副腎ホルモン産生異常に関する調査研究

文献情報

文献番号
202011052A
報告書区分
総括
研究課題名
副腎ホルモン産生異常に関する調査研究
課題番号
20FC1020
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
長谷川 奉延(慶應義塾大学 医学部 小児科学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 田邉 真紀人(福岡大学 医学部 内分泌・糖尿病内科)
  • 成瀬 光栄((独)国立病院機構京都医療センター 臨床研究センター 臨床研究企画運営部)
  • 笹野 公伸(東北大学大学院医学系研究科)
  • 柴田 洋孝(大分大学医学部)
  • 山田 正信(群馬大学医学部附属病院)
  • 曽根 正勝(京都大学大学院医学研究科)
  • 武田 仁勇(浅ノ川総合病院 糖尿病内分泌センター)
  • 西山 充(高知大学 保健管理センター)
  • 佐藤 文俊(東北大学病院)
  • 田島 敏広(自治医科大学医学部小児科)
  • 棚橋 祐典(旭川医科大学 医学部)
  • 石井 智弘(慶応義塾大学 医学部)
  • 上芝 元(東邦大学医学部)
  • 方波見 卓行(聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 代謝・内分泌内科)
  • 大月 道夫(大阪大学大学院医学系研究科 内分泌・代謝内科)
  • 栗原 勲(慶應義塾大学 医学部)
  • 高橋 克敏(公立昭和病院 代謝内科)
  • 田辺 晶代(東京女子医科大学第二内科)
  • 西本 紘嗣郎(埼玉医科大学国際医療センター泌尿器腫瘍科)
  • 齋藤 淳(横浜労災病院 内分泌内科)
  • 前田 恵理(秋田大学大学院医学系研究科衛生学・公衆衛生学講座)
  • 向井 徳男(旭川赤十字病院 小児科)
  • 鹿島田 健一(東京医科歯科大学 大学院 医歯学総合研究科 発生発達病態学)
  • 勝又 規行(国立成育医療研究センター研究所 分子内分泌研究部)
  • 宗 友厚(川崎医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
12,150,000円
研究者交替、所属機関変更
なし。

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、副腎ホルモン産生異常の全国レベルでの診療体制の構築と患者QOLの向上である。具体的には、全国実態調査の実施と解析、診断基準・診療ガイドライン作成・改訂と学会承認あるいは検証、移行期医療の支援、レジストリの継続と活用、文献収集を含めた新規のエビデンス創出、ハイドロコルチゾン製剤の在宅自己注射の保険収載、17-OHP新規測定キットの保険適応、遺伝子診断システムの継続運用、国民・患者・一般医師に対する副腎ホルモン産生異常の普及と啓発、等を行う。
研究方法
21水酸化酵素欠損症に関する予後調査を解析し、移行期医療支援ガイドを作成する。P450オキシドレダクターゼ欠損症に関する移行期医療支援ガイド(案)を作成する。先天性リポイド副腎過形成症に関する診療ガイドライン作成を目指してクリニカルクエスチョンを設定し、移行期医療支援ガイドを作成する。先天性副腎酵素欠損症の診断基準の改訂、あるいは論文の収集を行う。先天性副腎低形成症の診断基準改定に必要な論文を収集する。カーニー複合の診断基準を改定し、患者レジストリの基盤整備を行う。ACTH不応症ならびにアジソン病に関する論文を収集する。原発性アルドステロン症(PA)に関し、日本内分泌学会と連携し診療ガイドラインを作成する。遺伝子異常によるPAに関して実態調査を開始する。潜在性副腎性Cushing症候群(SCS)に関するレジストリデータベースを用いてエビデンスを創出する。褐色細胞腫・パラガングリオーマに関して、診療ガイドライン改訂の準備、およびレジストリデータベースを用いた診断基準の検証を開始する。副腎偶発腫に関し、長期予後調査の継続的解析、診療ガイドライ(案)作成の準備を開始する。両側副腎皮質大結節性過形成の診断基準(案)を作成・修正し、レジストリを開始する。副腎クリーゼに対するヒドロコルチゾン自己注射を保険収載する。17-OHP新規測定キットを保険適応とする。遺伝子診断システムを継続運用する。さらに、国民・患者・一般医師を対象とした普及と啓発を行う。本研究は慶應義塾大学医学部倫理委員会および/または各研究分担者施設の倫理委員会の承認のもとに行った。
結果と考察
21水酸化酵素欠損症に関する二次調査の結果を解析した。403例の調査時の年齢は24.1±11.7歳で、現在の診療科は小児科66%、内科29%であった。25歳以上の症例のうち39%は小児科通院を継続中であった。21水酸化酵素欠損症における移行期医療支援ガイドを作成、公表した。P450オキシドレダクターゼ欠損症に関する移行期医療支援ガイド(案)を作成した。先天性リポイド副腎過形成症の診療ガイドライン作成を目指してクリニカルクエスチョンを設定した。さらに、先天性リポイド副腎過形成症成人期の診療が円滑に行われるように移行期医療支援ガイドを作成した。先天性リポイド副腎過形成症、21水酸化酵素欠損症、P450オキシドレダクターゼ欠損症の診断基準を改訂し、学会承認を得た。3βヒドロキシステロイド脱水素酵素欠損症、11β水酸化酵素欠損症、17α水酸化酵素欠損症の診断基準を改訂した。アルドステロン合成欠損症の診断基準の改訂のため文献を収集した。先天性副腎低形成症の診断基準の改訂に必要な新規責任遺伝子に関する論文を収集した。カーニー複合の最近の論文を確認したうえで診断基準を改定し、日本小児内分泌学会の承認を得た。また、患者レジストリをすすめるための基盤整備として、AMED研究班の中央倫理審査が承認を獲得した。ACTH不応症に関して、国内外の診断・治療方法の開発状況および国内の治療成績の改善状況を把握するために文献を収集した。アジソン病の全国規模の疫学調査を行うために必要な論文を収集した。「PA症診療ガイドライン2021」(日本内分泌学会)がほぼ完成した。遺伝子異常によるPAの遺伝学的検査方法の一部を確立した。SCSのレジストリデータベースを用い、心血管疾患リスク因子を保有し、コルチゾール産生能が比較的高い例は早期手術すべきであることを明らかとした。「褐色細胞腫・パラガングリオーマの診療ガイドライン2018」の改訂、重症度策定、英文化の準備作業、および診断基準の検証に向けた作業を行った。副腎偶発腫は日本内分泌学会の臨床重要課題に採択された。両側副腎皮質大結節性過形成の診断基準(案)を作成・修正し、またレジストリを開始した。副腎クリーゼに対するヒドロコルチゾン自己注射が保険収載された。体外診断医薬品として17-OHP新規測定キットが承認・保険適応となった。単一遺伝子病による副腎ホルモン産生異常症の遺伝子診断システムを継続運用した。市民公開講座を行った。以上の様に副腎ホルモン産生異常症に関し、多くの治験を得た。
結論
副腎ホルモン産生異常症に関し、多くの治験が得られた。

公開日・更新日

公開日
2021-07-01
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2022-03-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202011052Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
15,795,000円
(2)補助金確定額
15,795,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 7,935,866円
人件費・謝金 0円
旅費 29,760円
その他 4,237,961円
間接経費 3,645,000円
合計 15,848,587円

備考

備考
自己資金53,585円、利息2円です。

公開日・更新日

公開日
2021-07-01
更新日
2021-12-23