難病領域における検体検査の精度管理体制の整備に資する研究

文献情報

文献番号
202011016A
報告書区分
総括
研究課題名
難病領域における検体検査の精度管理体制の整備に資する研究
課題番号
H30-難治等(難)-一般-018
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
難波 栄二(国立大学法人鳥取大学 研究推進機構)
研究分担者(所属機関)
  • 小原 收(かずさDNA研究所 ゲノム事業推進部)
  • 堤 正好(一般社団法人 日本衛生検査所協会)
  • 宮地 勇人(東海大学医学部)
  • 中山 智祥(日本大学 医学部 病態病理学系臨床検査医学分野)
  • 古庄 知己(国立大学法人信州大学 医学部 遺伝医学教室)
  • 要 匡(国立成育医療研究センター ゲノム医療研究部)
  • 原田 直樹(京都大学 iPS細胞研究所 基盤技術研究部門)
  • 足立 香織(鳥取大学 研究推進機構 研究基盤センター)
  • 佐藤 万仁(国立成育医療研究センター ゲノム医療研究部 臨床応用ゲノム研究室)
  • 奥山 虎之(国立成育医療研究センター 病院 臨床検査部)
  • 後藤 雄一(国立精神・神経医療研究センター 疾病研究第二部)
  • 黒澤 健司(地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター 遺伝科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
19,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班は難病領域の遺伝学的検査に関する品質・精度管理等を検討し、その検査体制の充実を図りゲノム医療の推進に貢献することを目的としており、ゲノム医療実現推進協議会の「中間とりまとめに対する最終報告書」(令和元年8月1日)においての、検体検査を実施する場合の品質・精度管理の課題に関しても本研究班で解決を図る。
研究方法
本年度は新型コロナウイルス感染症対策のため、Webを用いた打合せ・班会議で検討を行った。「指定難病パネル検査」(案)を全ゲノム解析実行計画にも役立てるために、2年目に構想した難病ゲノム医療拠点病院(案)も参考に、かずさDNA研究所、DNAチップ研究所などの協力を得て、保険収載を目指した「指定難病パネル検査」(案)を策定した。また、このパネル検査開発のために指定難病の遺伝子49疾患55遺伝子の特許に関する知財のパイロット調査をポリテクノロジー有限会社に依頼し調査した。2020年11月25日にZOOMを用い、米国マウントサイナイ病院のバーチャル視察を行い、米国の遺伝学的検査体制の情報を収集した。本研究の成果発表ならびに課題の検討のため、2021年2月27日に、ZOOMを用いたWebシンポジウム「難病領域の医療における遺伝学的検査の現状と課題」を開催した。Webシンポジウムの後、2021年3月4日〜3月26日にWebアンケートを実施した。「難病領域の診療における遺伝学的検査の指針」(指針)は分担研究者全員、さらに研究協力者である福嶋義光、涌井敬子も加わって検討し策定した。
結果と考察
最終年度となる本年度は、難病の遺伝学的検査実施の具体的方針を定めた「難病領域の診療における遺伝学的検査の指針」(指針)を策定した。次世代シークエンサーで解析する部分はLDT、解析プログラムはIVD・MDとし開発経費を軽減した「指定難病遺伝子パネル検査」(案)を立案した。また、遺伝子特許の検討では55遺伝子で合計18件の参考/関連情報があり、これらを踏まえることが必要と考えられた。Webシンポジウム「難病医療における遺伝学的検査の現状と課題」を実施し、347名の参加者があった。このシンポジウムでは研究成果を発表するとともに、今後重要となる保険収載の促進、難病遺伝子パネル検査の開発などについてパネルディスカッションを行った。2021年3月に実施したWebアンケート調査では、改正医療法への理解は進んでいるが、研究室ではその精度管理の負担が大きく、パネル検査などの導入による集約化が必要と考えられた。また、指定難病のみならず小児慢性特定疾病の遺伝学的検査の保険収載が強く望まれており、そのためには自家開発検査法(LDT)での遺伝学的検査を保険収載できる仕組みが必要と考えられた。米国マウントサイナイ病院のバーチャル視察では、診療と研究が非常に明確に区別されており、品質・精度が確保されたLDTが普及していることが確認された。今後、国で実施されている全ゲノム解析実行計画などの研究結果においても、本研究班で策定した指針に従った扱いにより診療へ還元することが必要である。今後、本研究で策定した指定難病遺伝子パネル検査が診療に導入され、さらに小児慢性特定疾病なども含めた難病の遺伝学的検査の充実が図られることが期待される。
結論
1)「難病領域の診療における遺伝学的検査の指針」を作成した。国で実施されている全ゲノム解析実行計画においても、研究結果を診療に用いるためには本指針に従うことが必要であり、今後関連学会や難病診療に関係している方々へ周知してゆく。2) 保険収載を目指した「指定難病遺伝子パネル検査」(案)の構想を立案した。本構想は、アンケート調査においても多くの関係者から支持されており、今後の開発が重要である。3) 2021年2月27日のWebシンポジウム「難病領域の医療における遺伝学的検査の現状と課題」を実施し、347名の参加者を集め、本研究班の成果を公表した。4) 2021年3月のWebアンケートからは、改正医療法への理解が促進され、保険収載の遺伝学的検査の体制が充実し、難病診療に役立っていることが明らかになった。現状では、研究室での遺伝学的検査の実施も多いが、今後「指定難病遺伝子パネル検査」が開発され保険収載されることにより、遺伝学的検査が集約化され、研究も効率化することが望まれる。5) 小児慢性特定疾病の遺伝学的検査に対応するためには、検体検査の品質・精度確保を検討し、LDT検査を保険収載できる体制を構築することが望まれる。

