文献情報
文献番号
202011011A
報告書区分
総括
研究課題名
間質性膀胱炎の患者登録と診療ガイドラインに関する研究
課題番号
H30-難治等(難治)-一般-013
研究年度
令和2(2020)年度
研究代表者(所属機関)
本間 之夫(東京大学 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
- 武田 正之(山梨大学大学院医学工学総合研究部泌尿器科学講座)
- 松川 宜久(名古屋大学医学部附属病院 泌尿器科)
- 横山 修(福井大学学術研究院医学系部門泌尿器科学分野)
- 井川 靖彦(信州大学医学部泌尿器科学講座)
- 山西 友典(獨協医科大学 医学部 )
- 巴 ひかる(東京女子医科大学東医療センター 泌尿器科)
- 柿崎 秀宏(旭川医科大学医学部泌尿器科学講座)
- 酒井 英樹(長崎大学 医歯薬学総合研究科)
- 石塚 修(信州大学医学部)
- 舛森 直哉(札幌医科大学医学部)
- 榎本 裕(三井記念病院 泌尿器科)
- 新美 文彩(東京大学医学部附属病院)
- 野宮 明(東京大学 医学部附属病院)
- 秋山 佳之(東京大学医学部附属病院 泌尿器科・男性科)
- 前田 大地(秋田大学大学院医学系研究科器官病態学講座)
- 古田 昭(東京慈恵会医科大学 泌尿器科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
3,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
間質性膀胱炎は、膀胱痛、膀胱不快感、頻尿などの症状を呈する原因不明の疾患で、ハンナ病変を有するハンナ型間質性膀胱炎が指定難病である。本疾患のガイドラインは我が国のものを含めて複数あるが、診断基準や分類基準が異なり、高い推奨度を有する治療法もない。不明確なハンナ病変の診断法、重症度基準、診療・治療の実態を明らかにするとともに、病態の解明に基づく画期的な治療の開発が必要である。今回の研究では、間質性膀胱炎患者のオンラインレジストリシステムへの症例登録をし、それを解析して上記の不明点を明らかにし、診療ガイドラインの確立をすることを目的とする。また国民および一般臨床医への啓発活動を同時に行う。
研究方法
患者レジストリシステムに患者登録を行う。目標の登録症例数は500例とし、集積されたデータを解析し、その結果をもとに現行の診断基準や重症度基準が適正かどうか、妥当性について検討を行う。
国民および一般臨床医へ広く啓発については、研究班ホームページを令和元年7月付で解説し普及に努める
国民および一般臨床医へ広く啓発については、研究班ホームページを令和元年7月付で解説し普及に努める
結果と考察
患者レジストリシステムは平成29年より構築および稼働を開始した。希少疾患であるため、当初症例の登録数が伸びず、令和1年度には250例の登録に留まったが、研究班員内に登録の要請を繰り返し行った結果、登録患者数が順調に増加した。令和2年12月31日時点で、研究協力施設からの登録は504例となり、当初予定されていた目標登録数を上回る結果となった。このレジストリの登録データの集計結果を、令和2年度の班会議(令和3年1月25日開催)において報告した。班会議では同レジストリデータを用いた解析結果を元に、現行の重症度判定基準の的確性について議論された。
研究開始からのもう一つの目標として、疾患についての啓発活動が挙げられていたが、国民および一般臨床医へ広く啓発を行うことを目的とした研究班のホームページ令和元年7月付で開設した。(https://icjapan-nationwidesurvey.org/)。
また、患者サイドからのe-PROも令和元年度にパイロット版を整備済みである。オンラインで難病患者が直接症状をデータベースに入力することにより、タイムリーなデータ収集を行えるようにすることが目的であるが、将来的には双方向性のコミュニケーションも可能となると考えられる。地方在住の難治性疾患および希少疾患の患者にとっては数少ない専門医のいる都市部の施設への頻回のアクセス自体が困難なことも少なくない。本システムよりオンライン上ではあるが難病患者支援・アウトリーチ活動の一端を担える可能性がある。
最終的な目標である現行の診療ガイドライン(2007年刊行)の改訂については、当初の計画よりやや目標達成が早まり、平成30年度にかけて改訂を行い、平成31年4月ガイドラインを刊行し、予定通り目的を達成した。また、令和2年4月には、東アジア諸国を含む国際的な診療ガイドラインも、本邦のガイドラインに沿って改定が行われた
研究開始からのもう一つの目標として、疾患についての啓発活動が挙げられていたが、国民および一般臨床医へ広く啓発を行うことを目的とした研究班のホームページ令和元年7月付で開設した。(https://icjapan-nationwidesurvey.org/)。
また、患者サイドからのe-PROも令和元年度にパイロット版を整備済みである。オンラインで難病患者が直接症状をデータベースに入力することにより、タイムリーなデータ収集を行えるようにすることが目的であるが、将来的には双方向性のコミュニケーションも可能となると考えられる。地方在住の難治性疾患および希少疾患の患者にとっては数少ない専門医のいる都市部の施設への頻回のアクセス自体が困難なことも少なくない。本システムよりオンライン上ではあるが難病患者支援・アウトリーチ活動の一端を担える可能性がある。
最終的な目標である現行の診療ガイドライン(2007年刊行)の改訂については、当初の計画よりやや目標達成が早まり、平成30年度にかけて改訂を行い、平成31年4月ガイドラインを刊行し、予定通り目的を達成した。また、令和2年4月には、東アジア諸国を含む国際的な診療ガイドラインも、本邦のガイドラインに沿って改定が行われた
結論
診断基準と重症度判定の検証、知識の普及、ガイドラインの刷新などの当初の目的を達成した。
公開日・更新日
公開日
2021-05-27
更新日
-