保育サービスの質に関する調査研究

文献情報

文献番号
200801002A
報告書区分
総括
研究課題名
保育サービスの質に関する調査研究
課題番号
H18-政策・一般-006
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
大嶋 恭二(共立女子大学 家政学部児童学科)
研究分担者(所属機関)
  • 石井 哲夫(社会福祉法人 嬉泉)
  • 大場 幸夫(大妻女子大学)
  • 小沼 肇(靜岡英和学院大学)
  • 柴崎 正行(大妻女子大学)
  • 高野 陽(東洋英和女学院大学)
  • 西村 重稀(仁愛女子短期大学)
  • 増田 まゆみ(目白大学)
  • 金子 恵美(日本社会事業大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
2,906,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近年の児童を取り巻く環境の変化を背景に、保育士には子どもの保育、養護とともに、保護者への支援、地域の子育て家庭への支援など高い専門性が要請されている。本研究は保育士の質及び専門性の向上を図る観点から、その養成のあり方について、平成18年度~20年度の3年間にわたり、幅広く研究することとした。
研究方法
平成20年度は、平成18,19年度の研究結果を踏まえて、児童福祉施設の利用者(保護者、当事者等)に対するヒアリング調査等の補足的調査を行うとともに、研究の全体的なまとめを行うこととした。具体的には、現行の2年間養成を基盤とする単一資格という保育士の性格の検討、養成年限・養成課程(カリキュラム)案の作成、保育士試験による資格取得のありかたについての検討などを行い、社会・時代の要請する保育士及びその養成のあり方についての提言を行うことにした。
結果と考察
保育士資格は、年齢別・領域別に分けるよりも総合的な資格とする、保育士資格を現行の2年間養成を基盤とする単一資格とするよりも、幼稚園教諭免許のように二種(短期大学等)・一種(大学等)・専修(大学院)のように資格の段階化を図る、あるいは2年制養成を基礎資格としながら、4年制養成資格の創設とそのことに伴うステップアップの仕組みを創設する。さらには、大学院教育においてより専門性の高い保育士の養成を志向する。また、保育士としての専門性の一定水準の確保のために、養成校卒業に加えて国家試験を課すことや教員免許のように更新制など何らかの仕組みを作る必要性や、現場での実地体験(実習、ボランティアなど)や実務経験を課すなどの条件の下に現行の保育士試験の制度を継続する等々、について積極的に評価している児童福祉施設現場及び養成校、現場の有識者、学識経験者、養成校教員の意向、考え方の一端を知ることができた。
結論
 平成20年度の研究からは、 ①修業年限やカリキュラムなど保育士養成課程について、②保育士養成施設修了時に国家試験を課すなど、保育士の質を担保するための仕組みについて、③保育士試験のあり方について等の検討を行うなど、保育士資格のあり方、及び保育士養成について、前述(研究成果及び考察)のように、今後の検討のための一定の方向性が得られている。