公開日・更新日

公開日
2021-05-27
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2021-05-27
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
202011016B
報告書区分
総合
研究課題名
難病領域における検体検査の精度管理体制の整備に資する研究
課題番号
H30-難治等(難)-一般-018
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
難波 栄二(国立大学法人鳥取大学 研究推進機構)
研究分担者(所属機関)
  • 小原 收(かずさDNA研究所 ゲノム事業推進部)
  • 堤 正好(一般社団法人 日本衛生検査所協会)
  • 宮地 勇人(東海大学医学部)
  • 中山 智祥(日本大学 医学部 病態病理学系臨床検査医学分野)
  • 古庄 知己(国立大学法人信州大学 医学部 遺伝医学教室)
  • 要 匡(国立成育医療研究センター ゲノム医療研究部)
  • 原田 直樹(京都大学 iPS細胞研究所 基盤技術研究部門)
  • 足立 香織(鳥取大学 研究推進機構 研究基盤センター)
  • 佐藤 万仁(国立成育医療研究センター ゲノム医療研究部 臨床応用ゲノム研究室)
  • 奥山 虎之(国立成育医療研究センター 病院 臨床検査部)
  • 後藤 雄一(国立精神・神経医療研究センター 疾病研究第二部)
  • 黒澤 健司(地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター 遺伝科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班は難病領域の遺伝学的検査に関する品質・精度管理等を検討し、その検査体制の充実を図りゲノム医療の推進に貢献することを目的としており、ゲノム医療実現推進協議会の「中間とりまとめに対する最終報告書」(令和元年8月1日)においての、検体検査を実施する場合の品質・精度管理の課題に関しても本研究班で解決を図る。
研究方法
初年度は、ホームページを開設し、問い合わせ窓口を設け、難病班からの7件の問い合わせに対応した。シンポジウム(参加者101名)を開催し、検体検査の精度管理、遺伝学的検査の提供体制の情報提供を行った。2年目は、難病班等へのWebアンケートを実施し、登録衛生検査所、医療機関、研究などにおける「検査」の状況を調査した。「検査」の品質・精度確保に関して、外部精度管理について検討を行うともに、米国、英国の施設の実地調査なども行った。保険収載の拡充を図るため、指定難病の診断基準にある「検査」の妥当性を検討した。令和2年度診療報酬改定にて保険収載された難病領域の「検査」の提供体制の充実を図り、この情報をホームページに掲載した。さらに難病領域の「検査」の実施施設の情報を提供する検索サイトの構築も行った。3年目は新型コロナウイルス感染症対策のため、Webを用いた打合せ・班会議で検討を行った。2年目に構想した難病ゲノム医療拠点病院(案)も参考に、かずさDNA研究所、DNAチップ研究所などの協力を得て、保険収載を目指した「指定難病遺伝子パネル検査」(案)を策定した。また、このパネル検査開発のために指定難病の遺伝子49疾患55遺伝子の特許に関する知財のパイロット調査をポリテクノロジー有限会社に依頼し調査した。本研究の成果発表ならびに課題の検討のため、2021年2月27日にWebシンポジウム「難病領域の医療における遺伝学的検査の現状と課題」を開催した。2021年3月4日〜3月26日にWebアンケートを実施した。本研究班の課題解決のための「難病領域の診療における遺伝学的検査の指針」(指針)を策定した。
