結核・感染症の発生に備えた保健所保健師の平常時体制づくり並びに現任教育プログラムの開発に関する研究

文献情報

文献番号
200738028A
報告書区分
総括
研究課題名
結核・感染症の発生に備えた保健所保健師の平常時体制づくり並びに現任教育プログラムの開発に関する研究
課題番号
H19-健危-一般-006
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
春山 早苗(自治医科大学看護学部)
研究分担者(所属機関)
  • 鈴木 久美子(自治医科大学看護学部)
  • 櫻山 豊夫(東京都福祉保健局健康安全室)
  • 山口 佳子(杏林大学保健学部)
  • 大澤 真奈美(群馬県立県民健康科学大学看護学部)
  • 森 仁実(岐阜県立看護大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域健康危機管理研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
4,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
健康危機管理の観点から感染症対策における平常時の保健師活動のガイドラインを示すこと、並びに、感染症業務に関連した保健所保健師の現任教育プログラムを検討することである。
研究方法
文献検討と討議に基づき調査項目を検討し、保健所保健師と他職種への面接調査により平常時の感染症対策に関わる活動状況、並びに、感染症業務に関わる現任教育の実態を調べた。その結果に基づき、調査項目の構成を1.感染症予防活動2.感染症発生の早期発見のための情報収集活動3.感染症発生に備えた活動とし、調査項目を検討、全国の保健所の感染症担当保健師を対象に郵送による質問紙調査を実施し、感染症対策に関わる保健所、並びに、保健所保健師の役割と課題を検討した。さらに、保健所保健師を対象とする研修の本庁担当職員と、前述した感染症担当保健師への郵送による質問紙調査を実施し、感染症業務に関わる現任教育の課題を検討した。
結果と考察
平常時における感染症対策に関わる保健所、並びに、保健所保健師の役割と課題として●医療監視や施設指導を契機とした感染症予防活動●教育委員会・教育機関の自主的取り組み支援と関係づくり●感染症関連事業以外の保健所・市町村保健福祉事業等に組み入れた啓発活動の展開●相談対応の重視●対人業務の専門性を生かした保健師活動●マニュアルの有効性の定期的な確認と関係者への周知●感染症担当保健師と、食品衛生監視員、感染症担当外保健師等との協働活動のためのシステムづくり●職員の感染予防対策等、が明らかになった。また、感染症業務に関わる研修として●保健所職員としての感染症対策の考え方や基本的な知識の修得●保健所単位で保健師と他職種との合同実施による組織・チームで対応できる実践能力の向上、並びに、感染症発生時の対応体制の充実や連携体制の構築のための方法の修得●保健師の疫学調査等情報収集・分析能力、患者への個別支援にかかわる実践能力の向上、の必要性が明らかになった。
結論
研究結果より、平常時における感染症対策において重要となる保健師活動の視点と活動方法、並びに、感染症対策において保健所保健師に求められる能力と学習ニーズについて示唆が得られた。今後は保健所の先進的な取り組み例等を参考に、感染症対策における平常時の保健所保健師活動のガイドライン、現任教育プログラム(案)を作成する。

公開日・更新日

公開日
2008-04-22
更新日
-