アミロイドーシスに関する調査研究

文献情報

文献番号
202011054A
報告書区分
総括
研究課題名
アミロイドーシスに関する調査研究
課題番号
20FC1022
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
内木 宏延(福井大学 学術研究院医学系部門)
研究分担者(所属機関)
  • 安東 由喜雄(長崎国際大学 薬学部 アミロイドーシス病態解析学分野)
  • 山田 正仁(金沢大学 医薬保健研究域医学系 脳老化・神経病態学(脳神経内科学))
  • 関島 良樹(信州大学 医学部)
  • 植田 光晴(熊本大学 大学院生命科学研究部)
  • 島崎 千尋(独立行政法人地域医療機能推進機構京都鞍馬口医療センター血液内科)
  • 畑 裕之(熊本大学 大学院生命科学研究部生体情報解析学)
  • 飯田 真介(名古屋市立大学 大学院医学研究科 生体総合医療学講座 血液・腫瘍内科学分野)
  • 小池 春樹(名古屋大学 大学院医学系研究科)
  • 西 慎一( 神戸大学 大学院医学研究科腎臓内科 腎・血液浄化センター)
  • 重松 隆(和歌山県立医科大学 医学部)
  • 星野 純一(虎の門病院 腎センター内科)
  • 山田 俊幸(自治医科大学 医学部)
  • 奥田 恭章(道後温泉病院 リウマチセンター 内科)
  • 小野 賢二郎(昭和大学 医学部)
  • 北岡 裕章(高知大学 教育研究部医療学系臨床医学部 老年病・循環器内科学)
  • 田原 宣広(久留米大学 医学部 内科学講座 心臓・血管内科部門 )
  • 遠藤 仁(慶應義塾大学 医学部)
  • 大橋 健一(横浜市立大学 大学院医学研究科病態病理学)
  • 畠山 金太(国立循環器病研究センター 病理部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
12,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 われわれは令和2~4年度に及ぶ本研究計画で、(1) 病理コンサルテーション体制を中心とするアミロイドーシスの総合的診断体制を運用・発展させること、(2) 上記診断基準に基づき、令和3年度に予定されている次回難病法改正にあわせ臨床調査個人票を改訂すること、(3) 各病型診療ガイドライン・ケアマニュアルと共に、新規重症度分類を作成すること、(4) 関連学会と連携してAMED難病プラットフォームによるレジストリ研究を実施し、データを用いた疫学研究等を実施すること、(5) 非専門医向けセミナーや患者向けの公開講座等、アミロイドーシスの啓発活動を随時実施することの5項目を目指す。
研究方法
【項目番号は研究の目的に対応】
(1)~(4) の各項目は、第1回研究班会議(2020年9月18日、ウェブ開催)、第2回研究班会議(2021年3月19日、ウェブ開催)、および各WGで随時開催するウェブ会議で議論・決定した。(5) は研究分担者の安東、植田を中心に実施した。
(1) に関し、個人情報保護には細心の注意を払った。また、オプトアウトにより対象患者に研究不参加の機会を与えた(福井大学医学系研究倫理審査委員会 平成29年12月15日承認)。(4)に関し、京都大学医の倫理審査委員会に中央倫理審査を申請した(2019年11月21日第3.0版承認)。
結果と考察
【項目番号は研究の目的に対応】
(1) 全国7施設(福井、東京医科歯科、慶應、信州、国立循環器病センター、山口、熊本)でカスタム抗体を共有し、コンサルテーション体制を運用した。昨年度集計後の1年間で1292件のコンサルテーションを受け付け、1054件の病型を確定した。月平均コンサルテーション件数も、昨年度集計時と比べ1.9倍に増加した。われわれの体制は、全国の新規患者を網羅した悉皆性の高いコンサルテーション体制であると判断できる。来年度、新たに日本医科大学、京都府立医科大学を担当施設に加え、体制の安定化と次世代育成に努める。
(2) 昨年度、全身性アミロイドーシス改定診断基準を作成し、日本腎臓学会、日本アミロイドーシス学会、日本神経学会、日本血液学会、日本循環器学会の承認を得た。これを基に12月9日、『通知の変更に関する調査票』を提出した。来年度、指定難病検討委員会での承認を基に、『概要、診断基準等』及び『臨床調査個人票』を改訂する。
(3) 7月31日、日本腎臓学会の承認を得て『腎アミロイドーシスガイドライン2020』を公表した。また、日本循環器学会が中心となり、われわれ研究班も参加して、『JCS 2020 Guideline on Diagnosis and Treatment of Cardiac Amyloidosis』を8月21日に出版した。
(4) 4月1日より『オールジャパンで行う全身性アミロイドーシスコホート研究』を開始した。登録開始以来、ALアミロイドーシス13症例、ATTRvアミロイドーシス45症例、ATTRwtアミロイドーシス286症例、計344症例の登録を終えた。本研究の一部として、トランスサイレチン型心アミロイドーシスに対するビンダケル処方患者のコホート研究を日本循環器学会と共に実施しており、8月現在、日本循環器学会認定79施設が参加した。来年度、日本血液学会の協力を得、悉皆性の高い全身性ALアミロイドーシス患者コホート研究を立ち上げる予定である。
(5) 熊本大学神経内科(植田光晴教授)が中心となり、熊本にて「道しるべの会」(FAP家族性アミロイドポリニューロパチー患者・家族会)総会・講演会(8月2日、患者、家族19名を含む総数39名参加)をウェブ開催した。
結論
 全国7施設でカスタム抗体を共有し、コンサルテーション体制を運用した。昨年度作成した全身性アミロイドーシス改定診断基準を基に『通知の変更に関する調査票』を提出した。日本腎臓学会の承認を得て『腎アミロイドーシスガイドライン2020』を公表した。また、日本循環器学会が中心となり、われわれ研究班も参加して、『JCS 2020 Guideline on Diagnosis and Treatment of Cardiac Amyloidosis』を出版した。『オールジャパンで行う全身性アミロイドーシスコホート研究』を開始した。本研究の一部として、トランスサイレチン型心アミロイドーシスに対するビンダケル処方患者のコホート研究を日本循環器学会と共に実施した。熊本大学神経内科が中心となり、熊本にて「道しるべの会」(FAP家族性アミロイドポリニューロパチー患者・家族会)総会・講演会をウェブ開催した。

公開日・更新日

公開日
2021-07-01
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2021-07-01
更新日
2021-08-03

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202011054Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
15,990,000円
(2)補助金確定額
15,990,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 6,016,858円
人件費・謝金 4,352,714円
旅費 165,260円
その他 1,768,370円
間接経費 3,690,000円
合計 15,993,202円

備考

備考
支出額の合計に、自己資金3,201円、その他利息1円を含むため。

公開日・更新日

公開日
2021-12-03
更新日
-