結果と考察
初年度は、工程表を策定しホームページを開設し、シンポジウムを開催した。2年目は、指定難病の診断基準及び遺伝学的検査の妥当性を検討し、52疾患(72項目)の検査実施体制の充実を行った。難病の遺伝学的検査の検査実施施設の検索サイトを構築した。また、1)難病の遺伝学的検査は研究室での実施が多く、医療機関、衛生検査所での実施体制の充実が必要。2)検査を拡充するには専門家との連携強化や保険点数増加による検査費用の充実が必要。3)特殊検査への対応が必要。4)研究の検査結果を確認検査などにより診療に役立てる体制の充実が必要。5)欧米の体制を参考に検査の外部精度管理などの品質・精度管理体制の充実が必要、との検討となった。3年目は、難病の遺伝学的検査実施の具体的方針を定めた「難病領域の診療における遺伝学的検査の指針」(指針)を策定した。また、活動の総括としてWebシンポジウム「難病医療における遺伝学的検査の現状と課題」を実施し、研究成果を発表するとともに、今後重要となる保険収載の促進、難病遺伝子パネル検査の開発などについてパネルディスカッションを行った。2021年3月に実施したWebアンケート等からは、改正医療法への理解が促進され、保険収載の遺伝学的検査の体制が充実し、難病診療に役立っていることが明らかになった。現状では、研究室での遺伝学的検査の実施も多いが、これらを集約し、遺伝学的検査の充実に貢献する「指定難病遺伝子パネル検査」(案)を策定し、具体的な開発について検討した。また、指定難病のみならず小児慢性特定疾病の遺伝学的検査の保険収載が強く望まれており、そのためには自家開発検査法(LDT)での遺伝学的検査を保険収載できる仕組みが必要と考えられた。今後、国で実施されている全ゲノム解析実行計画などの研究結果においても、本研究班で策定した指針に従った扱いにより診療へ還元することが必要である。今後、本研究で策定した指定難病遺伝子パネル検査が診療に導入され、さらに小児慢性特定疾病なども含めた難病の遺伝学的検査の充実が図られることが期待される。
結論
難病領域の遺伝学的検査に関する品質・精度管理等を検討し、その課題解決のために、保険収載を目指した「指定難病遺伝子パネル検査」(案)の構想を立案し、「難病領域の診療における遺伝学的検査の指針」を作成した。国で実施されている全ゲノム解析実行計画においても、研究結果を診療に用いるためには本指針に従うことが必要であり、今後関連学会や難病診療に関係している方々へ周知し、ゲノム医療へ貢献することが期待できる。

公開日・更新日

公開日
2021-05-27
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2021-05-27
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
202011016C

収支報告書

文献番号
202011016Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
25,350,000円
(2)補助金確定額
23,272,000円
差引額 [(1)-(2)]
2,078,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 5,709,182円
人件費・謝金 0円
旅費 62,721円
その他 11,651,055円
間接経費 5,850,000円
合計 23,272,958円

備考

備考
自己資金:958円

公開日・更新日

公開日
2021-07-01
更新日
2022-01-20