卒前教育・卒後臨床研修における公衆衛生医師の専門技能評価と育成手法等に関する調査研究

文献情報

文献番号
200738016A
報告書区分
総括
研究課題名
卒前教育・卒後臨床研修における公衆衛生医師の専門技能評価と育成手法等に関する調査研究
課題番号
H18-健危-一般-005
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
高野 健人(東京医科歯科大学・大学院医歯学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 相澤 好治(北里大学・医学部)
  • 佐藤 洋(東北大学・大学院医学系研究科)
  • 岸 玲子(北海道大学・大学院医学研究科)
  • 實成文彦(香川大学・医学部)
  • 大井田 隆(日本大学・医学部)
  • 川南 勝彦(国立保健医療科学院・公衆衛生政策部)
  • 中村 桂子(東京医科歯科大学・大学院医歯学総合研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域健康危機管理研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
6,325,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
地域健康危機管理を担う公衆衛生医師の育成は、医学卒前教育、卒後臨床研修、医師の生涯教育の中で一貫して取り組むものであり、またその専門技能を的確に評価する手法が必要とされている。本研究は、医師の卒前教育・卒後臨床研修、卒後公衆衛生教育における養成機能評価と効果的な手法を調査研究し、実践に必要な能力を備えた公衆衛生医師の養成方策等を明らかにし、公衆衛生医師の確保の方策を提示するものである。
研究方法
医師の卒前教育における公衆衛生学教育カリキュラムと効果的な教育技術の開発の一環として、public health mindを育成する教育手法の評価と教育スキル向上のため、医学生・大学院生を対象に社会医学サマーセミナーを実施した。公衆衛生医師の専門的実践技能の体系的評価方法の確立をめざし、国内外の公衆衛生医師の専門実践技能評価について文献調査を行い、わが国の公衆衛生医師の専門能力をまとめた。医師の卒後・生涯教育における公衆衛生専門医師の育成・資質向上システム構築の一環として、医学系大学院教育における公衆衛生人材養成カリキュラムに関する調査を実施した。調査研究は、全国機関衛生学公衆衛生学教育協議会の協力を得て実施した。
結果と考察
先駆的な教育手法を取り入れた社会医学サマーセミナーは参加者のpublic health mind養成に高い効果をもたらすことが明らかになった。セミナー形式によるpublic health mindを育成する教育手法では、社会医学へ興味のある参加者のリクルート、社会医学の第一線で活躍する講師による講義とPBLやケースメソッドを用いたグループワークの併用、講師を交えたフリーディスカッションの設定が重要な要素であることが明らかとなった。公衆衛生医師の専門能力に関して、分析評価能力、マネージメント・管理能力、コミュニケーション能力、パートナーシップの構築能力、教育・指導能力、研究の推進と成果の還元、職業倫理について必要な能力をまとめた。大学院の公衆衛生学・社会医学教育プログラムで今後必要な要件として、人材養成に関する目的の明確化、コースワークの充実、e-learning等IT技術の効果的活用、地域における人材やプログラムの連携が明らかとなった。
結論
地域健康危機管理を担う、実践に必要な能力を備えた公衆衛生医師の養成に資する、教育手法、公衆衛生医師の専門能力、大学院における公衆衛生学・社会医学教育プログラムの要件について明らかにした。

公開日・更新日

公開日
2008-04-14
更新日
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