公開日・更新日

公開日
2009-05-19
更新日
-

文献情報

文献番号
200801002B
報告書区分
総合
研究課題名
保育サービスの質に関する調査研究
課題番号
H18-政策・一般-006
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
大嶋 恭二(共立女子大学 家政学部児童学科)
研究分担者(所属機関)
  • 石井 哲夫(社会福祉法人 嬉泉)
  • 大場 幸夫(大妻女子大学)
  • 小沼 肇(靜岡英和学院大学)
  • 柴崎 正行(大妻女子大学)
  • 高野 陽(東洋英和女学院大学)
  • 西村 重稀(仁愛女子短期大学)
  • 増田 まゆみ(目白大学)
  • 金子 恵美(日本社会事業大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、保育士の質及び専門性の向上を図る観点から、保育士資格及びその養成のあり方および、社会の今日的要請に応えるための保育所保育指針のあり方について検証することを目的とした。
研究方法
「保育士養成に関する研究」は、平成18、19年度にかけて、児童福祉施設現場、保育士養成校に対するアンケート調査行うとともに、児童福祉施設関係有識者、学識経験者、養成校教員等に対するヒアリング調査を行い、平成20年度は、研究の全体的なまとめを行った。また、「保育所保育指針に関する研究」は、保育に関連の深い有識者や保育実践者、並びに主任保育士等に対してアンケート並びにヒアリング調査を実施した。
結果と考察
「保育士養成に関する研究」では、保育士資格は、年齢別・領域別に分けるよりも総合的な資格とする。保育士資格を現行の2年間養成を基盤とする単一資格とするよりも、幼稚園教諭免許のように二種(短期大学等)・一種(大学等)・専修(大学院)のように資格の段階化を図る。また、2年制養成を基礎資格としながら、4年制養成資格の創設とそのことに伴うステップアップの仕組みを創設する。さらには、大学院においてより専門性の高い保育士の養成を志向する。加えて、保育士としての専門性の一定水準の確保のために、養成校卒業に加えて国家試験を課すことや、教員免許のように更新制など何らかの仕組みを作る必要性や、現場での実地体験(実習、ボランティアなど)や実務経験を課すなどの条件の下に現行の保育士試験を継続する等々、について積極的に評価している児童福祉施設現場及び養成校関係者、学識経験者等の意向、考え方等について知ることができた。
結論
 3年間の研究から ①修業年限やカリキュラムなど保育士養成について、②保育士養成施設修了時に国家試験を課すなど、保育士の質を担保するための仕組みについて、③保育士試験のあり方について等の検討を行うなど、保育士資格のあり方、及び保育士養成について、前述(研究成果及び考察)のように、今後の検討のための基礎的資料が得られた。 また、「保育所保育指針について」は、平成18年度で終了しているが、保育現場において保育所保育指針が保育実践の基本として目標等の拠り所として活用されているが、発達過程の示し方・内容等が適正であるかの再検討を行うことの必要性が確認できた。

公開日・更新日

公開日
2009-05-19
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200801002C

成果

専門的・学術的観点からの成果
 平成18年度の児童福祉施設、19年度の保育士養成校を対象とするアンケート調査および、児童福祉施設関係の有識者、学識経験者、養成校教員等に対するヒアリング調査をとおして、今日の保育士に求められる高い専門性があらためて浮き彫りにされた。すなわち、保育士資格は2年制養成を基盤として、4年制資格を新たに創設する、また、保育士としての専門性の一定水準の確保のために、養成校卒業に加えて国家試験を課すなど何らかの仕組みを作るなどである。
臨床的観点からの成果
 主として平成18年度の児童福祉施設現場への調査から、虐待や保護者の子育て支援等今日の保育士に求められる専門性を反映して、養成課程における発達心理学、障害児保育、家族援助論、社会福祉援助技術等の科目の充実の必要性が指摘された。このことは、とりもなおさず、今日の複雑・多様な課題を抱えた対象者援助という児童福祉施設現場の実態を表しているものと言える。
ガイドライン等の開発
 特に、「保育所保育指針に関する研究」では、平成12年度施行の保育所保育指針に対する評価は高く、保育現場において参考にされていることが確認できた。指針をより使いやすいものへ改訂することへの関心は高く、より的確な指針を必要としている現場の実態が伺えた。本研究は、保育所保育指針改定のための厚生労働省における検討委員会が、平成18年10月に立ち上がり、平成18年12月の検討委員会において本研究結果を報告した。
その他行政的観点からの成果
「保育士の養成に関する研究」では、平成18,19年度の児童福祉施設現場と養成校に対するアンケート調査の結果の一部(「保育士養成においてさらに充実が必要だと思われる科目」、「保育士の養成年限」、「4年制養成課程へのステップアップ」など)が、第15回社会保障審議会少子化対策特別部会(平成20年10月22日)における「保育所保育士の養成、研修等の現状」の資料として配布された。
その他のインパクト
社団法人全国保育士養成協議会現代保育研究所平成20年度第3回研修会のシンポジウムにおいて、3年間に及ぶ調査研究の結果を中心に、今後の保育士養成のあり方についての報告(報告者:主任研究者大嶋恭二)を行った。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
2件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2014-05-21
更新日
-