性分化・性成熟異常を伴う内分泌症候群(プラダーウイリ症候群・ヌーナン症候群を含む)の診療水準向上を目指す調査研究

文献情報

文献番号
202011043A
報告書区分
総括
研究課題名
性分化・性成熟異常を伴う内分泌症候群(プラダーウイリ症候群・ヌーナン症候群を含む)の診療水準向上を目指す調査研究
課題番号
20FC1011
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
緒方 勤(国立大学法人浜松医科大学 小児科)
研究分担者(所属機関)
  • 川井 正信(大阪母子医療センター 研究所 )
  • 村上 信行(獨協医科大学医学部)
  • 井原 裕(獨協医科大学医学部)
  • 青木 洋子(東北大学 大学院医学系研究科 )
  • 鹿島田 健一(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
  • 石井 智弘(慶応義塾大学 医学部小児科学)
  • 室谷 浩二(地方独立行政法人神奈川県立病院機構 神奈川県立こども医療センター 内分泌代謝科)
  • 堀川 玲子(国立研究開発法人 国立成育医療研究センター 内分泌代謝科)
  • 高橋 裕(奈良県立医科大学 糖尿病内分泌内科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和4(2022)年度
研究費
6,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、性分化・性成熟異常を伴う内分泌症候群であるプラダーウイリ症候群 (PWS)(指定難病193)、ヌーナン症候群 (NS) (指定難病195)、ターナー症候群 (TS)、 マッキューンオルブライト症候群 (MAS)、バルデビードル症候群 (BBS)、多嚢胞性卵巣症候群 (PCOS) の医療水準向上である(全て小児慢性特定疾病)。このために、各疾患においてClinical Question (CQ)を設定し、文献検索や本邦の実態把握をもとに推奨レベルを提唱する。最終的には全症候群のガイドライン作成を目指す。
研究方法
「プラダー・ウィリ症候群の診療ガイドライン」に必要なクリニカルクエスチョンの設定、システマティックレビューの実施、推奨レベルの検討は、項目を分担して行った。トランジションは、文献検索と、日本内分泌学会移行期委員会委員長ならびに日本小児内分泌学会移行期委員として学会承認の指針作成を行った。難病プラットフォームとの連携:難病プラットフォーム事務局ならびに患者会と話し合いを行った。
(倫理面への配慮)
本研究の遂行にあたっては、ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針を遵守して行い、検体は、書面によるインフォームド・コンセントを取得後に収集した。なお、下記の研究課題が、浜松医科大学倫理委員会で承認されていることを付記する。「プラダー・ウィリ症候群における診療ガイドラインの作成(浜松医科大学18-119、2018年8月30日承認)」
結果と考察
(1) プラダーウイリ症候群の診療ガイドライン(案)の作成。これは本研究班に先行して行われた「プラダー・ウィリ症候群における診療ガイドラインの作成」において実施された56のCQとそれに対する検討結果を基に、さらなる検討を加えてまとめたものである。現在、最終的なチェックを進めており、遺伝子診断などで、新規知見を加える予定である。
(2) プラダーウイリ症候群における側弯症の重症度分類(案):患者会ら要望の強い側弯症の指定難病基準指定を目指して作成した。重症基準として、側湾(前・後湾も含む)cobb角50度以上で年間5度以上の悪化を認めるもの、側湾(前・後湾も含む)によりmodified Rankin Scaleで4以上のものとした。
(3) プラダーウイリ症候群移行期医療ガイド:この内容が、日本内分泌学会、日本小児内分泌学会の委員会メンバーと連携して作成し、この承認を両学会から受け、日本小児内分泌学会ホームページに公開された。
(4) プラダーウイリ症候群難病プラットフォームの登録内容決定と契約締結:同本研究班に先行して行われた「プラダー・ウィリ症候群における診療ガイドラインの作成」研究班において、難病プラットフォーム事務局と話し合いを進めてきたが、前研究班では経費がまかなえず実施しえなかった。本研究班では、経費を計上し、契約にこぎつけ、また、登録内容を決定した。
(5) ターナー症候群診療ガイドライン作成:「プラダー・ウィリ症候群における診療ガイドラインの作成」研究班に引き続き4つのCQを設定し、それにたいする推奨・解説をまとめた。
(6) マッキューンオルブライト症候群診療ガイドライン作成:「プラダー・ウィリ症候群における診療ガイドラインの作成」研究班で50以上のCQを設定しており、それにたいする推奨・解説を再検討を加えながらまとめた。
(7) マッキューンオルブライト症候群指定難病申請:この書類(案)を作成し、学会承認を受けて提出した。現在までに2回提出し、今回が3回目である。指摘された点を十分に検討して作成した。重症度は、日本版modified Rankin Scale (mRS)に基づいて設定した。
(8) バルデビードル症候群:「プラダー・ウィリ症候群における診療ガイドラインの作成」研究班で16のCQを設定しており、それにたいする推奨・解説を再検討を加えながらまとめた。
(9) 多嚢胞性卵巣症候群:国際ガイドライン作成に参画し、それを発表した。また、日本人女性では男性化にとぼしいことを勘案し、本邦女性用のものを検討中である。
(10) ヌーナン症候群:ヌーナン症候群では、van der Burgtの診断基準が従前から国際的に用いられているが、現在の治験を基にその修正版を作成した。特に遺伝学的研究の進歩を反映させた。また、診断・診療ガイドライン作成のためのCQの設定、保険収載遺伝子には包含されていない新規原因遺伝子の病原性考察を併せて行った。
結論
上記のデータをもとに、プラダーウイリ症候群の診療ガイドラインを作成に用いる。また、患者会との連携をもとに、難病プラットフォーム登録を開始する。さらに、今回、対象とする疾患の診療ガイドラインの作成に繋がると期待される。

公開日・更新日

公開日
2021-05-27
更新日
-

研究報告書(PDF)

総括研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2021-05-27
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202011043Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
8,450,000円
(2)補助金確定額
8,450,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,136,172円
人件費・謝金 1,351,921円
旅費 30,000円
その他 3,024,337円
間接経費 1,950,000円
合計 8,492,430円

備考

備考
自己資金 42430円

公開日・更新日

公開日
2021-12-06
更新日
2021-12-10