ガイドブックの適応を満たす特殊ミルクが供給されることとなり、安定供給にむけての治療の標準化が進むと考えられ、さらに先天代謝異常症の診療の均てん化を図ることが可能となった。

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
-
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202011057Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
22,880,000円
(2)補助金確定額
22,880,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 9,137,952円
人件費・謝金 3,495,279円
旅費 97,761円
その他 4,869,302円
間接経費 5,280,000円
合計 22,880,294円

備考

備考
自己資金294円