慢性活動性EBV感染症と類縁疾患の疾患レジストリ情報に基づいた診療ガイドライン改定

文献情報

文献番号
202011036A
報告書区分
総括
研究課題名
慢性活動性EBV感染症と類縁疾患の疾患レジストリ情報に基づいた診療ガイドライン改定
課題番号
20FC1004
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
木村 宏(名古屋大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 伊藤 嘉規(名古屋大学医学部附属病院)
  • 今留 謙一(国立研究開発法人 国立成育医療研究センター研究所 高度先進医療研究室)
  • 小林 徹(国立成育医療研究センター データサイエンス部門)
  • 新井 文子(聖マリアンナ医科大学医学部)
  • 和田 泰三(金沢大学医薬保健研究域医学系小児科学)
  • 大賀 正一(九州大学大学院医学研究院成長発達医学分野)
  • 大島 孝一(久留米大学 医学部)
  • 笹原 洋二(東北大学大学院医学系研究科 発生・発達医学講座 小児病態学分野)
  • 澤田 明久(大阪府立母子保健総合医療センター 血液・腫瘍科)
  • 平井 陽至(岡山大学病院 皮膚科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
2,310,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
慢性活動性EBウイルス感染症、EBウイルス関連血球貪食性リンパ組織球症、種痘様水疱症、蚊刺過敏症は、我が国の小児・若年成人に特有な希少難治性疾患である。本研究班では4疾患に対する診療体制・疾患レジストリを用い、診療実態の把握・治療成績・長期予後に関する疫学調査を行う。これらの調査に基づき、重症度分類に基づいた治療の層別化をはかり、2016年に作成した診療ガイドラインの改訂をめざす。
研究方法
1) 中央診断・診療体制の維持
疾患診断の基本的技術である感染細胞同定、組織中EBVゲノム検出は、高度な技術を要するため実施できる施設が限られる。これらの検査法のうち、感染細胞同定を成育医療研究センター(今留謙一)、病理組織診断を久留米大学(大島孝一)が担当し中央診断を担う。さらに、全国8つの臨床拠点施設で、本疾患群の専門治療にあたる。
2) 疾患レジストリからの情報集積
2018年度に成育医療研究センターにて構築した疾患レジストリを活用し、症例の集積を図る。レジストリで集積した各疾患について、診療実態・治療成績・予後に関する横断的疫学調査を行う。
横断的疫学調査により得られた情報をもとに、4疾患に対する重症度分類の改訂ならびに病型/重症度に応じた治療指針を作成する。
3) 診療ガイドラインの改訂 
本診療ガイドラインの改訂を2020年度に着手し、2022年度には書籍出版・WEBでの無料公開をめざす。なお、診療ガイドライン改定にあたっては、第一版時と同様に、患者の会の代表者にも参加していただく。さらには、毎年、患者の会との合同会議/講演会を開催し、患者のニーズ・視点を本研究班の活動に反映するよう努める。
結果と考察
2か年計画の第1年目にあたる本年度は、前研究班で構築した成育医療研究センターに事務局を置く登録システム/疾患レジストリの運用を継続し、慢性活動性EBV感染症を14例、EBウイルス関連血球貪食性リンパ組織球症患者を16例、種痘様水疱症患者を2例、蚊刺過敏症患者を1例、計36例を新たに登録した。また、前研究班で構築した感染細胞同定、病理診断の中央診断体制を維持し、2016年に制定した診療ガイドラインの周知活動や、関連するAMED研究班との連携活動も行った。オンライン開催した班会議において、各分担研究者がそれぞれの施設における疫学調査結果を発表した。これらの結果に基づいて、診断基準の改定および重症度分類策定について討議をし、診療ガイドライン改定方針を決定した。さらに、ガイドライン統括委員会を開催し、ガイドライン作成組織およびスケジュールについて定めた。
結論
慢性活動性EBウイルス感染症と類縁疾患に対して中央診断/診療体制を維持し、各研究拠点を中心に疫学研究を行った。得られた調査結果は、本疾患群の診療実態・治療成績・長期予後を把握や、重症度分類に基づいた層別化治療法の確立および診療ガイドライン改定に役立つ。また、本研究班は2022年度内の改定ガイドライン出版・WEBでの公開をめざしている。ガイドラインの改訂により、本疾患群に対する診療成績が向上し、患者の予後・生活の質改善につながると考えている。

公開日・更新日

公開日
2021-07-01
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202011036Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
3,000,000円
(2)補助金確定額
3,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,144,940円
人件費・謝金 0円
旅費 0円
その他 165,060円
間接経費 690,000円
合計 3,000,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2021-07-01
更新日
2021-12-23