痙攣性発声障害疾患レジストリを利用した診断基準及び重症度分類の妥当性評価と改訂に関する研究

文献情報

文献番号
202011030A
報告書区分
総括
研究課題名
痙攣性発声障害疾患レジストリを利用した診断基準及び重症度分類の妥当性評価と改訂に関する研究
課題番号
20FC1001
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
讃岐 徹治(公立大学法人名古屋市立大学 大学院医学研究科 耳鼻咽喉・頭頸部外科)
研究分担者(所属機関)
  • 兵頭 政光(高知大学 教育研究部医療学系臨床医学部門)
  • 大森 孝一(京都大学 大学院医学研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学)
  • 香取 幸夫(東北大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野)
  • 折舘 伸彦(横浜市立大学 大学院医学研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科)
  • 西澤 典子(北海道医療大学心理科学部言語聴覚療法学科)
  • 城本 修(県立広島大学 保健福祉学部 コミュニケーション障害学科)
  • 原 浩貴(川崎医科大学 耳鼻咽喉・頭頸部外科学)
  • 楯谷 一郎(藤田医科大学 医学部 耳鼻咽喉科・頭頸部外科)
  • 二藤 隆春(埼玉医科大学 総合医療センター)
  • 上野 悟(東京都健康長寿医療センター 認知症未来社会創造センター)
  • 溝口 兼司(国立大学法人 北海道大学病院 耳鼻咽喉科)
  • 柳田 早織(北海道医療大学 リハビリテーション科学部)
  • 大佐賀 智(名古屋市立大学病院 臨床研究開発支援センター)
  • 中川 聡史(公益財団法人神戸医療産業都市推進機構 医療イノベーション推進センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和2(2020)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
2,270,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
痙攣性発声障害は,声を出すために重要な内喉頭筋(声帯の筋肉)の不随意収縮により発話中に音声の異常をきたす原因不明で根本治療のない稀少難治性疾患である.内転型,外転型および混合型に分類され,内転型が多数を占める.いずれの型においても仕事や日常生活において会話が円滑に行えず,社会生活で大きな支障をきたす(Ludlow CL, et al. Otolaryngol Head Neck Surg 2008; 139:495-505).希少難治性疾患である痙攣性発声障害は指定難病の指定にいたっておらず患者は医療費や生活に多くの負担を強いられている(http://sdcp.bumi2.com/).指定難病に至っていない要因の一つに診断基準および重症度分類の妥当性評価が行われていないことが挙げられており,早急にこの問題の解決が必要である.
本研究はこれまで申請者が中心になって確立した痙攣性発声障害疾患レジストリを活用して,痙攣性発声障害診断基準および重症度分類の妥当性評価を行い,世界をリードする診断基準・重症度分類へ改訂作業を行うことを目的とする.
研究方法
1)疾患レジストリデータ活用のための研究デザイン・解析方法の検討. 2)疾患レジストリを用いた診断の感度・特異度の評価. 3)疾患レジストリを用いた重症度分類の臨床的意義の評価. 4)診断基準及び重症度分類の改訂を柱とする.
結果と考察
1)疾患レジストリデータ活用のための研究デザイン・解析方法の検討
平成30-令和元年度「痙攣性発声障害疾患レジストリ開発と運用に関する研究」(難治性疾患政策研究事業)で作成した疾患レジストリ用の研究計画書を本研究に利用可能な研究デザインへ変更した.より多く患者データを集めるため日本耳鼻咽喉科学会臨床研修施設およびA型ボツリヌス毒素の甲状披裂筋/後輪状披裂筋内局所注入療法とチタンブリッジによる甲状軟骨形成術2型の実施可能施設(ハイボリュームセンター)へレジストリ研究参加を呼びかけた結果,全国135医療施設が研究参加することになった.令和2年12月に京都大学中央倫理委員会へ研究の変更審査を申込み,令和3年2月15日に承認された.計画変更に伴いEDCシステム改修を行い,令和3年3月末には完了した.

2)疾患レジストリを用いた診断の感度・特異度の評価
疾患レジストリには,既存治療患者,新たに痙攣性発声障害と診断された患者および痙攣性発声障害が疑われる患者が登録されており,登録後1年経過時のフォロー時の診断状況を加味して登録項目の精査することで登録項目ごとの感度と特異度を導き出すことを目的とし,EDCでの収集項目を班会議で決定し,統計解析計画書を作成した.

3)疾患レジストリを用いた重症度分類の臨床的意義の評価
新たに痙攣性発声障害と診断された患者の1年後のフォロー時の治療選択状況・治療後の満足度・治療前後の重症度分類の変化を検討して臨床的意義と問題点を見いだすため,EDCでの収集項目を班会議で決定し,統計解析計画書を作成した.

4)診断基準及び重症度分類の改訂
診断基準及び重症度分類の妥当性評価から,問題点や診断に有効な点を精査して改訂作業を行う予定であり,レジストリ研究のデータ解析を行うことで改定作業に入り,来年度末に改定の見込みをつける予定である.
痙攣性発声障害診断基準および重症度分類の妥当性評価可能なレジストリ基盤が完成した.
結論
今後症例登録データを解析し,診断の感度・特異度の評価および重症度分類の臨床的意義の評価し改訂作業を開始する.

公開日・更新日

公開日
2021-07-01
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2021-05-27
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
202011030Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
2,951,000円
(2)補助金確定額
2,951,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,670,419円
人件費・謝金 0円
旅費 40,994円
その他 559,988円
間接経費 681,000円
合計 2,952,401円

備考

備考
自己資金1,401円

公開日・更新日

公開日
2021-07-01
更新日
2021-12-09