シックハウス症候群の診断・治療法及び具体的方策に関する研究

文献情報

文献番号
200738022A
報告書区分
総括
研究課題名
シックハウス症候群の診断・治療法及び具体的方策に関する研究
課題番号
H18-健危-一般-011
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
秋山 一男(国立病院機構相模原病院)
研究分担者(所属機関)
  • 長谷川 眞紀(国立病院機構相模原病院)
  • 坂本 龍雄(名古屋大学 大学院医学系研究科 小児科学講座)
  • 西間 三馨(国立病院機構福岡病院)
  • 高橋 清(国立病院機構南岡山医療センター)
  • 岡本 美孝(千葉大学 大学院医学研究院 耳鼻咽喉科)
  • 永井 博弌(岐阜薬科大学)
  • 池澤 善郎(横浜市立大学 大学院医学研究科 生体システム)
  • 中村 陽一(横浜市立みなと赤十字病院 アレルギーセンター)
  • 内尾 英一(福岡大学 医学部 眼科)
  • 小倉 英郎(国立病院機構高知病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域健康危機管理研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
21,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
SHSの定義・診断基準の統一を図り、SHSとしての健康障害の発症病態機序に関して基礎・臨床医学的研究を進め、診断・治療の手引きを作成し、一般臨床医でもSHS患者の診断・治療等の診療を可能にするとともに、医療経済学的視点・社会医学的視点からの検討も行うことで、SHSの疾患概念の確立を図る。
研究方法
本年度は、相澤班との合意でのSHSの定義と診断基準の確定、医療経済学視点からの研究として、SHS患者へのQOL、医療関連費用調査、臨床研究としては、前年度暫定的に策定した診断基準を用いて各個別研究での患者収集とデータの蓄積、基礎的研究としては、前年度からの動物実験を進め、SHSの病態機序の解明を図った。
結果と考察
(1)医療経済学的研究:SHS患者実態調査を実施した。患者のQOL阻害、経済的影響が大きいことが明らかになった。(2)共同臨床研究:1)SHSの定義:相澤班との合意事項として、SHSの定義は、広義と狭義に分けて定義された。2)狭義のSHSの診断基準は、i.発症のきっかけが、転居、建物*の新築・増改築・改修、新しい日用品(家具等)の使用等である。ii特定の部屋、建物内で症状が出現する。iii問題になった場所から離れると、症状が全くなくなるか軽くなる。iv室内空気汚染が認められれば、強い根拠となる。(*建物とは、建築基準法上の個人の住居の他に職場や学校等を含む)(3)個別臨床研究:1)カプサイシン吸入試験による咳閾値測定、2)低濃度のFAの鼻粘膜刺激によるf-MRIでの脳血流変化の検討、3)FA、トルエン負荷試験のオープン試験とシングルブラインド試験の比較検討、4)SHS素因群でのVOC負荷による前頭前野機能等の変化の検討、5)コレスチミドによる治療の効果、6)SHS様症状を訴えて受診した214名の患者の予後調査、7)SHSの皮膚症状へのFAの関与の検討(4) 個別基礎研究:1)FA誘発皮膚炎モデルマウスによる病態機序の検討、
2)モルモットによるFA全身暴露試験による眼症状病態機序の検討、2)FAやキシレンによる神経原性炎症の病態機序の検討。
結論
相澤班との合意により、現時点における“SHSの定義”、“(狭義の)診断基準”を確定した。班員施設受診SHS患者へのアンケート調査により、患者のQOL、医療経済学的状況等の実態を明らかにした。個別臨床研究、基礎研究は、最終年度のマニュアル作成に向けてのエビデンス確立に向けて実施された。

公開日・更新日

公開日
2008-06-02
更新日
-